※本記事はローランドが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ローランド株式会社の2025年12月期連結業績は、売上高100,952百万円(前期比+1.5%)、営業利益9,412百万円(同-5.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益2,168百万円(同-63.7%)となった。売上高は予想レンジ上限、営業利益は予想レンジ中間での着地となった一方、米国関税影響(グロスで25億円)や、連結子会社Drum Workshop, Inc.(DW社)に係る固定資産の減損損失(38億円、のれん全額を含む)および繰延税金資産の全額取り崩し(18億円)を計上したことにより、当期純利益は想定を下回った。
連結業績(2025年12月期 実績)
主要市場である米国での年末商戦が好調に推移したことに加え、当期発売の新製品群が貢献し、為替影響を除いても前期比+1.5%の増収となった。営業利益は、関税影響(グロスで25億円)があったものの価格適正化等で概ね打ち返し、為替影響を除くと前期比-2.2%だった。当期純利益は、DW社に係る固定資産の減損損失38億円(のれん全額を含む)および同社の繰延税金資産の取り崩し18億円(合計56億円)を計上したことにより大幅に減少した。
| 項目 | 2025年12月期 | 2024年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 100,952 | 99,433 | +1.5% |
| 売上総利益 | 42,644 | 42,571 | +0.2% |
| 販管費 | 33,231 | 32,619 | +1.9% |
| 営業利益 | 9,412 | 9,951 | -5.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,168 | 5,976 | -63.7% |
| EBITDA | 12,388 | 12,844 | -3.5% |

DW社(Drum Workshop, Inc.)の減損損失等
2022年10月に買収した、世界的なアコースティックドラムおよびハードウェア製造販売会社であるDW社(買収時の為替レート1ドル=138円、取得金額約90億円/65百万ドル)について、市場環境変化への対応や当社とのシナジー創出が遅れ、業績進捗が買収時計画を下回ったことから、固定資産の一部について減損損失を計上するとともに、同社の繰延税金資産を全額取り崩した。減損損失は38億円(のれん全額を含む)、繰延税金資産取り崩しは18億円で、計56億円(37百万ドル)となった。資料は、今後の定量計画として2026年に営業利益黒字化、2028年に営業利益率6%以上を掲げている。

事業別(製品カテゴリー・地域別)の状況
製品別売上高は、市況の底打ちや新製品群の貢献等により主力カテゴリーで増収となった。管打楽器は28,588百万円から29,364百万円(前期比+2.7%)、クリエーション関連機器&サービスは12,627百万円から13,060百万円(同+3.4%)と増加した。コロナ需要の反動減が大きかった鍵盤楽器は、ポータブルタイプや中国市場の復調により26,869百万円から27,223百万円(同+1.3%)と2期ぶりの増収となった。一方、映像音響機器は3,199百万円から3,057百万円(同-4.4%)、その他は3,160百万円から3,097百万円(同-2.0%)と減少した。地域別では、欧州で一部ディーラーの倒産影響があったものの、欧州を除く全地域で実質増収となった。北米は関税対応による値上げ後もセルスルーが好調に推移し38,382百万円から38,764百万円(同+1.0%)、中国は回復に転じ2期ぶりの増収で7,411百万円から7,561百万円(同+2.0%)となった。
| 区分 | 2025年12月期 | 2024年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 鍵盤楽器 | 27,223 | 26,869 | +1.3% |
| 管打楽器 | 29,364 | 28,588 | +2.7% |
| ギター関連機器 | 25,149 | 24,988 | +0.6% |
| クリエーション関連機器&サービス | 13,060 | 12,627 | +3.4% |
| 映像音響機器 | 3,057 | 3,199 | -4.4% |
| その他 | 3,097 | 3,160 | -2.0% |
| 合計 | 100,952 | 99,433 | +1.5% |
通期業績予想(2026年12月期)
2026年12月期は、楽器市場が再成長フェーズへ移行する中、前期および当期発売予定の新製品群の貢献や価格適正化効果により増収増益を計画している。追加関税によるコスト増(グロス影響、前期比で約14億円)を見込むものの、近年リスク対応で抑制してきた販管費投資を実行しつつ、数量増と価格適正化でコスト増加分をこなし増益を確保する計画。当期純利益は、前期に計上した連結子会社の減損損失・繰延税金資産取り崩しの反動により大幅な増益を計画している。上期・下期とも増収増益を計画しており、上期は売上高49,500百万円(前期比+8.1%)・営業利益3,900百万円(同+2.0%)、下期は売上高56,900百万円(同+3.2%)・営業利益6,100百万円(同+9.2%)を見込む。
| 項目 | 2026年12月期計画 | 2025年12月期(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 106,400 | 100,952 | +5.4% |
| 売上総利益 | 45,000 | 42,644 | +5.5% |
| 販管費 | 35,000 | 33,231 | +5.3% |
| 営業利益 | 10,000 | 9,412 | +6.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7,200 | 2,168 | +232.1% |
| EBITDA | 13,115 | 12,388 | +5.9% |

株主還元
2025年12月期の配当は、期初予想通り期末配当1株当たり85円(上半期末85円と合わせ年間170円)を予定している。2026年12月期も2025年と同額の配当(上半期末85円、期末85円、年間170円)を見込む。2026年度〜2028年度(新中期経営計画期間)の基本方針として、3か年累計で連結総還元性向50%を目指し、成長投資資金の留保が必要な場合もDOE(自己資本配当率)5.0%を下限目標とするとしている。2025年12月期の配当額は45億円(配当性向208.0%、子会社の減損損失等の影響を除くと57.5%)、2026年12月期予想の配当額も45億円(予想配当性向62.6%)としている。

※本記事はローランドが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。