※本記事はリコーが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
リコーの2026年3月期(FY2025)は、売上高26,083億円(前期比+3.2%)、営業利益907億円(同+42.1%、前年比1.4倍)、親会社の所有者に帰属する当期利益556億円(同+21.8%)の増収増益となった。オフィスサービスの成長、経費コントロールや為替等が営業利益の押し上げに寄与した一方、米国関税政策の影響はネットで約120億円の減益要因となった。期末配当は予定通り20円で、年間40円(配当性向40.9%)となった。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上総利益は8,891億円(前期比+2.4%、売上総利益率34.1%)、販管費等は7,984億円(同-0.8%、対売上高比率30.6%)となった。営業利益は907億円(営業利益率3.5%、前期2.5%)で、前年からの増減要因として為替がプラス76億円、関税影響がマイナス119億円、一過性要因がマイナス112億円、経費等の効果がプラス30億円、体質強化がプラス45億円、オフィスサービス等の販売ミックス改善がプラス143億円と説明されている。EPSは97.80円(前期78.11円)、ROEは5.1%(同4.4%)、ROICは4.0%(同3.2%)だった。
| 項目 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 26,083億円 | 25,278億円 | +804億円(+3.2%) |
| 売上総利益 | 8,891億円 | 8,686億円 | +205億円(+2.4%) |
| 販管費等 | 7,984億円 | 8,047億円 | -63億円(-0.8%) |
| 営業利益 | 907億円 | 638億円 | +268億円(+42.1%) |
| 営業利益率 | 3.5% | 2.5% | +1.0pt |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 556億円 | 457億円 | +99億円(+21.8%) |
| EPS | 97.80円 | 78.11円 | +19.69円 |
| ROE | 5.1% | 4.4% | +0.7pt |
| ROIC | 4.0% | 3.2% | +0.8pt |
セグメント別の状況
リコーデジタルサービスは売上高19,885億円(前年同期比+3.0%)、営業利益279億円(前期322億円)で、オフィスサービスは成長したもののオフィスプリンティングの弱含み継続や一過性費用の計上等により減益となった。リコーデジタルプロダクツは売上高5,871億円(前年同期比+0.4%)、営業利益315億円(前期287億円)で、エトリア効果、体質強化および経費コントロール等により利益が上振れした。リコーグラフィックコミュニケーションズは売上高2,840億円(前年同期比-2.9%)、営業利益186億円(前期231億円)で、米国関税政策等による投資様子見の影響を受け減収となったが、ノンハード成長や経費コントロール等により営業利益は想定内だった。リコーインダストリアルソリューションズは売上高1,066億円(前年同期比-5.8%)、営業利益24億円(前期-18億円)で、サーマル事業は日本が堅調に推移し欧州が回復、産業プロダクツ事業の収益性向上等により増益(黒字転換)となった。その他(カメラ・創薬支援・SmartVision等)は売上高616億円(前年同期比+9.7%)、営業利益-33億円(前期-55億円)で、事業の選択と集中の加速による経費減、カメラの好調等により赤字幅が縮小した。
| セグメント | 当期売上高 | 前期売上高 | 当期営業利益 | 前期営業利益 |
|---|---|---|---|---|
| リコーデジタルサービス | 19,885億円 | 19,301億円 | 279億円 | 322億円 |
| リコーデジタルプロダクツ | 5,871億円 | 5,846億円 | 315億円 | 287億円 |
| リコーグラフィックコミュニケーションズ | 2,840億円 | 2,926億円 | 186億円 | 231億円 |
| リコーインダストリアルソリューションズ | 1,066億円 | 1,132億円 | 24億円 | -18億円 |
| その他 | 616億円 | 562億円 | -33億円 | -55億円 |
| 全社・消去 | -4,197億円 | -4,489億円 | 134億円 | -129億円 |
| 合計 | 26,083億円 | 25,278億円 | 907億円 | 638億円 |


通期業績予想
2026年度(2027年3月期)の見通しは、売上高2兆7,000億円(前期比+3.5%)、営業利益950億円(同+4.7%)で、ワークプレイスサービスにおけるストック利益拡大が利益成長を牽引するとしている。半導体メモリコストアップ影響を200億円と試算し、その他コストアップに対しては購買・価格対応で吸収を図りつつ100億円のリスクバッファを設定している。なお中期経営戦略’26の実行にあたり、2027年3月期からセグメント区分を変更し、従来の「オフィスサービス」を「ワークプレイスサービス」、「オフィスプリンティング(販売)」を含む区分を「デジタルプロダクツ」、インクジェット機能印刷を「グラフィックコミュニケーションズ」に集約するとしている。新区分に組み替えた場合の2026年3月期実績との比較で、ワークプレイスサービスは売上高11,067億円→見通し11,300億円(営業利益236億円→500億円)、デジタルプロダクツは売上高10,739億円→見通し11,050億円(営業利益774億円→570億円)、グラフィックコミュニケーションズは売上高2,840億円→見通し3,100億円(営業利益-88億円→-55億円)、インダストリアルソリューションズは売上高1,066億円→見通し1,150億円(営業利益33億円→45億円)としている。
| 項目 | 2027年3月期見通し | 2026年3月期(実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 27,000億円 | 26,083億円 |
| 営業利益 | 950億円 | 907億円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 620億円 | 556億円 |
| EPS | 111.04円 | 97.80円 |
| ROE | 5.4% | 5.1% |

株主還元
2026年3月期の年間配当金は40円(中間20円・期末20円)で、配当性向は40.9%だった。自己株式の取得は0億円(前期527億円)で実施しなかった。2027年3月期は年間配当を44円に増配する計画(中間22円・期末22円、配当性向39.6%)で、投資と営業キャッシュフローのバランスと最適資本構成の調整のため250億円の自己株式取得枠を設定し、総還元性向は79.9%を見込む。総還元性向50%を目安とする方針に変わりはないとしている。
| 区分 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(見通し) |
|---|---|---|
| 年間配当金 | 40円(中間20円・期末20円) | 44円(中間22円・期末22円) |
| 配当性向 | 40.9% | 39.6% |
| 総還元性向 | 40.9% | 79.9% |
| 自己株式取得枠 | – | 250億円 |

※本記事はリコーが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。