※本記事は前田工繊が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
前田工繊の2026年6月期は、中期経営計画「グローバルビジョン∞-PARTⅡ-」3年目にあたり、期初は増収・減益の計画としていたが、最終的にはすべての項目で過去最高の業績となった。要因として、前期に実施した2件のM&Aによる業績貢献、為替の円安進展、外部環境の変化に対応した施策展開、営業管理体制の浸透などを挙げている。売上高は713億89百万円(前期比11.4%増)、営業利益は120億33百万円(同0.1%増)、経常利益は128億92百万円(同5.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は95億71百万円(同0.9%増)となった。株主還元策の一環として、期末配当における増配を予想している。
連結業績(2026年6月期 実績)
グループ各社において、原材料・燃料価格高騰を想定した「販売価格の見直し」、「購買部門の強化による原材料の安定調達」を徹底したとしている。通期計画に対する達成率は、売上高105.8%、営業利益109.4%、EBITDA107.1%、経常利益117.2%、親会社株主に帰属する当期純利益125.9%と、いずれも計画を上回った。
| 項目 | 当期(2026年6月期) | 前期(2025年6月期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 71,389百万円 | 64,108百万円 | +11.4% |
| 営業利益 | 12,033百万円 | 12,026百万円 | +0.1% |
| EBITDA | 15,737百万円 | 15,515百万円 | +1.4% |
| 経常利益 | 12,892百万円 | 12,259百万円 | +5.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9,571百万円 | 9,489百万円 | +0.9% |

セグメント別決算概要
ソーシャルインフラ事業は売上高467億92百万円(前期比+28.6%)、営業利益88億55百万円(同+20.4%)となった。主力の土木資材事業は全ての製品分野で計画を上回る実績となり、特に国土強靭化事業・防衛関連事業は大型プロジェクトもあり順調に進展した。一方、不織布事業と子会社の釧路ハイミールは期初計画が未達となり、このうち釧路ハイミールは主力製品のフィッシュミールの販売単価下落の影響が大きかったとしている。インダストリーインフラ事業は売上高245億96百万円(同▲11.2%)、営業利益47億4百万円(同▲21.7%)となった。BBS事業(連結)はBBSジャパンの国内・海外のOEMが好調で当初計画比増収・増益となり、未来コーセンでは半導体製造向けワイピングクロスが好調で過去最高の業績となった一方、BBSドイツの業績は期初の計画通り前期比で売上・利益とも大きくマイナスとなったとしている。
| セグメント | 指標 | 当期 | 前期 |
|---|---|---|---|
| ソーシャルインフラ事業 | 売上高 | 46,792百万円 | 36,395百万円 |
| ソーシャルインフラ事業 | 営業利益 | 8,855百万円 | 7,355百万円 |
| インダストリーインフラ事業 | 売上高 | 24,596百万円 | 27,713百万円 |
| インダストリーインフラ事業 | 営業利益 | 4,704百万円 | 6,010百万円 |
| 全社・消去 | 営業利益 | △1,526百万円 | △1,339百万円 |

通期業績予想(2027年6月期)
2027年6月期は、中期経営計画「グローバルビジョン∞-PARTⅡ-」の最終年度として、当初数値計画を上回る実績を目指すとしている。国の掲げる「地域未来戦略」における「インフラ整備+防災」「防衛関連事業」「半導体」「GX」等の新たな需要に沿った事業展開(M&A戦略含む)を実践し、利益率を伴った業容拡大を図るとしている。中東情勢の不透明感による原材料・燃料価格高騰に対抗するため、①適切な販売価格の設定②購買力強化を全グループで実行するとしている。
| 項目 | 予想 | 前期(実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 73,500百万円 | 71,389百万円 |
| 営業利益 | 12,500百万円 | 12,033百万円 |
| EBITDA | 16,600百万円 | 15,737百万円 |
| 経常利益 | 12,900百万円 | 12,892百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9,600百万円 | 9,571百万円 |

株主還元
前田工繊は上場以来、累進配当を継続しており、剰余金の配当率の主要指標としてDOE(純資産配当率)を採用している。配当額は2024年7月1日付の株式分割(普通株式1株につき2株)の影響を考慮して記載されている。2026年6月期の配当は中間14円(前年比+2円)、期末予想16円(前年比+2円)、通期予想30円(前年比+4円)で、通期配当予想は2026年8月7日付で修正されている。2027年6月期は中間予想16円(前年比+2円)、期末予想16円(前年比±0円)、通期予想32円(前年比+2円)を見込んでいる。
| 決算期 | 配当額(分割考慮後) | 前年比 |
|---|---|---|
| 2021年9月期 | 12円 | — |
| 2022年6月期 | 13円 | — |
| 2023年6月期 | 14円 | — |
| 2024年6月期 | 21円 | — |
| 2025年6月期 | 26円 | — |
| 2026年6月期(予想) | 30円 | +4円 |
| 2027年6月期(予想) | 32円 | +2円 |

中期経営計画
中期経営計画「グローバルビジョン∞-PARTⅡ-」(2024年6月期~2027年6月期の4か年)の数値目標は、2027年6月期予想(2026年8月7日公表)で売上高735億円、営業利益125億円、EBITDA166億円、親会社株主に帰属する当期純利益96億円、ROE12%としている。2027年6月期の当初計画は売上高700億円、営業利益120億円、親会社株主に帰属する当期純利益80億円、ROE12%以上であったのに対し、2026年6月期実績は既に売上高713億円、営業利益120億円、親会社株主に帰属する当期純利益95億円、ROE13.2%に達している。設備投資計画は4年間合計150億円、M&A投資枠は4年間合計200億円としており、2026年6月期時点の進捗は設備投資114億円、M&A63億円となっている。
※本記事は前田工繊が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。