※本記事は大成温調が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
大成温調の2026年3月期は、売上高が61,719百万円(前期比△1.3%)と前期並みの水準となった一方、営業利益3,980百万円(同27.8%増)、経常利益4,597百万円(同32.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,549百万円(同42.7%増)となり、資料では営業利益・経常利益・当期純利益がいずれも4期連続の増益と説明されている。良好な受注環境を受けた収益性の高い工事の取り込みや、全社的な利益率・生産性向上の取り組みが寄与し、完成工事総利益率は17.7%(前期14.7%)に上昇した。個別ベースでは受注工事高50,945百万円(前期比8.3%増)、次期繰越工事高49,431百万円(同17.6%増)と工事量が積み上がっている。2027年3月期は売上高64,000百万円と増収を見込む一方、営業利益・経常利益は減益、当期純利益は増益の予想としている。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は61,719百万円(前期比△783百万円、△1.3%)、うち完成工事高は60,138百万円(同△198百万円、△0.3%)と前期並みの水準。一方で売上総利益は10,906百万円(同19.9%増)、完成工事総利益は10,633百万円(同19.8%増)と伸び、完成工事総利益率は前期の14.7%から17.7%へ上昇した。これにより営業利益3,980百万円、経常利益4,597百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,549百万円といずれも増益となった。財政状態は総資産51,892百万円(前期比11.8%増)、純資産30,731百万円(同11.2%増)、自己資本比率59.2%(同△0.3pt)。連結キャッシュ・フローは営業CF9,716百万円、投資CF△548百万円、財務CF△3,407百万円で、現金及び現金同等物の期末残高は18,448百万円(期首12,622百万円)となった。
| 項目(百万円) | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 61,719 | 62,502 | △783 | △1.3% |
| 完成工事高 | 60,138 | 60,337 | △198 | △0.3% |
| 売上総利益 | 10,906 | 9,094 | 1,811 | 19.9% |
| 完成工事総利益 | 10,633 | 8,876 | 1,757 | 19.8% |
| (完成工事総利益率) | 17.7% | 14.7% | — | — |
| 営業利益 | 3,980 | 3,115 | 865 | 27.8% |
| 経常利益 | 4,597 | 3,483 | 1,114 | 32.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,549 | 2,487 | 1,062 | 42.7% |

セグメント別の状況
同社は空気調和、給排水衛生、電気設備などの設備工事事業を中心に、日本・米国・中国・オーストラリアの4セグメントで事業を展開している。日本セグメントは良好な受注環境の継続により売上高47,526百万円と前期と同水準で推移し、受注利益率の上昇や工事の順調な進捗に加え、ウッドテック株式会社の収益性向上により営業利益は3,456百万円(前期比39.0%増)となった。米国セグメントは不動産業や建設業の堅調から売上高12,350百万円と前期と同水準で、工事の順調な進捗や円安等の影響により営業利益821百万円と資料では過去最高益を達成したと説明されている。中国セグメントは中国経済の成長鈍化の影響と着工延期により売上高1,793百万円(同△34.6%)と減収となり、営業損失246百万円を計上した。
| セグメント | 指標(百万円) | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| 連結 | 売上高 | 61,719 | 62,502 |
| 日本 | 売上高 | 47,526 | 47,386 |
| 米国 | 売上高 | 12,350 | 12,341 |
| 中国 | 売上高 | 1,793 | 2,741 |
| オーストラリア | 売上高 | 47 | 32 |
| 連結 | 営業利益 | 3,980 | 3,115 |
| 日本 | 営業利益 | 3,456 | 2,485 |
| 米国 | 営業利益 | 821 | 529 |
| 中国 | 営業利益 | △246 | 129 |
| オーストラリア | 営業利益 | 19 | 6 |

個別の完成工事高・受注工事高・繰越工事高
個別(単体)の完成工事高は43,540百万円(前期比0.5%増)。新築工事は23,459百万円(同3.3%増)と、新築大型物件の増加に加え前期および前々期受注案件の進捗により増収となった一方、改修・保守修理等は20,081百万円(同△2.7%)と人的リソースの制約により減収となった。個別受注工事高は官庁事務所施設などの大型新築工事の受注により50,945百万円(同8.3%増)へ増加し、新築工事が30,853百万円(同22.2%増)と伸びた。個別次期繰越工事高は良好な受注環境と受注案件の大型化により49,431百万円(同17.6%増)と引き続き増加傾向にあり、うち新築工事は41,405百万円(同21.7%増)となった。
| 区分(百万円) | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 個別完成工事高 | 43,540 | 43,341 | 199 | 0.5% |
| 新築工事 | 23,459 | 22,707 | 751 | 3.3% |
| 改修・保守修理等 | 20,081 | 20,634 | △552 | △2.7% |
| 個別受注工事高 | 50,945 | 47,037 | 3,908 | 8.3% |
| 新築工事 | 30,853 | 25,239 | 5,613 | 22.2% |
| 改修・保守修理等 | 20,092 | 21,797 | △1,705 | △7.8% |
| 個別次期繰越工事高 | 49,431 | 42,026 | 7,404 | 17.6% |
| 新築工事 | 41,405 | 34,011 | 7,394 | 21.7% |
| 改修・保守修理等 | 8,025 | 8,015 | 10 | 0.1% |
2027年3月期 連結業績予想
2027年3月期は、豊富な繰越工事量により連結で増収を見込み、売上高64,000百万円(前期比3.7%増)を予想している。一方、資機材価格および人件費の上昇傾向、将来の成長に向けた人的投資を含む約10億円の追加投資の影響により、営業利益3,700百万円(同△7.0%)、経常利益3,870百万円(同△15.8%)と減益予想。ただし固定資産売却益により、親会社株主に帰属する当期純利益は5,300百万円(同49.3%増)と増益を見込む。
| 項目(百万円) | 2027年3月期(予測値) | 2026年3月期(実績) | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(連結) | 64,000 | 61,719 | 2,281 | 3.7% |
| 営業利益(連結) | 3,700 | 3,980 | △280 | △7.0% |
| 経常利益(連結) | 3,870 | 4,597 | △727 | △15.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(連結) | 5,300 | 3,549 | 1,751 | 49.3% |

株主還元
本資料では1株当たり配当金の記載はなく、株主還元はDOE(株主資本配当率)を指標として示されている。中期経営計画「1st half!」のKPIであるDOE2.5%以上に対し、2026年3月期の実績は3.8%(「1st half!」開始時の2021年3月期は2.0%)。2031年3月期にはDOE4.0%以上を目標に掲げている。キャピタルアロケーションについては、2026年3月期から2031年3月期を対象に、営業CFの創出に加え固定資産売却や手元資金水準の最適化を進めながら、技術・人財・AI/DXやM&A等の成長投資と配当等の株主還元を両立させる方針が示されている。
中期経営計画 LIVZON DREAM 2030「2nd half!」
同社は中期経営計画「LIVZON DREAM 2030」の後半計画(FY2026~FY2030)として「2nd half!」を公表した。「1st half!」については、2026年3月期に営業利益率6.4%(ターゲット5.0%以上)、ROE12.2%(同8.0%以上)、EPS573円(同250円以上)、DOE3.8%(同2.5%以上)と、すべてのKPIを達成したとしている。「2nd half!」では「技術」をコアとして「人財とデータ」で成長を加速する方針のもと、(1)高度エンジニアリング領域の拡大(受注比率20%以上)、(2)ストック収益の最大化(保守・改修領域の受注比率50%以上)、(3)生産性の向上(中規模以上のPJにおけるオフサイト施工採用率80%、国内単体の一人当たり売上高を2026年3月期比30%増)の3つの成長戦略を掲げる。これらを人的資本とデータ・AI活用の経営資源で支え、2031年3月期のKGIとして営業利益70億円以上、ROE12.0%以上(自社株買いを除く)、EPS810円以上、DOE4.0%以上を目指す。

※本記事は大成温調が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。