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Enjin、2026年5月期は減収減益 配当は40円を継続

決算サマリー 2026.08.30
Enjin、2026年5月期は減収減益 配当は40円を継続

※本記事はEnjinが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

株式会社Enjinは2026年5月期の連結業績で、売上高2,699百万円(前期比7.6%減)、営業利益361百万円(同57.0%減)となった。経常利益は419百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は250百万円で、いずれも前期を下回った。資料は減収の主因として、人員減に加え連結範囲の変化・原価上昇の複合要因を挙げている。

目次

業績(2026年5月期 実績)

売上高は前期の2,919百万円から2,699百万円へ、営業利益は前期の841百万円から361百万円へ、経常利益は844百万円から419百万円へ、親会社株主に帰属する当期純利益は539百万円から250百万円へ、いずれも減少した。営業利益率は13.4%、経常利益率は15.5%。ROEは前期11.6%から5.54%へ、自己資本比率は前期87.5%から85.9%へ低下した。

項目2024年5月期実績2025年5月期実績2026年5月期実績2027年5月期計画
売上高3,2672,9192,6993,510
売上総利益2,6532,3361,865開示なし
営業利益1,045841361322
経常利益1,075844419開示なし
親会社に帰属する当期純利益749539250開示なし
ROE17.6%11.6%5.54%開示なし
自己資本比率開示なし87.5%85.9%約84%
Enjin 連結業績ハイライト(実績推移と前回計画比)
出典:Enjin 2026年5月期 通期決算説明資料 P.10

通期業績予想との比較・下方修正の経緯

2026年5月期の連結業績は、第1四半期売上高508百万円・営業利益32百万円、第2四半期売上高435百万円・営業利益△19百万円、第3四半期売上高617百万円・営業利益137百万円、第4四半期売上高1,139百万円・営業利益211百万円で推移し、通期実績は売上高2,699百万円(修正後予想2,600百万円に対し進捗率103.8%)、営業利益361百万円(同400百万円に対し進捗率90.2%)、経常利益419百万円(同425百万円に対し進捗率98.5%)、当期純利益250百万円(同278百万円に対し進捗率89.9%)となった。資料は、営業利益について当初計画923百万円から期中に修正予想400百万円へ下方修正し、実績は361百万円になったことを示している。差異理由として、経験豊富な営業人員の一時流出による減収に加え、新規5事業への先行投資を挙げている。

項目2026年5月期実績通期業績予想(修正後)進捗率
売上高2,6992,600103.8%
営業利益36140090.2%
経常利益41942598.5%
当期純利益25027889.9%
Enjin 業績進捗率(連結)2026年5月期
出典:Enjin 2026年5月期 通期決算説明資料 P.9

セグメント別(事業ドメイン別)の状況

資料は、PR(Enjin・AZW)と不動産(クロスロード)の2ドメインが連結損益計算書に反映されていることを開示している。PR領域の売上高は2,346百万円、営業利益は366百万円(営業利益率15.6%)。不動産領域(クロスロード)の売上高は353百万円、営業利益は5百万円(同1.5%)。観光(EnJourney・ホタルス)、金融(Enjin Payment Service)、AI(AI Accelerator)の3ドメインは、みなし取得のため今回は貸借対照表のみ連結し、損益は2027年5月期から反映されるとしている(うちEnJourneyは2026年3月始動の立上げ期)。なお、PRと不動産の営業利益の合計は371百万円となり、連結営業利益361百万円とは一致しない。

ドメイン(会社)2026年5月期 売上高2026年5月期 営業利益営業利益率
PR(Enjin・AZW)2,34636615.6%
不動産(クロスロード)35351.5%
Enjin セグメント別2026年5月期実績(連結P/L反映分)
出典:Enjin 2026年5月期 通期決算説明資料 P.12

KPI(経営指標)の見直し

資料は、PR単一事業から5事業ドメイン体制への移行に伴い、全社単一のKPIではドメイン別の収益ドライバーを適切に測定できないとして、KPIを刷新したことを開示している。2025年5月期まで開示していた旧KPI(契約件数・顧客数・平均契約件数、単価1,400千円、原価率19.9%、PF運用費6,000千円、営業生産性19,861千円)から、2027年5月期以降はドメイン別の新KPI(PR:STOCK企業数、観光:案件数×平均単価、不動産:案件数×粗利率、金融:取扱件数×リピート率、AI:実装本数×アクティブ率)へ移行するとしている。資料は、可能な範囲で旧KPI(STOCK企業数・継続率等)も継続測定・併記するとしている。PRドメインの主要KPIである「STOCK企業数」は、ブランディングPRの月次継続課金顧客数と定義されており、2026年5月末時点で1,097社、2031年5月期の目標値は1,500社としている。

2027年5月期事業計画・中期経営計画

取締役会は2026年5月13日、2027年5月期の連結業績計画として売上高3,510百万円、営業利益322百万円(営業利益率11.0%)を決議した。事業ドメイン別の計画は、PR領域が売上2,311百万円・営業利益344百万円(営業利益率14.9%)、観光領域が売上818百万円・営業利益△5百万円(同△0.7%)、不動産・アセット領域が売上346百万円・営業利益17百万円(同5.1%)、フィナンシャル領域が売上34百万円・営業利益△18百万円(同△53.0%、先行投資期)としている。AI・グループプラットフォーム領域は横串インフラ事業として外販を行わず、内製・効率化に特化するとしている。また、2031年5月期を最終年度とする中期ビジョンとして、連結売上高100億円・営業利益30億円(営業利益率約30%水準)を掲げている。なお、当社は2023年3月に公表した旧中期経営計画(2028年5月期を最終年度)について、新卒採用市場の競争激化により前提条件が変化し数値目標の達成が困難と判断したとして、2024年4月に取り下げている。

事業ドメイン2027年5月期 売上計画2027年5月期 営業利益計画営業利益率
PR2,31134414.9%
観光818△5△0.7%
不動産・アセット346175.1%
フィナンシャル34△18△53.0%(先行投資期)

株主還元

配当方針は、成長投資(M&A・AI内製化・人材確保)と株主還元のバランスを図りつつ、自己株式取得を中心とした柔軟な株主還元を行うとしている。年間一株あたり配当額は40円(前期の38円から増配)を継続予定としており、配当性向は111.8%となる見込みである。自己株式取得については、取得枠の上限を3億円・400,000株(2026年1月13日決議)とし、2026年5月31日時点の進捗は株数ベースで65.5%(262,200株)、金額ベースで69.0%(207,089千円)。取得期間は2026年7月31日までとしており、資料は期限内の枠消化は困難な見通しとしつつ、継続購入の方針を示している。財務基盤は、2026年5月末時点で総資産5,115百万円、純資産4,424百万円、現預金1,739百万円、有価証券1,536百万円としている。

Enjin 配当方針と財務基盤
出典:Enjin 2026年5月期 通期決算説明資料 P.75

経営体制・トピックス

代表取締役グループCEO兼グループCOOの本田幸大氏は、2025年8月より経営改革「Enjin 3.0」を始動し、上場後の権限移譲と外部人材の登用で生じた経営体制上の課題を踏まえ、現場への関与を強める体制へ移行したとしている。改革の中心は祖業であるPR・ブランディング事業の再成長としている。また、2026年5月期の決算発表後の状況として、成約高は2026年4月から6月まで3カ月連続で前年同月を上回り、4月は1.439億円から1.806億円(+25.5%)、5月は1.249億円から2.025億円(+62.2%)、6月は1.723億円から2.199億円(+27.6%)、4〜6月累計では4.411億円から6.029億円(+36.7%)になったとしている。加えて、東京証券取引所グロース市場からスタンダード市場への市場区分変更について、2026年9月から申請手続きを開始する予定としている。

※本記事はEnjinが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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