※本記事はジャパン・ティッシュエンジニアリングが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング(東証グロース:7774)の2026年3月期は、売上高2,182百万円(前期比△272百万円)、営業損益は△549百万円(前期△238百万円から前期比△311百万円の損失拡大)、当期純損益は△734百万円(前期△255百万円から前期比△479百万円)となった。ジェイスの熱傷対象症例数の減少や、帝人からのマイルストーン収入が無かったことが減収・減益の主因としている。会社が期初に示していた見通しに対しては、売上高で△27百万円、当期純利益で△194百万円下振れた一方、営業損益は見通し対比±0百万円だった。当期純損益には投資有価証券の評価損149百万円を計上した。翌2027年3月期は売上高3,070百万円(前期比+887百万円)、営業損益100百万円(同+649百万円)を見込み、黒字化を見込んでいる。
連結業績(2026年3月期 実績)
経常損益は△537百万円(前期△234百万円)となった。営業損益の前年同期比の増減要因として、ジェイス売上がマイナス238百万円、帝人受託売上がマイナス113百万円、一般顧客受託売上がマイナス54百万円、ネピック・オキュラル売上がマイナス19百万円とそれぞれ押し下げに働いた一方、ジャスミン売上がプラス72百万円、ジャック売上がプラス46百万円、ラボサイト事業売上がプラス33百万円と押し上げに寄与した。そのほかの要因はマイナス38百万円だった。資料はこれらを外部環境要因(マイナス405百万円)と自助要因(プラス94百万円)に分けて示している。研究開発費は497百万円(前期506百万円)、有形・無形固定資産取得額は77百万円(前期93百万円)だった。
| 項目 | 2025年3月期(実績) | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(見通し) |
|---|---|---|---|
| 売上高合計 | 2,455百万円 | 2,182百万円 | 3,070百万円 |
| 売上総利益 | 1,511百万円 | 1,267百万円 | 2,000百万円 |
| 販売費及び一般管理費 | 1,749百万円 | 1,816百万円 | 1,900百万円 |
| 営業損益 | △238百万円 | △549百万円 | 100百万円 |
| 経常損益 | △234百万円 | △537百万円 | 110百万円 |
| 当期純損益 | △255百万円 | △734百万円 | 100百万円 |

セグメント別(事業別)の状況
再生医療製品事業の売上高は1,354百万円(前期比△138百万円、△9%)で、皮膚領域(ジェイス、ジャスミン)は819百万円(同△165百万円、△17%)、軟骨領域(ジャック)は428百万円(同+46百万円、+12%)、角膜領域(ネピック、オキュラル)は105百万円(同△19百万円、△15%)だった。ジェイスは12月まで熱傷対象症例数の減少が続いたが4Qに回復し、ジャックは2026年1月のOA(変形性膝関節症)適応拡大の保険収載以降、既存施設での治療導入が進み、2026年3月には月間30例と過去最高の受注を記録、契約施設数は全国125施設に拡大した。ジャスミンは受入体制の整った42施設への拠点拡大が奏功し増収に寄与した。再生医療受託事業の売上高は546百万円(前期比△167百万円、△23%)で、一般顧客受託は295百万円(同△54百万円、△15%、前年のスポット収入剥落による減収)、帝人受託は251百万円(同△113百万円、△31%、マイルストーン収入の翌期ズレによる減収)だった。ラボサイト事業の売上高は281百万円(前期比+33百万円、+14%)で、欧州における定期顧客が8社に拡大したことなどが増収に寄与した。セグメント別営業損益をみると、再生医療製品事業78百万円(前期218百万円)、再生医療受託事業327百万円(前期411百万円)、ラボサイト事業52百万円(前期67百万円)と全事業セグメントで黒字を維持した一方、全社インフラ整備費や処遇改善等を含む調整額が△1,007百万円(前期△936百万円)となり、連結営業損益は△549百万円となった。
| 区分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 | 2027年3月期見通し |
|---|---|---|---|---|
| 再生医療製品事業 計 | 1,493百万円 | 1,354百万円 | △138百万円(△9%) | 2,070百万円 |
| 皮膚領域(ジェイス、ジャスミン) | 985百万円 | 819百万円 | △165百万円(△17%) | 1,070百万円 |
| 軟骨領域(ジャック) | 382百万円 | 428百万円 | +46百万円(+12%) | 900百万円 |
| 角膜領域(ネピック、オキュラル) | 125百万円 | 105百万円 | △19百万円(△15%) | 100百万円 |
| 再生医療受託事業 計 | 713百万円 | 546百万円 | △167百万円(△23%) | 640百万円 |
| 一般顧客受託 | 348百万円 | 295百万円 | △54百万円(△15%) | 430百万円 |
| 帝人受託 | 364百万円 | 251百万円 | △113百万円(△31%) | 210百万円 |
| ラボサイト事業 | 248百万円 | 281百万円 | +33百万円(+14%) | 360百万円 |

| 区分 | 2025年3月期(実績) | 2026年3月期(実績) | 増減 | 要因 |
|---|---|---|---|---|
| 再生医療製品事業 | 218百万円 | 78百万円 | △140百万円 | ジェイス熱傷の対象症例減少 |
| 再生医療受託事業 | 411百万円 | 327百万円 | △84百万円 | 前年のスポット収入剥落 |
| ラボサイト事業 | 67百万円 | 52百万円 | △15百万円 | 海外向け戦略投資 |
| 調整額 | △936百万円 | △1,007百万円 | △71百万円 | 全社インフラ整備費・処遇改善等 |
| 合計 | △238百万円 | △549百万円 | △311百万円 | – |

通期業績予想
2027年3月期の見通しは、売上高3,070百万円(前期比+887百万円、+41%)、営業損益100百万円(前期△549百万円から前期比+649百万円で黒字転換)、経常損益110百万円(同+647百万円)、当期純損益100百万円(同+834百万円)で、黒字化を見込んでいる。会社は「ジャックOA上市の転換点により、先行投資フェーズが終わり、黒字化のフェーズへ」移行するとしている。ジャックは2026年4月30日時点で既に93件を受注しており、これは年間見通し(350例)の27%に相当する。営業利益の増減要因として、ジャック売上がプラス471百万円、一般顧客受託売上がプラス134百万円、ジャスミン売上がプラス112百万円、ラボサイト売上がプラス78百万円、ジェイス売上がプラス138百万円と押し上げに寄与する一方、帝人受託売上がマイナス41百万円、ネピック・オキュラル売上がマイナス5百万円押し下げに働くほか、コスト要因として変動費がマイナス103百万円、戦略投資がマイナス140百万円計上される見込みとしている。なお、ラボサイト事業の売上計上の翌期ズレが2026年3月期実績の見通し対比の下振れ要因として挙げられている。
中期経営計画・成長施策
会社は成長ロードマップとして、「2025年度」を起点に「2027年度」までの目標を示している。資料の「年度」表記は4月起算のため西暦の決算期形式に換算すると、「2025年度」は2026年3月期(実績)、「2026年度」は2027年3月期(見通し)、「2027年度」は2028年3月期に相当する。2028年3月期の目標として売上高50億円、営業利益5億円を掲げ、内訳は再生医療製品事業35億円、再生医療受託事業10億円、ラボサイト事業5億円としている。「2027年度目標は変更なし」としたうえで、達成に向けた主要条件として、ジャックの受注を年間350例から600例に拡大すること、ジャスミンの導入を年50例から100例に拡大すること、ラボサイト事業の欧州における定期顧客を8社から11社に拡大すること、Allo-JaCE03の承認申請・上市を進めることなどを挙げている。黒字化を牽引する4つのエンジンとして「ジャックOAの本格拡大」「白斑治療(ジャスミン)の市場開拓」「受託事業のフェーズ進行」「ラボサイト事業の新市場開拓」を位置付けている。ラボサイト事業では欧州での現地生産に向けたドイツ子会社設立を2027年3月期上期中の完了目標で準備しているほか、新製品「腸管モデル」による創薬・食品メーカー向け新領域の開拓も進めるとしている。
| 区分 | 2028年3月期目標(資料表記:2027年度) |
|---|---|
| 再生医療製品事業 | 35億円 |
| 再生医療受託事業 | 10億円 |
| ラボサイト事業 | 5億円 |
| 売上高合計 | 50億円 |
| 営業利益 | 5億円 |

株主還元
本資料に配当に関する記載はない。
※本記事はジャパン・ティッシュエンジニアリングが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。