※本記事は三菱倉庫が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
三菱倉庫の2026年3月期(2025年度)は、営業収益2,734億円(前年比▲4%)で減収、営業利益159億円(同▲22%)で減益となった一方、持分法投資損益の改善等により事業利益は185億円(同+15%)、政策保有株式の売却益増加等により親会社株主に帰属する当期純利益は547億円(同+72%)と、いずれも増益となった。ROEは14.5%(前期比+6.3pt)、ROAは8.7%(同+3.7pt)に上昇した一方、自己資本比率は59.3%(同▲0.5pt)とわずかに低下した。年間配当金は前期32円から38円に増配した。
連結業績(2026年3月期 実績)
経常利益の増加要因として、持分法投資損益の改善(+82億円、ベトナムのITL Corporationの業績改善に加え、前年度に計上したのれん一括償却の解消)を挙げる一方、営業利益の悪化(△43億円)、為替差損益(△5億円)、受取配当金の減少(△4億円)が押し下げ要因となった。親会社株主に帰属する当期純利益はこれに加え、投資有価証券売却益が前期299億円から当期672億円に増加(+372億円)した一方、法人税等の増加(△80億円)、減損損失の計上(△53億円)、固定資産処分益の減少(△14億円)が押し下げ要因となった。海外売上高は544億円(前年比▲10%)で、米国子会社Cavalierは米国政権の政策変化に伴う貨物取扱減少や新規施設の稼働遅れにより事業利益で△13億円、中国の上海菱華は景気減速により△3億円の押し下げ要因となった。
| 項目 | 2024年度 | 2025年度 | 前期比 | 2026年度通期予想 | 予想比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 2,840 | 2,734 | △4% | 2,800 | 98% |
| 営業利益 | 203 | 159 | △22% | 160 | 100% |
| 事業利益 | 161 | 185 | +15% | 183 | 102% |
| 経常利益 | 186 | 215 | +16% | 206 | 105% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 318 | 547 | +72% | 500 | 110% |

セグメント別の状況(物流事業・不動産事業)
物流事業は営業収益2,386億円(前期比+0%)と前期並みだった一方、事業利益は151億円(同+84%)と大きく伸びた。内訳では倉庫・陸上運送事業が1,305億円(同+2%)、港湾運送事業が261億円(同+14%、主に東京地区でのコンテナ船荷役取扱増加)と伸長した一方、国際運送取扱事業は772億円(同▲6%、海上運賃単価下落等)で減収した。不動産事業は前年度に計上した分譲マンション販売(ザ・パークハウスグラン三番町26)や物件売却(S-GATE日本橋本町)の剥落により、営業収益362億円(同▲24%)、営業利益116億円(同▲15%)、事業利益119億円(同▲22%)といずれも減益となった。不動産賃貸事業は321億円(同±0%)と横ばいだった。
| セグメント | 指標 | 2024年度 | 2025年度 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 物流事業 | 営業収益 | 2,376 | 2,386 | +0% |
| 物流事業 | 営業利益 | 138 | 126 | △8% |
| 物流事業 | 事業利益 | 81 | 151 | +84% |
| 倉庫・陸上運送事業 | 営業収益 | 1,275 | 1,305 | +2% |
| 国際運送取扱事業 | 営業収益 | 825 | 772 | △6% |
| 港湾運送事業 | 営業収益 | 229 | 261 | +14% |
| 不動産事業 | 営業収益 | 477 | 362 | △24% |
| 不動産事業 | 営業利益 | 136 | 116 | △15% |
| 不動産事業 | 事業利益 | 152 | 119 | △22% |
| 不動産賃貸事業 | 営業収益 | 321 | 321 | ±0% |
| 不動産その他事業 | 営業収益 | 156 | 41 | △74% |

通期業績予想(2026年度)
2026年度の営業収益は2,800億円(前期比+65億円)、営業利益は175億円(同+15億円)、事業利益は204億円(同+18億円)、経常利益は216億円(同ほぼ横ばい)を見込む。物流事業ではCavalier・上海菱華の業績回復を、不動産事業ではオフィスビル空室率の改善や資産回転型ビジネス物件の売却を増益要因として挙げている。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は230億円(前期比△317億円)と大幅な減益を見込む。これは、当期に計上した投資有価証券売却益が減少すること(△370億円)が主因で、前年度に計上したCavalierの減損損失の解消(+50億円)による押し上げ効果を織り込んでもなお、特別利益の剥落により最終利益は減益となる見通しである。
| 項目 | 2025年度実績(通期) | 2026年度予想(通期) | 増減(通期) |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 2,734 | 2,800 | +65 |
| 物流事業 | 2,386 | 2,436 | +49 |
| 不動産事業 | 362 | 378 | +15 |
| 営業利益 | 159 | 175 | +15 |
| 物流事業 | 126 | 138 | +11 |
| 不動産事業 | 116 | 114 | △2 |
| 事業利益 | 185 | 204 | +18 |
| 経常利益 | 215 | 216 | +0 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 547 | 230 | △317 |

株主還元
経営計画[2025-2030]期間中は毎期増配を継続する方針で、2025年度の年間配当金は期初予想の36円から38円に増額した(前期32円)。2026年度の年間配当金は44円を予想している。DOE(株主資本配当率)は2025年度3.5%となり、早期に4%以上への引き上げを目指すとしている。自己株式取得は2025年度に200億円実施し、総還元性向は60.6%だった。2026年度は100億円取得中(2026年2月27日発表)で、2025~2027年度の3年間で総額400億円の自己株式取得を予定している。なお、2024年11月に株式分割(1株を5株に分割)を実施しており、資料上の1株当たり配当金額は分割後基準で表示されている。
| 項目 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 |
|---|---|---|---|
| 1株当たり配当金 | 32円 | 38円 | 44円(予想) |
| DOE | 3.0% | 3.5% | 4%以上(目標) |
| 自己株式取得額 | 200億円 | 200億円 | 100億円(取得中) |
| 総還元性向 | 99.5% | 60.6% | 開示なし |

経営計画の進捗・トピック
経営計画[2025-2030]の第一フェーズとして、政策保有株式の縮減を進め、2025年度は693億円を売却し期末残高は831億円(対純資産比率21.6%、前期30.5%)となった。新事業として、当社所有地を活用した電力倉庫事業(系統用蓄電池事業)への参入を決定し、2027年度に埼玉県・福岡県で稼働開始、2030年度までに愛知・神奈川・福岡の4カ所で順次稼働する計画としている。また、第5回「日経統合報告書アワード」優秀賞を初受賞したことを開示している。
※本記事は三菱倉庫が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。