※本記事は極東開発工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
極東開発工業の2026年3月期連結決算は、売上高161,332百万円(前期比+14.9%)で過去最高値を更新した。営業利益は製品価格改定の効果が加速し8,877百万円(同+33.4%)、経常利益は9,478百万円(同+37.5%)となった一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の売却益を計上したものの独占禁止法に基づく課徴金計上により3,692百万円(同△36.6%)と減少した。2027年3月期は増収の見通しで、経常利益・営業利益は減益を見込むものの、親会社株主に帰属する当期純利益は増益を見込んでいる。
連結業績(2026年3月期 通期実績)
特装車事業の受注高は120,628百万円(前期比+8.0%)、受注残高は108,010百万円(同+13.3%)と、いずれも高水準を維持した。
| 項目 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 161,332百万円 | 140,449百万円 | +20,882百万円(+14.9%) |
| 営業利益 | 8,877百万円 | 6,656百万円 | +2,221百万円(+33.4%) |
| 経常利益 | 9,478百万円 | 6,890百万円 | +2,587百万円(+37.5%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,692百万円 | 5,820百万円 | △2,128百万円(△36.6%) |
| 特装車事業 受注高 | 120,628百万円 | 111,644百万円 | +8,984百万円(+8.0%) |
| 特装車事業 受注残高 | 108,010百万円 | 95,309百万円 | +12,701百万円(+13.3%) |
セグメント別の状況
全セグメントで増収増益となり、売上高は全セグメントで過去最高となった。特装車事業は海外が低調となったものの、国内は製品の価格改定と生産性向上等により回復した。環境事業及びパーキング事業も好調に推移した。
| セグメント | 売上高(前期→当期) | 営業利益(前期→当期) |
|---|---|---|
| 特装車 | 118,708百万円→135,265百万円(+16,556、+13.9%) | 4,676百万円→6,298百万円(+1,622、+34.7%) |
| 特装車(うち海外) | 12,080百万円→18,028百万円(+5,948、+49.2%) | 488百万円→△226百万円(△714) |
| 環境 | 14,193百万円→18,077百万円(+3,883、+27.4%) | 2,772百万円→3,334百万円(+562、+20.3%) |
| パーキング | 8,187百万円→8,638百万円(+450、+5.5%) | 847百万円→965百万円(+118、+14.0%) |
| 全体 | 140,449百万円→161,332百万円(+20,882、+14.9%) | 6,656百万円→8,877百万円(+2,221、+33.4%) |

公正取引委員会による処分について
当社と連結子会社の日本トレクス株式会社は、製造する「架装物」の販売をめぐりカルテルを結んでいた疑いで2024年11月12日に公正取引委員会の立ち入り検査を受けた。以後、調査に全面的に協力してきたが、2025年9月25日、公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令及び課徴金納付命令を受けた。各命令の内容を精査・確認したところ、課徴金納付命令の内容には、事実認定と法解釈において公正取引委員会との間で課徴金額の算定根拠・範囲につき一部見解の相違があったことから、2026年3月17日付で当社及び日本トレクス株式会社は課徴金の減額を求めることを目的として課徴金納付命令に対する取消訴訟を提起した。今回の処分による課徴金額は5,925百万円(当社2,601百万円、日本トレクス株式会社3,323百万円)で、既に納付済みであり、2026年3月期決算において特別損失として計上した。
再発防止策として、取締役会での独占禁止法違反行為を一切行わない旨の決議、代表取締役社長を委員長とするリスク管理・コンプライアンス委員会の設置、独占禁止法遵守体制整備のロードマップ作成、全役員・従業員への教育・研修の実施などが完了済みとして示されている。また、2026年2月26日開催の取締役会において、2026年6月開催予定の第91期定時株主総会での承認を前提に、現行の監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行することを決議した。

通期業績予想(2027年3月期)
売上高は前期比+11.6%の180,000百万円を見込む。営業利益は前期比△4.2%の8,500百万円、経常利益は同△16.6%の7,900百万円と減益を見込む一方、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比+35.4%の5,000百万円と増益を見込んでいる。なお、中東情勢の緊迫化等に伴う資材の調達リスク及び価格上昇等が業績に与える影響については、現時点では合理的な算定が困難であるとしている。
| 項目 | 26.3期(実績) | 27.3期(予想) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 161,332百万円 | 180,000百万円 | +18,668百万円(+11.6%) |
| 営業利益 | 8,877百万円 | 8,500百万円 | △377百万円(△4.2%) |
| 経常利益 | 9,478百万円 | 7,900百万円 | △1,578百万円(△16.6%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,692百万円 | 5,000百万円 | +1,308百万円(+35.4%) |
セグメント別予想では、特装車事業は製品価格改定による売上増加等により売上高147,700百万円(前期比+9.2%)、営業利益6,800百万円(同+8.0%)、営業利益率は2026年3月期の4.7%から4.6%となる見通し。環境事業は売上高24,500百万円(同+35.5%)となる一方、営業利益は2,700百万円(同△19.0%)、営業利益率は18.4%から11.0%となる見通し。なお、パーキング事業は2027年3月期から組織再編に伴いこれまで含んでいたパーキング以外の収益を除外する区分変更が行われており、比較のため2026年3月期実績についても同様の基準で遡及補正されている。遡及補正後のパーキング事業は、売上高が7,197百万円(2026年3月期・補正後)から7,000百万円(2027年3月期予想、前期比△2.7%)、営業利益は710百万円から700百万円(同△1.4%)、営業利益率は9.9%から10.0%となる見通し。
| セグメント | 売上高(当期→予想) | 営業利益(当期→予想) | 営業利益率(当期→予想) |
|---|---|---|---|
| 特装車事業 | 135,265百万円→147,700百万円(+9.2%) | 6,298百万円→6,800百万円(+8.0%) | 4.7%→4.6% |
| 環境事業 | 18,077百万円→24,500百万円(+35.5%) | 3,334百万円→2,700百万円(△19.0%) | 18.4%→11.0% |
| パーキング事業(2027年3月期からの新区分、2026年3月期は遡及補正後) | 7,197百万円→7,000百万円(△2.7%) | 710百万円→700百万円(△1.4%) | 9.9%→10.0% |

株主還元
2027年3月期の配当予想は、中間配当60円、期末配当60円の合計120円。2026年3月末の連結貸借対照表にて試算したDOE(株主資本配当率)は約4.0%(見込み)としている。中期経営計画「2025-27」では、配当方針としてDOE4%以上の安定的な利益還元を掲げている。
中期経営計画
中期経営計画「2025-27」の基本方針では、資料の実績値との整合から、25年度実績は2026年3月期実績(売上高1,613億円と一致)、26年度予測値は2027年3月期予想(売上高1,800億円と一致)に対応する。27年度目標値(2028年3月期目標)では売上高1,900億円、長期経営ビジョンでは売上高2,000億円を掲げている。営業利益率は25年度実績5.5%、26年度予測値4.7%、27年度目標値8%、長期経営ビジョンで10%。ROEは25年度実績3.2%、26年度予測値4.4%、27年度目標値8%、長期経営ビジョンで10%としている。中計期間中の投資計画としては成長投資300億円、新規M&A投資100億円を掲げている。

※本記事は極東開発工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。