松井建設

松井建設、2026年3月期は営業利益67.3%増の5,659百万円 ROEは8.1%に改善

決算サマリー 2026.08.11
松井建設、2026年3月期は営業利益67.3%増の5,659百万円 ROEは8.1%に改善

※本記事は松井建設が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

松井建設の2026年3月期連結業績は、売上高が前期比3.2%減の96,037百万円となった一方、営業利益は同67.3%増の5,659百万円、経常利益は同62.1%増の6,231百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同59.6%増の4,350百万円と大幅な増益となった。資料では、建設工事費高騰分の価格転嫁が進展し、さらなる原価低減に努めたこと等によりROEが当社想定株主資本コストを上回る8.1%に改善したとしている。2027年3月期は売上高96,000百万円、営業利益5,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円を見込む。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

売上高は減収となったものの、各段階利益はいずれも前期を大きく上回った。営業利益は前期比2,276百万円増、経常利益は同2,387百万円増、親会社株主に帰属する当期純利益は同1,624百万円増となっている。(単位:百万円)

項目2026年3月期2025年3月期前期比増減
売上高96,03799,253▲3,215
営業利益5,6593,3822,276
経常利益6,2313,8432,387
親会社株主に帰属する当期純利益4,3502,7261,624

貸借対照表は、総資産が87,637百万円(前期比6,749百万円増)、純資産が57,028百万円(同6,411百万円増)、負債合計が30,609百万円(同337百万円増)となり、自己資本比率は65.1%。資産面では現金預金が3,542百万円増の17,005百万円、投資その他の資産が5,644百万円増の24,612百万円となった一方、受取手形・完成工事未収入金等は1,891百万円減の26,899百万円となった。負債面では短期借入金3,000百万円が皆減し、未成工事受入金は2,398百万円増の12,269百万円となっている。

松井建設の連結損益計算書。2026年3月期実績、2025年3月期実績、前期比増減、2027年3月期予想を記載
出典:松井建設 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.4

受注高・売上高・繰越高(単体)の状況

単体の当期受注高は合計103,029百万円、当期売上高は合計94,552百万円、期末の繰越高は合計112,719百万円となり、前期繰越高104,242百万円から増加した。建設事業では建築の当期受注高が100,185百万円、当期売上高が91,515百万円、繰越高が110,462百万円。当期の主な受注工事には、武蔵野大学武蔵野キャンパス大学図書館建替計画、福岡大学新本館(仮称)新築工事、重要文化財總持寺祖院大祖堂ほか16棟保存修理事業 仏殿ほか解体格納工事、重要文化財今村天主堂ほか7基建造物保存修理工事(第1期工事)などが挙げられている。主な完成工事には、高野山金剛峯寺奥之院燈籠堂改修工事、重要文化財旧長崎英国領事館本館ほか保存修理第2期工事、新潟大学(旭町)ヒト脳科学・ヘルスイノベーションセンター(仮称)新営工事などがある。(単位:百万円)

区分前期繰越高当期受注高当期売上高繰越高
建設事業 建築101,791100,18591,515110,462
建設事業 土木1,8131,2101,4871,536
建設事業 計103,604101,39693,003111,998
不動産事業等6371,6331,549721
合計104,242103,02994,552112,719
松井建設 単体の当期の受注高、売上高及び繰越高。建築・土木・不動産事業等の区分別内訳
出典:松井建設 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.7

2027年3月期 通期業績予想

2027年3月期は、売上高96,000百万円、営業利益5,400百万円、経常利益5,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円を予想している。(単位:百万円)

項目2027年3月期 予想2026年3月期 実績
売上高96,00096,037
営業利益5,4005,659
経常利益5,9006,231
親会社株主に帰属する当期純利益4,0004,350

株主還元

資料では、5期にわたり自己株式取得を実施し株主還元を強化してきたとし、連結配当性向を50%程度とする方針を示している。2026年3月期の配当性向は51.4%、配当金は78円で、2027年3月期予想は配当金70円、配当性向49.9%。中期経営計画のキャッシュ・アロケーションでは、事業活動を通じて生み出したキャッシュを継続的な株主還元の実施や投資による事業基盤強化等に活用するとし、キャッシュアウトの内訳として配当金・自己株式取得(配当性向50%程度)、2025年度から2027年度の3年間で40億円の投資計画、財務基盤強化(手元現預金の回復、社有不動産の建替えへの備え、将来の投資を見据えた内部留保)を挙げている。

松井建設の株主還元の推移。自己株式取得額、配当総額、配当性向、配当金の推移グラフ
出典:松井建設 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.20

中期経営計画〈2025-2027〉と資本コスト・株価を意識した経営

中期経営計画〈2025-2027〉の財務資本戦略では、2027年度目標として売上高990億円、営業利益35億円、当期純利益30億円、ROE6%程度、配当性向50%程度を掲げている。初年度にあたる2025年度は売上高960億円、営業利益56億円、当期純利益43億円、ROE8.1%、配当性向51.4%となった。資料は、中期経営計画初年度に財務資本戦略の数値目標を概ね達成したものの、堅実な経営方針から現在の経済情勢を考慮し、中期経営計画の見直しは2年目の結果を踏まえて検証を行うとしている。(単位:億円、%)

項目2025年度 実績2027年度 目標
売上高960億円990億円
売上総利益108億円80億円
完成工事総利益102億円74億円
不動産事業等総利益6億円6億円
営業利益56億円35億円
当期純利益43億円30億円
ROE8.1%6%程度
配当性向51.4%50%程度
松井建設 中期経営計画〈2025-2027〉財務資本戦略の基本数値目標(連結)。2025年度実績と2027年度目標
出典:松井建設 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.13

資本コストや株価を意識した経営への対応では、PBRは株価の上昇を受け一時1.0倍を超えたものの期末時点では0.79倍で着地したとしている(株主資本コストは当社独自のCAPMに基づく算定値で6.0%~7.0%)。改善に向けた方針として、本業の建設事業で安定的に利益が創出できるようあらゆるサプライチェーンとの関係強化を図り、近い将来にPBR1.0倍以上の回復を目指すとともに、ROEは将来的に8.0%以上を目標とする。経営戦略は「事業基盤の充実」「企業体質の充実」「企業責任の充実」の3本柱で構成され、社寺営業力の強化や社寺建築技術の伝承による社寺ブランドの確立、施工BIMの活用(工事価格3億円以上の作業所で100%)、新基幹システムの2026年度本稼働、新卒・キャリア採用年間40名以上などの非財務目標を掲げている。

トピック(サステナビリティへの取り組み)

太陽光発電事業の推進として、同社保有の栄町駐車場(千葉県船橋市)にソーラーカーポートを設置し、発電した電力を本社ビル(東京都中央区)で自家消費する「自己託送」を2026年6月より開始する予定。想定発電量は91,577wh/年で、本社ビルの年間使用電力の20%程度を賄うことが可能とし、コスト削減効果も期待できるとしている。また建設現場の脱炭素化として、「シュゼット西宮浜工場新築工事」の仮設現場事務所において「ZEB Ready」認証を取得し、これは同社初の試みとしている。

※本記事は松井建設が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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