※本記事は東京通信グループが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
東京通信グループは2025年12月期(連結)の決算を発表した。売上高6,219百万円(前期比106.1%)、営業利益195百万円(前期は△230百万円)、経常利益665百万円(前期は△211百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益230百万円(前期は△413百万円)となった。経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、2015年の創業以来、過去最高を更新。営業利益及び当期純利益は3期連続赤字から黒字へ転換した。新規事業投資の見直しと主力事業への経営資源集中により収益性が改善したほか、投資事業における投資有価証券の売却が連結業績に大きく寄与し、業績予想の上方修正を計4回実施した。
連結業績(2025年12月期 実績)
収益性の高い事業への経営資源の集中が奏功し、全ての段階利益で黒字化が進み、収益構造の改善が通期を通じて定着した。固定資産の減少は、主として過年度のM&Aにより計上したのれん、商標権及び顧客関連資産といった無形固定資産について、計画通り償却が進捗し344百万円減少したことによるもので、当該償却はキャッシュアウトを伴わない会計処理であり、事業運営や資金繰りに与える影響は限定的としている。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 増減額 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,861 | 6,219 | +357 |
| 売上総利益 | 4,642 | 4,831 | +188 |
| 販売費及び一般管理費 | 4,873 | 4,635 | △238 |
| 営業利益 | △230 | 195 | +426 |
| 営業利益率 | △3.9% | 3.1% | +7.1pt |
| 経常利益 | △211 | 665 | +877 |
| 税金等調整前当期純利益 | △255 | 665 | +920 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益 | 88 | 445 | +356 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △413 | 230 | +643 |
| EBITDA | 153 | 556 | +402 |
セグメント別の状況
メディア事業は、スマートフォンゲームアプリの取り組みが着実に成果を上げ、2つのタイトルがApp Store及びGoogle Play(無料ゲーム)ランキングで第1位を獲得し、増収増益となった。プラットフォーム事業は電話占いサービス事業が安定的に収益を創出し、エンタメテック事業「B4ND」も黒字を計上して増収増益となった。その他事業は、売上構成比で中核的な位置を占めるファンクラブビジネス事業が連結会計年度を通じて黒字を確保し、収益構造の見直しによる効果が定着してセグメント利益の赤字幅が縮小した。
| セグメント | 売上高(構成比) | 営業利益・セグメント利益(構成比) |
|---|---|---|
| メディア事業 | 3,414百万円(54.9%) | 363百万円(30.4%) |
| プラットフォーム事業 | 2,221百万円(35.7%) | 333百万円(27.9%) |
| その他 | 582百万円(9.4%) | △27百万円(2.0%) |
| 調整額 | ― | △474百万円(39.6%) |
| 合計 | 6,219百万円(100.0%) | 195百万円(100.0%) |


通期業績予想(2026年12月期)
2026年12月期の連結業績予想は、売上高6,500百万円(前期比104.5%)、営業利益250百万円(同127.9%)、経常利益260百万円(同39.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益110百万円(同47.7%)、EBITDA520百万円(同93.4%)。営業利益の2桁成長を実現し、事業ポートフォリオ最適化による収益性の強化を目指すとしている。メディア事業におけるスマートフォンゲームアプリのヒットによる業績寄与や、前期に計上した投資有価証券売却益については、いずれも今期の業績計画には反映しておらず、実現の蓋然性が不透明な要因を除外した前提に基づき策定しているため、経常利益及び当期純利益は前期実績を下回る計画となっている。
| 項目 | 2025年12月期実績 | 2026年12月期予想 | 増減額 | YoY |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,219 | 6,500 | +280 | 104.5% |
| 営業利益 | 195 | 250 | +54 | 127.9% |
| 経常利益 | 665 | 260 | △405 | 39.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 230 | 110 | △120 | 47.7% |
| EBITDA | 556 | 520 | △36 | 93.4% |

セグメント別計画(2026年12月期)
プラットフォーム事業は、電話占いサービス事業において過去のM&Aに伴い計上した顧客関連資産の償却が予定通り終了することにより、償却負担の解消が利益水準の改善に寄与する見通し。その他事業は、一定の利益貢献はあるものの長期的な成長性が限定的な事業について、戦略的な観点から整理・再構築を進めるとしている。
| セグメント | 項目 | 2025年12月期実績 | 2026年12月期計画 | 増減額 |
|---|---|---|---|---|
| メディア事業 | 売上高 | 3,414 | 3,500 | +85 |
| メディア事業 | セグメント利益 | 363 | 290 | △73 |
| メディア事業 | EBITDA | 414 | 350 | △64 |
| プラットフォーム事業 | 売上高 | 2,221 | 2,400 | +178 |
| プラットフォーム事業 | セグメント利益 | 333 | 440 | +106 |
| プラットフォーム事業 | EBITDA | 638 | 650 | +11 |
| その他 | 売上高 | 582 | 600 | +17 |
| その他 | セグメント利益 | △27 | 60 | +87 |
| 連結 | 売上高 | 6,219 | 6,500 | +280 |
| 連結 | 営業利益 | 195 | 250 | +54 |
| 連結 | EBITDA | 556 | 520 | △36 |

株主還元
配当政策は、資本の健全性や成長のための投資を優先した上で最適なバランスを検討し配当を基本として株主還元の充実に努めるとしているが、現在は成長過程にあると認識し、内部留保資金は事業拡大のための成長投資に充当することを優先しており、具体的な配当額は開示されていない。なお2025年5月20日には創業10周年を機に株主優待制度の導入を決定しており、基準日(毎年6月末日・12月末日)に2,500株(25単元)以上を1年超継続保有する株主を対象に、年2回・各15,000円分(年間合計30,000円分)のデジタルギフトを進呈する。
成長戦略・中期経営計画
同社は2025年12月期を初年度とする3ヶ年計画において、既存事業のオーガニックグロース、事業ポートフォリオの最適化、財務基盤の強化、M&A戦略の強化、既存事業のM&Aグロースの5つのフェーズによる成長戦略を推進しており、第1フェーズから第3フェーズまでの取り組みが概ね完了し計画は順調に進展しているとしている。2026年12月期は第4フェーズとなる成長加速領域への戦略的投資を重点的に推進する方針。また、2030年より適用開始予定の新たな上場維持基準(上場5年経過後、時価総額100億円以上)への適合を強く意識し、グロース市場における同基準の安定的かつ継続的な維持を確実なものとしていく方針としている。財務面では、Net Debt/EBITDAが前期の6.3倍から当期は1.0倍へ改善し、自己資本比率も14.2%から20.8%へ上昇したとしている。
※本記事は東京通信グループが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。