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東宝、2026年2月期は営業収入3,606億円・営業利益678億円で過去最高を更新 映画事業が牽引

決算サマリー 2026.08.11
東宝、2026年2月期は営業収入3,606億円・営業利益678億円で過去最高を更新 映画事業が牽引

※本記事は東宝が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

東宝の2026年2月期(2025年3月1日~2026年2月28日)は、営業収入3,606億円(前期比15.2%増)、営業利益678億円(同5.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益517億円(同19.4%増)となり、それぞれ過去最高値を更新した。「鬼滅の刃」「国宝」「チェンソーマン レゼ篇」「8番出口」等のヒットに伴い映画事業が好調に推移し、増収増益となった。一方、IP・アニメ事業は営業利益が1~3Qに底堅く推移したものの、4Qは26/2期配信開始ゲームの償却増や条件付対価の再評価に伴う一過性費用等により大幅減益となった。ROEは10.4%、期末配当金は1株13.5円(分割後)とした。

目次

連結業績(2026年2月期 実績)

営業収入は360,663百万円(前期比47,491百万円増、15.2%増)、営業利益は67,889百万円(同3,204百万円増、5.0%増)、経常利益は70,140百万円(同5,685百万円増、8.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は51,768百万円(同8,411百万円増、19.4%増)。営業原価は主に興行ヒットに伴う変動費の増加により201,069百万円(19.3%増)となり、売上高総利益率は46.2%から44.3%へ低下した。営業外費用は、FIFTH SEASONの業績改善やのれんの償却額減により2,276百万円(47.3%減)に縮小。特別利益は政策保有株式(株式会社丸井グループ、株式会社IMAGICA GROUP)の売却による投資有価証券売却益8,913百万円を計上して9,113百万円、特別損失は固定資産解体費用1,449百万円や独占禁止法関連損失1,317百万円等により3,350百万円となった。EPSは61.20円(株式分割後ベース)、ROEは10.4%。

項目(百万円)2026年2月期2025年2月期増減増減率
営業収入360,663313,17147,49115.2%
営業原価201,069168,61132,45819.3%
売上総利益159,593144,55915,03310.4%
販売費及び一般管理費91,70479,87511,82914.8%
営業利益67,88964,6843,2045.0%
経常利益70,14064,4555,6858.8%
特別利益9,1133,4755,637162.2%
特別損失3,3501,8651,48579.6%
親会社株主に帰属する当期純利益51,76843,3578,41119.4%

セグメント別の状況

映画事業は「鬼滅の刃」「国宝」「チェンソーマン レゼ篇」「8番出口」等のヒットにより営業収入182,617百万円(42,755百万円増)、営業利益37,302百万円(8,676百万円増)と大幅な増収増益。IP・アニメ事業はGKIDSやサイエンスSARUが貢献して営業収入は75,265百万円(5,873百万円増)となったものの、のれんの償却額の増加、26/2期配信開始ゲームの償却増や一過性費用の発生等により営業利益は17,296百万円(4,942百万円減)と減益、利益率は32.0%から23.0%へ低下した。演劇事業は帝国劇場の休館中も主催公演の回数確保に努めたが、前期に「帝国劇場 クロージングラインナップ」を上演し全席完売となったこと等から減収減益。不動産事業は道路事業の大型工事案件の受注減少等で減収となった一方、前期に帝劇ビル解体工事の一時的な費用等が発生したことから増益となった。調整額はシステム保守費や人件費等の増加により△9,270百万円。

セグメント指標(百万円)2026年2月期2025年2月期増減
映画事業営業収入182,617139,862+42,755
映画事業営業利益37,30228,626+8,676
映画事業利益率20.4%20.5%△0.0ポイント
IP・アニメ事業営業収入75,26569,391+5,873
IP・アニメ事業営業利益17,29622,239△4,942
IP・アニメ事業利益率23.0%32.0%△9.1ポイント
演劇事業営業収入22,31022,890△580
演劇事業営業利益3,4634,129△666
演劇事業利益率15.5%18.0%△2.5ポイント
不動産事業営業収入79,17979,653△474
不動産事業営業利益19,03016,826+2,203
不動産事業利益率24.0%21.1%+2.9ポイント
その他事業営業収入1,2911,372△81
その他事業営業利益66162△96
調整額営業利益△9,270△7,300△1,970
合計営業収入360,663313,17147,491
合計営業利益67,88964,6843,204
東宝 2026年2月期 セグメント別業績一覧
出典:東宝 2026年2月期 通期 決算説明資料 P.13

映画事業の参考指標として、映画の国内全国興収(ODS含む、「中継」を除く。2025年1-12月)は2,744億円とコロナ禍前のピークを超え、東宝配給作品興行収入(ODS〈TOHO NEXT〉を含む)は1,399億円で歴代最高を更新した。東宝配給作品数は44作品(うち幹事12作品、出資13作品、TOHO NEXT16作品)で、興収10億円以上の作品は20本(うち幹事作品3本)。海外売上高比率は26/2期が10.1%(25/2期9.9%)となった。

2027年2月期 通期業績予想(期初予想)

2027年2月期の期初予想は、営業収入345,000百万円、営業利益62,000百万円、経常利益67,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益41,000百万円。映画事業で「ゴジラ-0.0」などのヒットやIP・アニメ事業の国内外の貢献を見込むものの、販管費増もあり期初時点では26/2期比減益の予想でスタートする。会社は期初予想を映画事業の特大ヒットを見込まない成長のベースラインと位置づけ、各作品の大ヒットにより期初予想からの上振れを狙うとしている。期初業績予想の前提となる東宝配給作品興収は900~1,000億円(「ゴジラ-0.0」の海外興収を除く)、国内全国興収は2,500~2,600億円。IP・アニメ事業では海外の事業インフラ整備の投資により販管費が26/2期比30~35億円増加する見通しで、期初予想時点の営業利益率は約26%を見込む。

項目(百万円)2027年2月期(期初予想)2026年2月期(実績)
営業収入345,000360,663
営業利益62,00067,889
経常利益67,00070,140
親会社株主に帰属する当期純利益41,00051,768
営業収入:映画事業165,800182,617
 映画営業60,70064,368
 映画興行88,70097,585
 映像関連16,40020,663
営業収入:IP・アニメ事業84,10075,265
営業収入:演劇事業15,30022,310
営業収入:不動産事業75,70079,179
営業収入:その他事業4,1001,291
営業利益:映画事業33,00037,302
営業利益:IP・アニメ事業22,00017,296
営業利益:演劇事業2,0003,463
営業利益:不動産事業18,00019,030
営業利益:その他事業△1,00066
営業利益:調整額△12,000△9,270
東宝 2027年2月期通期業績(期初予想)
出典:東宝 2026年2月期 通期 決算説明資料 P.18

株主還元

2026年2月期の1株当たり年間配当金は22.0円(分割後、うち期末13.5円)で、配当性向は35.9%、総還元性向は64.7%。配当総額は185.3億円、自己株式の取得額は149.4億円となった。2026年2月28日を基準日として普通株式1株につき5株の割合で株式分割を実施しており、過去の事業年度の1株当たり数値は当該株式分割が行われたと仮定して算定されている。2027年2月期の年間配当金(期初予想)は1株22.0円(分割後)。加えて4月14日、資本効率の向上および株主還元を目的に合計750万株/130億円(上限)の自己株式取得と、保有する自己株式のうち3,000万株(発行済株式総数の3.41%)の2026年4月末の消却を発表した。自己株式数が発行済株式総数の5%を超過した場合に消却を検討する基準も策定している。中期経営計画2028では、年間17円/1株を下限に連結配当性向35%以上、かつ機動的な自己株式取得を掲げる。

項目2025年2月期2026年2月期2027年2月期(見通し)
1株当たり年間配当金(円、分割後)17.022.022.0
配当性向(%)33.435.9
総還元性向(%)79.664.7
配当総額(億円)144.6185.3
自己株式の取得額(億円)200.6149.4130(上限)
自己株式の消却額(万株)5,2453,000(予定)
東宝 株主還元(1株当たり配当額等の推移)
出典:東宝 2026年2月期 通期 決算説明資料 P.19

中期経営計画2028/トピック

中期経営計画2028の数値目標は、営業利益700億円以上(FY2028までに達成)、ROE恒常的に10%以上、株主還元は年間17円(分割前85円)の配当を下限に配当性向35%以上かつ機動的な自己株式取得。長期ビジョン2032では営業利益750~1,000億円を目指す。重点ポイントとして、映画・アニメ・演劇・ゲーム等のコンテンツの企画・製作、IP創出に3年間で約700億円、ゴジラIPの開発・展開に3年間で約150億円を投下し、コンテンツ・IP領域のM&Aやシネコン出店等の成長投資として3年間で1,200億円程度を設定。2032年に向けて海外売上高比率を現状の10%程度から30%まで引き上げ、2032年のIP・アニメ事業の営業利益は2025年2月期の222億円比200%以上を目指す。26/2期はコンテンツの企画・製作・IP創出に177億円を投下したほか、欧州拠点の設立(Anime Limited買収)、グッドスマイルカンパニーとのTo-Smile設立、政策保有株式2銘柄の売却、CAPMに基づく株主資本コスト(4~5.5%程度)の開示、株式分割(1:5)の発表等を実施した。

東宝 中期経営計画2028の数値目標
出典:東宝 2026年2月期 通期 決算説明資料 P.102

※本記事は東宝が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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