島津製作所

島津製作所、2026年3月期は売上高5,607億円・営業利益737億円で増収増益 売上高は6期連続で過去最高

決算サマリー 2026.08.11
島津製作所、2026年3月期は売上高5,607億円・営業利益737億円で増収増益 売上高は6期連続で過去最高

※本記事は島津製作所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

島津製作所の2026年3月期(FY2025)通期は、売上高5,607億円(前期比+4%)、営業利益737億円(同+3%)の増収増益となった。売上高は6期連続で過去最高を更新し、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益も2期ぶりに過去最高となっている。セグメント別では計測機器・医用機器・航空機器が増収増益、産業機器が減収増益で4セグメントすべてが増益となり、海外売上高比率は56.7%(前期比+0.3pt)に拡大した。2027年3月期(FY2026)は、中東情勢悪化影響と成長投資増を増収・価値訴求で跳ね返し、売上高5,750億円(前期比+3%)、営業利益760億円(同+3%)の増収増益を見込む。

目次

連結業績(当期 実績)

売上高は5,607億円(前期比+217億円、+4%)、営業利益は737億円(同+20億円、+3%)。為替影響額は売上高で2億円、営業利益で▲2億円と限定的だった。営業利益率はM&A関連費用や研究開発費など将来に向けた費用の増加により13.1%と前期から0.2pt低下した。経常利益は為替差損益+92億円が寄与して828億円(同+107億円、+15%)、親会社株主に帰属する当期純利益は605億円(同+67億円、+13%)となり、ROEは11.4%(+0.5pt)、ROICは9.6%(▲0.4pt)。研究開発費291億円(+2億円)、設備投資額221億円(▲8億円)、減価償却費204億円(+5億円)となった。営業利益の増減要因(P.5)は、営業面が増収による粗利増加+96億円・付加価値訴求など+77億円の合計+173億円、製造面が生産効率向上+11億円・部材価格上昇▲16億円で全体▲5億円、成長投資・人財投資が研究開発費/DX投資など▲17億円・人財投資▲70億円・M&A費用▲17億円の合計▲104億円、経費減+3億円、為替影響▲2億円、関税影響が直接影響▲15億円・間接影響▲30億円の合計▲45億円。財政状態(P.42)は、2026年3月末の総資産が7,380億円(2025年3月末から+658億円)、純資産5,652億円(同+671億円)、自己資本比率76.6%(+2.5pt)となった。

項目当期(FY2025)前期(FY2024)増減
売上高5,607億円5,390億円+217億円(+4%)
営業利益737億円717億円+20億円(+3%)
営業利益率13.1%13.3%▲0.2pt
経常利益828億円720億円+107億円(+15%)
親会社株主に帰属する当期純利益605億円538億円+67億円(+13%)
ROE11.4%10.9%+0.5pt
ROIC9.6%10.0%▲0.4pt
研究開発費291億円289億円+2億円
設備投資額221億円229億円▲8億円
減価償却費204億円199億円+5億円
平均為替レート:米ドル150.81円152.63円▲1.82円(▲1%)
平均為替レート:ユーロ174.83円163.78円+11.05円(+7%)

セグメント別・地域別の状況

計測機器は売上高3,649億円(前期比+170億円、+5%)、営業利益526億円(同+5億円、+1%)の増収増益で、売上高は6期連続で過去最高を更新した。重点機種(液体クロマトグラフ、質量分析システム、ガスクロマトグラフ)は新製品効果もあり売上高2,030億円(前期比+7%)、その他機種は1,619億円で、ともに過去最高を更新。リカーリング売上高は1,425億円(前期比+7%)、リカーリング売上高比率は39%(対前期+1pt)となった一方、M&A関連費用や研究開発費の増加で営業利益率は14.4%(▲0.6pt)に低下した。医用機器は売上高738億円(+12億円、+2%)、営業利益49億円(+6億円、+14%)。X線機種が一般撮影・X線TVの新製品効果や東南アジアの大口案件獲得で563億円(+6%)と伸びた一方、前年の大口案件の反動で放射線治療支援システムなどその他機種は175億円(▲9%)と減少。リカーリング売上高は279億円(前期比+3%)、比率38%(+1pt)で、営業利益率は6.6%(+0.7pt)に改善した。産業機器は売上高715億円(▲8億円、▲1%)、営業利益106億円(+1億円、+1%)の減収増益で、営業利益は3期連続の過去最高。TMP(ターボ分子ポンプ)が378億円(+4%)、油圧が157億円(+2%)と伸びた一方、EV用セラミックス製造向け工業炉の減少などでその他が180億円(▲13%)と減少した。TMPリカーリング売上高は92億円、比率は24%(対前期+4pt)。航空機器は売上高434億円(+47億円、+12%)、営業利益82億円(+22億円、+35%)で、売上高は2期連続、営業利益は3期連続で過去最高を更新。政府の防衛力強化方針により防衛が347億円(+14%)と大幅に増加し、民間航空機向けも搭載品・補用品の需要拡大で87億円(+6%)となり、営業利益率は19.0%(+3.3pt)に上昇した。地域別(P.6)では、日本が2,425億円(+80億円、+3%)、海外が3,181億円(+137億円、+5%)。海外の内訳は米州818億円(+33億円、+4%)、欧州548億円(+53億円、+11%)、中国917億円(+4億円、+0%)、その他のアジア714億円(+65億円、+10%)、その他182億円(▲18億円、▲9%)で、海外売上高比率は56.7%(+0.3pt)に拡大した。

セグメント売上高 FY2025売上高 FY2026予想営業利益 FY2025営業利益 FY2026予想営業利益率 FY2025→FY2026予想
計測機器3,649億円3,850億円526億円615億円14.4%→16.0%
医用機器738億円700億円49億円55億円6.6%→7.9%
産業機器715億円705億円106億円100億円14.8%→14.2%
航空機器434億円440億円82億円50億円19.0%→11.4%
その他71億円55億円12億円15億円12.4%→20.5%
調整額▲37億円▲75億円
合計5,607億円5,750億円737億円760億円13.1%→13.2%
セグメント別損益(FY2025実績、売上高・営業利益・営業利益率の前期比)
出典:島津製作所 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.28

通期業績予想

2027年3月期(FY2026)は、売上高5,750億円(前期比+143億円、+3%)、営業利益760億円(同+23億円、+3%)、経常利益750億円(同▲78億円、▲9%)、当期純利益550億円(同▲55億円、▲9%)を計画する。売上高には為替▲20億円、中東影響▲100億円を、営業利益には為替▲7億円、中東影響▲40億円を織り込んでいる。研究開発費305億円(+14億円)、設備投資250億円(+29億円)、減価償却200億円(▲4億円)を計画し、通期想定為替レートは米ドル150円、ユーロ175円。2025年12月に買収を発表したTESCAN社の業績は、クロージング前のため予想に織り込んでいない。営業利益の増減要因(P.13)は、営業面が増収による粗利増加+55億円・付加価値訴求+90億円の合計+145億円、製造面が製造効率の向上+37億円・部材高騰▲45億円で▲8億円、成長投資・人財投資が人財投資増▲75億円・研究開発費増▲14億円・DX投資増等▲35億円の合計▲124億円、その他経費減+17億円、為替影響▲7億円。セグメント別では、計測機器が中東情勢悪化(売上▲60億円、利益▲25億円)を織り込みつつ新製品拡販・好調市場深耕・リカーリング拡大で売上高3,850億円・営業利益615億円・営業利益率16.0%を目指す。医用機器は不採算機種の見直しにより売上高700億円と減収を見込むが、特長ある製品の拡販とリカーリング強化で営業利益55億円・営業利益率7.9%へ改善。産業機器は中東情勢悪化(売上▲35億円、利益▲15億円)を見込み売上高705億円・営業利益100億円。航空機器は売上高440億円と増収を見込む一方、前年の為替精算の反動減で営業利益50億円・営業利益率11.4%と減益を予想する。

項目FY2026予想FY2025(実績)増減
売上高5,750億円5,607億円+143億円(+3%)
営業利益760億円737億円+23億円(+3%)
経常利益750億円828億円▲78億円(▲9%)
当期純利益550億円605億円▲55億円(▲9%)
研究開発費305億円291億円+14億円
設備投資250億円221億円+29億円
減価償却200億円204億円▲4億円
2026年度(2027年3月期)通期業績予想の概要
出典:島津製作所 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.12
2026年度通期セグメント別業績予想(売上高・営業利益・営業利益率)
出典:島津製作所 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.14

株主還元

FY2025(2026年3月期)の年間配当は、期初想定比3円増、前年比3円増配の69円(中間27円、期末42円)を予定。前期FY2024の年間配当66円には創業150周年記念配当4円が含まれていたが、それを上回る水準となる。FY2026(2027年3月期)は13期連続増配となる1株当たり70円(中間27円、期末43円)を予定し、配当性向は36.8%への向上を見込む(FY2024は36.0%、FY2025は33.0%)。

項目FY2024FY2025FY2026(予定)
中間配当26円27円27円
期末配当40円42円43円
1株当たり年間配当金66円69円70円
配当性向36.0%33.0%36.8%
株主還元(1株当たり配当金と配当性向の推移)
出典:島津製作所 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.25

業績予想達成に向けた取り組み/トピック

市場環境(P.16-17)は、連結売上高の対前年伸び率見込み(為替除く)として日本+1〜3%、北米+4〜6%、欧州+4〜6%、中国+1〜3%、その他のアジア+4〜6%(うちインド+7〜9%)を想定。計測機器需要は底堅く半導体市場も好況とする一方、医用機器や産業機器の半導体以外の市況は低調と見ている。計測機器の収益性向上策(P.24)としては、新製品を核としたソリューション展開に加え、修理・保守サービスでの高付加価値商品拡充、Zef社との連携によるマルチベンダーサービス(MVS)提案力向上と競合更新需要の取り込み、試験機の海外校正ビジネス拡大、ASEAN地域でのワイエムシィ社消耗品のOEM販売開始など消耗品ラインナップ拡大によりリカーリング売上高を拡大するほか、自動化を活用した製造面でのコストダウンと管理可能経費のコントロールを進める。新製品・ソリューション(P.18-23)では、ヘルスケア領域で一体型液体クロマトグラフ i-Series LC-2070/2080、超高速液体クロマトグラフ Nexera X4、AIカスタム培地開発サービス MediTune、臨床検査分野のNexera QXやDOSIMMUNE、画像診断のMobileDaRt Evolution MX9 VersionやTrinias Series with SCORE Operaを、グリーン・マテリアル領域でPFAS分析向けLCMS-8065XEやガスクロマトグラフ Nexis GC-2060を、インダストリー領域でオンラインTOC計 TOC-1000e Sや磁気軸受型ターボ分子ポンプ、走査電子顕微鏡 SUPERSCANシリーズ(チェコTESCAN社との共同ブランド)などを展開する。TMPでは京都・秦野(神奈川県)の生産拠点増強と欧州・台湾へのサービス拠点追加を進める。

※本記事は島津製作所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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