※本記事は土屋ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
土屋ホールディングス(1840)の2025年10月期通期決算は、売上高が31,456百万円(前年同期比5.5%減、金額差異△1,821百万円)、営業損益が△122百万円、経常損益が△95百万円、親会社株主に帰属する当期純損益が△93百万円となった。建築確認申請の審査長期化等の影響を受けて想定以上に建築着工が遅れ、引渡棟数が減少したことに加え、事業用建物等の反動減もあり減収となり、売上高の減少に伴う売上総利益の減少から営業段階で損失を計上した。2026年10月期は売上高35,000百万円(前年比11.3%増)、営業利益400百万円を見込む。
連結業績(2025年10月期 実績)
売上高は31,456百万円(前年同期比5.5%減)。売上総利益は8,126百万円(同6.6%減)、売上高総利益率は25.8%と前期の26.1%から低下した。販売費及び一般管理費は広告宣伝費や販促費の抑制、及び業績給の縮小等により8,249百万円(同3.5%減)へ削減したものの、営業段階で赤字となった。親会社株主に帰属する当期純損益は△93百万円(前期は758百万円)。
| 項目(百万円) | 2025年10月期 | 2024年10月期 | 前年同期比(%) | 金額差異 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 31,456 | 33,278 | △5.5 | △1,821 |
| 売上総利益 | 8,126 | 8,700 | △6.6 | △573 |
| 販売費及び一般管理費 | 8,249 | 8,547 | △3.5 | △297 |
| 営業利益 | △122 | 152 | — | △275 |
| 経常利益 | △95 | 186 | — | △281 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △93 | 758 | — | △851 |
資料では、建築基準法改正による市場への影響として、省エネ基準への適合義務化、木造戸建て住宅2階建て又は延べ面積200㎡超の構造計算の義務化を挙げ、建築確認審査期間の長期化から新設住宅着工戸数の持家が減少したと説明している。3月に駆け込みにより持家の着工戸数は増加したものの、4月以降は反動減と審査期間の長期化から回復には至らず、特に主力エリアである北海道・東北エリアでの影響が大きかったとしている。
事業別の状況
住宅事業は、事業用建築物等の反動減で減収となり、注文住宅が前年を上回るものの、建築基準法改正の影響に加え、賃貸住宅部門への先行投資費用もあり赤字幅が拡大した。リフォーム事業は大型リフォーム物件の引渡遅延、売上総利益率の低下により減収・損失計上。不動産事業は計画通りに推移したが、前年の大型案件の反動減等により減収減益となった。
| 事業 | 指標(百万円) | 2025年10月期 | 2024年10月期 | 金額差異 |
|---|---|---|---|---|
| 住宅 | 売上高 | 18,485 | 20,043 | △1,557 |
| 住宅 | 営業利益(利益率) | △296(-) | △228(-) | △67 |
| リフォーム | 売上高 | 3,967 | 3,992 | △25 |
| リフォーム | 営業利益(利益率) | △25(-) | 15(0.4%) | △40 |
| 不動産 | 売上高 | 9,042 | 9,186 | △144 |
| 不動産 | 営業利益(利益率) | 420(4.7%) | 569(6.2%) | △148 |
| 賃貸 | 売上高 | 498 | 512 | △13 |
| 賃貸 | 営業利益(利益率) | 92(18.5%) | 100(19.6%) | △8 |

財政状態・キャッシュ・フロー
固定資産は恵庭PFIの工事進捗による建設仮勘定が増加し、流動負債の抑制等もあり、自己資本比率は48.3%(前期47.5%)と若干改善した。資産合計は26,989百万円(前期末比△201百万円)、純資産は13,041百万円(同+114百万円)。キャッシュ・フローは、投資活動によるキャッシュフローが建設仮勘定の増加等もありマイナス幅が拡大し、フリーキャッシュフローはマイナスとなった。現金及び現金同等物の期末残高は2023年10月末を上回り、高水準を維持しているとしている。
| 項目(百万円) | 2025年10月期 | 2024年10月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 6,643 | 3,130 | +3,512 |
| 営業活動によるキャッシュフロー | 1,250 | 3,224 | △1,974 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | △2,100 | △530 | △1,570 |
| フリーキャッシュフロー | △850 | 2,694 | △3,544 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | △996 | 818 | △1,815 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 4,795 | 6,643 | △1,847 |
2026年10月期 通期見通し
2026年10月期は、住宅事業においてWEBマーケティング戦略の強化と完成・構造現場の体感機会を活かした差別化を両輪に黒字転換を目指す。恵庭市から受託したPFIの売上高の計上もあり2桁増収を見込む一方、新基幹システム導入に伴う減価償却費の増加を織り込む。DJ構法等の導入や積水ハウスとの共同建築事業(SIコラボレーション)の早期立ち上げを目指すとしている。なお住宅事業(非住宅除く)の受注高は4Qより前年を上回り、受注残高は積みあがっているという。
| 項目(百万円) | 2026年10月期(見通し) | 2025年10月期(実績) | 前年比(%) | 金額差異 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 35,000 | 31,456 | 11.3 | +3,543 |
| 営業利益 | 400 | △122 | — | +522 |
| 経常利益 | 400 | △95 | — | +495 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 260 | △93 | — | +353 |

株主還元
株主に対する安定的な利益還元は経営の最重要政策であるとし、一株当たり配当金は2026年10月期10円を予定している。

中期経営計画の見直し
中期経営計画2027について、基本戦略は変更せず、達成年度を1年延期し「中期経営計画2028」とする見直しを行った。定量目標は変更なしで、2028年10月期の目標は売上高40,000百万円(住宅事業24,000百万円、リフォーム事業4,500百万円、不動産事業11,000百万円、賃貸事業500百万円)、営業利益1,600百万円、ROE8.0%。中期経営計画のスタートは建築基準法の一部改正により建築確認申請の審査長期化等の影響を受けて想定以上に建築着工の遅れが生じたが、積水ハウスとの資本業務提携による商品力の大幅向上と施工能力のアップにより地域戦略が強化され、1年延期で中期経営計画を達成するとしている。
計画の方向性は「住生活総合産業として北海道№1企業の復活と、仙台に第2の本拠地基盤を確立」。積水ハウスとの資本業務提携を基軸に、北海道エリアではDJ構法(ダイレクトジョイント構法)の販売を札幌市内及び近郊地域より先行販売し、東北エリアでは積水ハウスとのSI-COLLABORATIONによる共同建築事業を仙台市から販売開始、中期経営計画中に100棟を目指す。また、土屋ホーム北広島プレカット工場敷地内に共同実験住宅棟を建築予定としている。

サステナビリティの取り組み
国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に賛同し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めている。ZEH割合は北海道86%、北海道外67%(2025年5月19日現在)、新築住宅の建築に使用する木材の輸入材から国産材への切り替えは2025年10月期実績で79%。このほか、瑕疵保険の付保について目標値とした水準の達成、土屋アーキテクチュアカレッジ(企業内職業訓練校)への内定者確保、温室効果ガスのスコープ1・2の測定、建築副産物の削減に向けたプレカット時の端材発生率の測定などを実施している。
※本記事は土屋ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。