※本記事は弘電社が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
弘電社の2026年3月期(2025年度)連結業績は、売上高442億円(前年度比+50億円)、営業利益38.9億円(同+8.1億円)、当期純利益28.3億円(同+1億円)となった。電気設備工事が増収、商品販売が減収となる中、手持工事の着実な進捗と短納期案件の取り込みにより全体では増収となり、粗利益の増加を伴って増益となった。工事手持高は大型案件受注により501億円(同+48億円)に積み上がった。2026年度の連結業績予想は売上高450億円、営業利益36億円としている。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は、手持工事の着実な進捗と短納期案件の取り込みにより前年度比+50億円の442億円。経常利益は、人件費等の期間費用増はあるものの、売上規模拡大に伴う粗利益の増加ならびに個別案件の採算改善により前年度比+9億円の40億円となった。資料では経常利益の変動内訳を、規模増減+10億円、採算変動+3億円、費用変動他△5億円と説明している。売上総利益は95億円(前年度82億円)、売上総利益率は21.4%(同20.8%)と0.6㌽改善した。
| 項目 | 2025年度(当期) | 2024年度(前期) | 変動 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 442億円 | 393億円 | +50億円 |
| 電気設備工事 | 355億円 | 303億円 | +52億円 |
| 商品販売 | 88億円 | 89億円 | △2億円 |
| 売上総利益 | 95億円 | 82億円 | +13億円 |
| 売上総利益率 | 21.4% | 20.8% | +0.6㌽ |
| 期間費用(発生) | 56億円 | 51億円 | +5億円 |
| 営業外収益他 | 1億円 | 1億円 | 0億円 |
| 経常利益 | 40億円 | 32億円 | +8億円 |
| 経常利益率 | 9.1% | 8.1% | +1.0㌽ |
| 営業利益 | 38.9億円 | - | +8.1億円 |
| 当期純利益 | 28.3億円 | 開示なし | +1億円 |

セグメント別の状況
決算短信のセグメント情報をもとにした区分では、電気設備工事は売上高35,474百万円(前年度30,318百万円)、セグメント利益5,447百万円(同4,539百万円)、利益率15.4%(同15.0%、+0.4㌽)と増収増益。商品販売は売上高8,979百万円(同9,311百万円)、セグメント利益344百万円(同417百万円)、利益率3.8%(同4.5%、△0.6㌽)と減収減益となった。財務諸表計上額ベースでは売上高44,234百万円(同39,264百万円)、利益3,893百万円(同3,081百万円)、利益率8.8%(同7.8%)。なお資料の注記によれば、セグメント利益は全社費用(主に各セグメントに帰属しない一般管理費)を控除前の数値であるため、連結損益計算書とは一致しない。
| セグメント | 指標 | 2025年度 通期 | 2024年度 通期 |
|---|---|---|---|
| 電気設備工事 | 売上高 | 35,474百万円 | 30,318百万円 |
| 電気設備工事 | セグメント利益 | 5,447百万円 | 4,539百万円 |
| 電気設備工事 | 利益率 | 15.4% | 15.0% |
| 商品販売 | 売上高 | 8,979百万円 | 9,311百万円 |
| 商品販売 | セグメント利益 | 344百万円 | 417百万円 |
| 商品販売 | 利益率 | 3.8% | 4.5% |
| 財務諸表計上額 | 売上高 | 44,234百万円 | 39,264百万円 |
| 財務諸表計上額 | 利益 | 3,893百万円 | 3,081百万円 |
| 財務諸表計上額 | 利益率 | 8.8% | 7.8% |

業績推移
資料では、手持工事の着実な遂行に加え、改修、営繕等の受注が好調に推移したことにより、近年最高の売上高442億円を計上したと説明している。また、中期経営計画目標の「営業利益30億円以上、当期純利益20億円以上、ROE10%以上」をいずれも上回る、営業利益38.9億円、当期純利益28.3億円、ROE12.1%を達成したとしている。営業利益率は8.8%で、前年度の7.8%から上昇した。

財務状況
2025年度末の総資産残高は392億円で、売掛債権、短期貸付金等の増加により前年度末比58億円の増加。純資産計は25,182百万円(前年度末21,914百万円)となった。期末に大型案件の債権回収が進んだことにより貸付を実施し、貸付金を含む手許流動性残高は116億円と、前年度末の92億円から24億円増加して高水準を維持している。資料では、前年度比増収増益により改善したフリーキャッシュ・フローをもとに、株主還元(増配)およびDX投資(BIM、生成AI)、人的投資(従業員の処遇改善)等の成長投資を実施したとしている。
| 項目 | 2025年度末 | 2024年度末 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 流動資産 | 29,599百万円 | 25,825百万円 | +3,774百万円 |
| 売掛債権 | 16,972百万円 | 14,699百万円 | +2,273百万円 |
| 短期貸付金 | 10,677百万円 | 8,355百万円 | +2,322百万円 |
| 固定資産 | 9,602百万円 | 7,549百万円 | +2,053百万円 |
| 資産合計 | 39,202百万円 | 33,375百万円 | +5,827百万円 |
| 負債計 | 14,019百万円 | 11,461百万円 | +2,558百万円 |
| 純資産計 | 25,182百万円 | 21,914百万円 | +3,268百万円 |
| 手許流動性 | 11,578百万円 | 9,247百万円 | +2,331百万円 |
通期業績予想(2026年度)
2026年度の連結業績予想は、売上高450億円(対前期増減率+1.7%)、営業利益36億円(同△7.5%、利益率8.0%)、経常利益36.5億円(同△9.1%、利益率8.1%)、当期純利益24億円(同△15.3%、利益率5.3%)。中期経営計画に基づきDX投資や人的投資(従業員処遇改善等)等の成長投資を継続しつつ、手持案件の確実な施工と各種ロス回避、人件費や資機材価格高騰に伴うコストアップの適正な価格反映、効率的な施工および業務支援等の原価低減策の強化により、営業利益36億円の確保を目指すとしている。
| 項目 | 2026年度予想 | 対前期増減率 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 45,000百万円 | +1.7% | - |
| 営業利益 | 3,600百万円 | △7.5% | 8.0% |
| 経常利益 | 3,650百万円 | △9.1% | 8.1% |
| 当期純利益 | 2,400百万円 | △15.3% | 5.3% |

株主還元
資料では、前年度比増収増益により改善したフリーキャッシュ・フローをもとに、株主還元(増配)およびDX投資、人的投資等の成長投資を実施したと記載している。また、事業環境が変化する中、資金管理に留意した運営を継続しつつ、中期経営計画の重点施策である「成長投資」「株主還元」を継続するとしている。配当金額や配当性向など個別の数値は本資料には開示されていない。
中期経営計画・事業環境
当期は中期経営計画目標の「営業利益30億円以上、当期純利益20億円以上、ROE10%以上」をいずれも上回った。2026年度は、一定水準の利益を確保しつつ「ありたい姿」の実現に向け戦略的な先行投資を行うと位置付けた「フェーズ1(2024〜2026年度)」の最終年度にあたる。同社グループは2023年〜2025年での複数の大口案件受注に伴い、近年最高レベルの手持工事(連結で500億円超)を保持しており、工事部門における手持工事の確実な施工に加え、現場業務支援をはじめとした施工生産性向上施策の成果具現化等を通じた更なる原価低減の実現、コストアップの適正な価格反映等により創出した利益でDX投資や人的投資等の費用増を吸収し、2027年度以降継続して達成すべき目標として掲げた「売上高450億円以上、営業利益30億円以上」をクリアする、売上高450億円、営業利益36億円の確保を目指すとしている。市場環境については、高水準な公共投資ならびに民間設備・建設投資の継続、大型再開発案件・リニューアル案件具現化等のプラス要因により総じて順調に推移すると想定する一方、物価上昇や米国の通商政策動向等の景気下押しリスク、中東情勢に伴う原油調達の混乱継続等により先行き不透明感が強まり、当社関連市場においても建設コスト上昇等に起因した設備投資計画の延期・中止等のリスクが高まりつつあるとしている。
※本記事は弘電社が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。