※本記事はホクトが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ホクト(1379)の2026年3月期は、売上高859億円(前年比+3.4%)、営業利益70億円(同+6.1%)、経常利益81億円(同+17.7%)、純利益70億円(同+57.8%)と増収増益で着地した。国内きのこ事業でのマーケティング施策等が奏功して堅調なきのこ価格を維持したことに加え、化成品事業での大口案件の取り込みもあり、売上高・営業利益の伸長を実現した。海外はアメリカ・台湾が横ばいの一方、マレーシアが苦戦したが、北米新工場の建設に向けては着実に進捗した。年間配当は前期比5円増の55円とし、株主優待も拡充している。
連結業績(2026年3月期 実績)
連結売上高は85,915百万円(前期比+2,810百万円、+3.4%)、売上総利益は24,919百万円(同+1,159百万円、+4.9%)で、売上総利益率は28.6%から29.0%へ改善した。営業利益は7,031百万円(同+402百万円、+6.1%、営業利益率8.2%)、経常利益は8,186百万円(同+1,233百万円、+17.7%)、当期純利益は7,006百万円(同+2,565百万円、+57.8%)となり、一株当たり利益は223.84円(前期140.63円)。資料では、営業利益の増減要因として原価・物流費等の高騰影響が強いなかで価格改定および生産性向上の施策によりカバーしたとし、きのこ価格は前年比でブナシメジ+2.2%、エリンギ+3.1%、マイタケ+1.1%、霜降りひらたけ+7.5%、施策効果としてエネルギーマネジメント高度化+1億円、原料費削減施策+2億円を挙げている。資産合計は113,726百万円(前期比+6,105百万円)、純資産合計は64,924百万円(同+8,115百万円)、営業活動によるキャッシュ・フローは10,824百万円で、フリーキャッシュ・フローは7,907百万円となった。ROICは5.29%(前年差+0.08pt)。
| 項目(百万円) | 26/3実績 | 25/3実績 | 前期比増減額 | 前期比増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 85,915 | 83,104 | 2,810 | 3.4% |
| 売上総利益 | 24,919 | 23,760 | 1,159 | 4.9% |
| 売上総利益率 | 29.0% | 28.6% | - | - |
| 販管費 | 17,888 | 17,132 | 756 | 4.4% |
| 営業利益 | 7,031 | 6,628 | 402 | 6.1% |
| 営業利益率 | 8.2% | 8.0% | - | - |
| 経常利益 | 8,186 | 6,953 | 1,233 | 17.7% |
| 当期純利益 | 7,006 | 4,441 | 2,565 | 57.8% |
| 一株当たり利益 | 223.84円 | 140.63円 | - | - |

セグメント別の状況
売上高は全てのセグメントで計画を達成した。国内きのこは売上高56,077百万円(前期比+976百万円、+1.8%)、営業利益7,242百万円(同+247百万円、+3.5%)で、計画に対する達成率は売上高103.7%、営業利益145.6%。海外きのこは売上高8,236百万円(同+525百万円、+6.8%)、営業利益1,147百万円(同△9百万円、△0.8%)で、営業利益は計画比87.8%にとどまった。加工品は売上高8,003百万円(同△154百万円、△1.9%)ながら営業利益511百万円(同+136百万円、+36.5%)と伸長。化成品は農業資材分野での大口設備案件の取り込みにより売上高13,598百万円(同+1,463百万円、+12.1%)、営業利益470百万円(同+132百万円、+39.2%)となった。国内きのこ事業の利益率は13%(前年差+0.2pt)、海外きのこ事業の利益率は14%(同△1.1pt)。
| セグメント | 指標(百万円) | 26/3実績 | 25/3実績 | 増減額 | 増加率 | 26/3計画 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 国内きのこ | 売上高 | 56,077 | 55,100 | 976 | 1.8% | 54,074 | 103.7% |
| 海外きのこ | 売上高 | 8,236 | 7,711 | 525 | 6.8% | 8,208 | 100.3% |
| 加工品 | 売上高 | 8,003 | 8,158 | △154 | △1.9% | 7,863 | 101.8% |
| 化成品 | 売上高 | 13,598 | 12,134 | 1,463 | 12.1% | 13,466 | 101.0% |
| 国内きのこ | 営業利益 | 7,242 | 6,994 | 247 | 3.5% | 4,974 | 145.6% |
| 海外きのこ | 営業利益 | 1,147 | 1,156 | △9 | △0.8% | 1,307 | 87.8% |
| 加工品 | 営業利益 | 511 | 374 | 136 | 36.5% | 298 | 171.4% |
| 化成品 | 営業利益 | 470 | 337 | 132 | 39.2% | 375 | 125.4% |

海外きのこ事業を現地通貨ベースでみると、アメリカは売上高2,774万ドル(前期比+9万ドル、+0.4%)、営業利益209万ドル(同△46万ドル、△18.2%、営業利益率7.6%)。台湾は売上高645百万台湾ドル(同△16百万台湾ドル、△2.5%)、営業利益155百万台湾ドル(同△5百万台湾ドル、△3.2%、営業利益率24.0%)。マレーシアは売上高1,364万リンギ(同△346万リンギ、△20.2%)、営業損失△406万リンギ(前期△318万リンギ)となった。資料は、円安に伴い円換算ベースでの売上は拡大したものの実態は前年割れであり、入札不調や相場変動等の影響で利益率も下落したとしている。
2027年3月期 通期計画
2027年3月期は売上高881億円(前年比+2.5%)、営業利益72億円(同+3.3%)、経常利益76億円(同△6.6%)、純利益52億円(同△25.1%)を計画する。国内きのこ事業の利益率は13%(前年差△0.1pt)、海外きのこ事業の利益率は16%(同+2.2pt)、ROICは5.28%(同△0.01pt)を見込む。引き続き想定される原価・物流費・人件費等の増加に対し、生産現場における原価低減施策の実現ときのこ単価の維持・向上で打ち返し、更なる増益を見込むとしている。
| 項目 | 27/3計画 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 881億円 | +2.5% |
| 営業利益 | 72億円 | +3.3% |
| 経常利益 | 76億円 | △6.6% |
| 純利益 | 52億円 | △25.1% |
| 配当金額 | 62円 | +7円 |
| ROIC | 5.28% | △0.01pt |
| セグメント | 指標(百万円) | 27/3計画 | 26/3実績 | 増減額 | 増加率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国内きのこ | 売上高 | 57,130 | 56,077 | 1,052 | 1.9% |
| 海外きのこ | 売上高 | 8,830 | 8,236 | 593 | 7.2% |
| 加工品 | 売上高 | 8,430 | 8,003 | 426 | 5.3% |
| 化成品 | 売上高 | 13,710 | 13,598 | 111 | 0.8% |
| 国内きのこ | 営業利益 | 7,300 | 7,242 | 57 | 0.8% |
| 海外きのこ | 営業利益 | 1,420 | 1,147 | 272 | 23.8% |
| 加工品 | 営業利益 | 430 | 511 | △81 | △16.0% |
| 化成品 | 営業利益 | 530 | 470 | 59 | 12.7% |

株主還元
2026年3月期の年間配当は前期比5円増の55円とし、株主還元を強化した。株主優待も拡充し、毎年3月末時点で100株以上を保有する株主に対し3つのセットから1つを選択できる優待を実施するほか、新設として500株以上を1年以上継続して保有する株主にVisaギフトカード3,000円分を進呈する。2027年3月期の年間配当は62円を計画する。株主還元方針については、株主還元を一層拡充するため、連結株主資本を基準としたDOE(株主資本配当率)を2029年3月期に3.5%とすることを目標とした配当政策を実施するとし、単年度の業績変動に左右されない安定的・持続的な配当の達成を目指すとしている。キャッシュアロケーションでは、配当還元を強化し2027年3月期はDOE3.2%水準とする方針を示し、配当は2029年3月期まで毎年増配を計画している。

中期経営計画/トピック
中期経営計画では最終年度である2029年3月期の経営数値として売上高1,000億円、営業利益100億円、営業利益率10%、ROIC7.2%、PBR1.9倍を目指しており、足元の進捗は売上高で85.9%、営業利益で70%。PBRは目標1.9倍に対し現状0.92倍、ROICは目標7.2%に対し現状5.29%としている。海外ではアメリカ・カリフォルニア州での新工場建設に向けた土地取得を完了し、2029年3月期中の生産開始を見込む(行政審査の進捗により前後する可能性がある)。国内では、マッシュルーム需要の高まりを踏まえて有限会社舟形マッシュルーム(2025年3月期売上高1,186百万円)の株式を取得し子会社化、商品ラインナップを拡充した。加工品事業では2025年10月に市販向け冷凍きのこ「とれたて一番」を発売し、取り扱い店舗を拡大している。
※本記事はホクトが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。