※本記事は新日本空調が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
新日本空調は2026年3月期の決算説明資料を公表した。連結の完成工事高は154,884百万円(1,548億円、前期比12.5%増)、営業利益は15,128百万円(151億円、同33.3%増)、経常利益は15,881百万円(158億円、同32.6%増)、当期純利益は12,154百万円(121億円、同25.9%増)となった。受注工事高は177,762百万円(1,777億円、同15.5%増)、繰越工事高は148,747百万円(1,487億円、同18.2%増)で、資料は「主要指標はいずれも過去最高を更新し、成長基調が定着」したとしている。年間配当は前期比30円増配の110円、2027年3月期は完成工事高1,600億円・年間配当120円を見込む。
連結業績(2026年3月期 実績)
受注工事高は、オフィスビルなどの大規模開発案件に加え、産業分野における工場関連施設を中心とした大型案件の受注が増加し、リニューアル工事を含む幅広い分野で受注を積み上げた。完成工事高は大規模開発案件および工場関連工事の進捗により高水準となった。利益面は、受注段階における採算性の改善に加え、プロジェクト管理の高度化と施工体制の効率化が進展したことで収益性が向上し、完成工事総利益率は17.6%(前期比1.6pt改善)、営業利益率は9.8%(同1.6pt改善)、経常利益率は10.3%(同1.6pt改善)となった。繰越工事高は大規模開発案件を中心とする長工期案件が積み上がり、翌期以降の売上基盤を拡充した。ROEは16.0%で前期から1.7pt改善している。
| 項目(百万円) | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 受注工事高 | 177,762 | 153,891 | 23,871 | 15.5% |
| 完成工事高 | 154,884 | 137,684 | 17,199 | 12.5% |
| 完成工事総利益 | 27,190 | 22,002 | 5,187 | 23.6% |
| 完成工事総利益率 | 17.6% | 16.0% | 1.6pt | - |
| 営業利益 | 15,128 | 11,346 | 3,782 | 33.3% |
| 営業利益率 | 9.8% | 8.2% | 1.6pt | - |
| 経常利益 | 15,881 | 11,976 | 3,904 | 32.6% |
| 経常利益率 | 10.3% | 8.7% | 1.6pt | - |
| 当期純利益 | 12,154 | 9,656 | 2,497 | 25.9% |
| 当期純利益率 | 7.8% | 7.0% | 0.8pt | - |
| 繰越工事高 | 148,747 | 125,868 | 22,878 | 18.2% |
| ROE | 16.0% | 14.3% | 1.7pt | - |

財務面では、2026年3月期末の資産合計は135,391百万円(1,353億円)と前期末から17,224百万円増加した。工事進捗に伴う完成工事未収入金の増加および投資有価証券の増加が主因である。負債合計は52,721百万円(527億円)、純資産合計は82,669百万円(826億円)で前期末から13,375百万円増加した。営業活動によるキャッシュ・フローは11,621百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローは197百万円のプラス、財務活動によるキャッシュ・フローは5,169百万円のマイナスとなり、現金及び現金同等物の期末残高は26,869百万円(268億円)となった。
完成工事高・受注工事高の内訳
完成工事高を区分別にみると、個別国内は一般が120,487百万円(前期比15.8%増)、原子力が7,917百万円(同12.8%増)で、個別完成工事高は128,404百万円(同15.6%増)。関係会社は国内が8,487百万円(同25.3%減)、海外が17,991百万円(同17.9%増)で、関係会社完成工事高は26,479百万円(同0.6%減)とほぼ横ばいとなった。国内関係会社は保健分野が堅調に推移したものの一部の工場関連工事の進捗影響で前期を下回り、海外はデータセンター関連工事を中心に順調に進捗した。
| 区分(百万円) | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 | 構成比 |
|---|---|---|---|---|
| 個別国内 一般 | 120,487 | 104,033 | 15.8% | 77.8% |
| 個別国内 原子力 | 7,917 | 7,015 | 12.8% | 5.1% |
| 個別完成工事高 | 128,404 | 111,049 | 15.6% | 82.9% |
| 関係会社 国内 | 8,487 | 11,369 | △25.3% | 5.5% |
| 関係会社 海外 | 17,991 | 15,266 | 17.9% | 11.6% |
| 関係会社完成工事高 | 26,479 | 26,635 | △0.6% | 17.1% |
| 連結完成工事高 | 154,884 | 137,684 | 12.5% | 100.0% |

受注工事高は、個別国内の一般が142,960百万円(前期比23.5%増)、原子力が11,851百万円(同80.0%増)で個別受注工事高は154,812百万円(同26.6%増)。関係会社は国内9,298百万円(同13.0%減)、海外13,651百万円(同34.6%減)で関係会社受注工事高は22,950百万円(同27.3%減)となった。原子力関連工事は当初計画を大きく上回る受注となった一方、海外は前期の大型案件受注の反動により減少した。受注工事高の内訳は新築工事81,859百万円(構成比46.0%)、リニューアル工事95,903百万円(同54.0%)、保健分野82,877百万円(同46.6%)、産業分野94,885百万円(同53.4%)。完成工事高の内訳は新築工事65,145百万円(同42.1%)、リニューアル工事89,738百万円(同57.9%)、保健分野66,820百万円(同43.1%)、産業分野88,063百万円(同56.9%)となった。繰越工事高は個別繰越工事高125,834百万円(前期比26.6%増)、関係会社繰越工事高22,912百万円(同13.3%減)で、連結では148,747百万円(同18.2%増)となっている。
2027年3月期 業績予想
2027年3月期は受注工事高180,000百万円(1,800億円)、完成工事高160,000百万円(1,600億円)、完成工事総利益29,000百万円、営業利益16,000百万円(160億円)、経常利益16,500百万円(165億円)、当期純利益12,800百万円(128億円)を見込む。繰越工事高は168,747百万円(1,687億円)と高水準を維持する見通しで、営業利益率は10.0%を計画する。大規模開発案件、工場関連施設、データセンター、原子力関連工事などの需要を取り込み、採算性を重視した受注活動を継続する方針。完成工事高は個別完成工事高133,000百万円、関係会社完成工事高27,000百万円を見込んでいる。
| 項目(百万円) | 2027年3月期 見通し | 2026年3月期 実績 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 受注工事高 | 180,000 | 177,762 | 1.3% |
| 完成工事高 | 160,000 | 154,884 | 3.3% |
| 完成工事総利益 | 29,000 | 27,190 | 6.7% |
| 完成工事総利益率 | 18.1% | 17.6% | 0.5pt |
| 営業利益 | 16,000 | 15,128 | 5.8% |
| 営業利益率 | 10.0% | 9.8% | 0.2pt |
| 経常利益 | 16,500 | 15,881 | 3.9% |
| 経常利益率 | 10.3% | 10.3% | 0.0pt |
| 当期純利益 | 12,800 | 12,154 | 5.3% |
| 当期純利益率 | 8.0% | 7.8% | 0.2pt |
| 繰越工事高 | 168,747 | 148,747 | 13.4% |

株主還元
同社グループは株主への利益還元を重要な経営課題の一つと位置づけ、安定的かつ継続的な株主還元の実現を基本方針としている。DOE(株主資本配当率)の下限を5%に設定するとともに、長期経営方針である10年ビジョン「SNK Vision 2030」の期間中は累進配当方針を採用し、年間配当の減配は行わない方針。2026年3月期の配当は中間40円・期末70円の年間110円とし、連結配当性向は41.1%、DOEは8.0%を見込む。2027年3月期は中間60円・期末60円の年間120円、DOEは7.8%を見込んでいる。なお2025年1月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、それ以前の配当も分割後の影響を考慮して表示されている。
| 1株当たり配当(円) | 2025年3月期 実績 | 2026年3月期 予定 | 2027年3月期 予想 |
|---|---|---|---|
| 中間 | 30 | 40 | 60 |
| 期末 | 50 | 70(予定) | 60 |
| 合計 | 80 | 110(予定) | 120 |
| DOE | 6.6% | 8.0% | 7.8% |

中期経営計画PhaseⅡの成果とPhaseⅢの方針
2023~2025年度を対象とする中期経営計画PhaseⅡでは、「社会の持続性」と「企業の持続性」の両立を基本方針に掲げ、主要経営数値目標を1年前倒し(2025年3月期)で達成した。期間中の成長事業・人的資本・デジタル関連投資は約140億円を実行し、政策保有株式は4,737百万円を削減して2022年度末比21.8%の削減を達成した。取り組みとしては、物流・加工ネットワーク「SNK-SOLNet®」とロジスティクス管理ツール「ConstraX」による現場工数10~30%の削減と全国展開、JAXA「宇宙戦略基金事業(第二期)」への参画による宇宙領域への技術展開、SBT認定の取得やCDP気候変動評価「Aリスト」選定などが挙げられている。
次期中期経営計画PhaseⅢでは、デジタルとグリーンを両輪に既存事業を進化させ、2030年3月期(2029年度)目標として完成工事高2,000億円以上、営業利益率12%以上、ROE18%以上、繰越工事高2,000億円以上を掲げる。キャッシュアロケーションは、4年間で事業によるフリーキャッシュ600億円を見込み、そのうち300億円規模を成長投資(AI・デジタル分野、新研究所における新たなR&D、新規イノベーション分野、M&A関連投資など)に、300億円程度を株主還元に配分する計画。株主還元では累進配当に加え、自己株式の取得も通じて資本効率を高めるとしている。
※本記事は新日本空調が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。