ライフネット生命保険

ライフネット生命保険、2026年3月期は保険サービス損益が拡大し日本基準で初の黒字化

決算サマリー 2026.08.30
ライフネット生命保険、2026年3月期は保険サービス損益が拡大し日本基準で初の黒字化

※本記事はライフネット生命保険が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

ライフネット生命保険は2026年3月期の決算で、IFRSベースの保険サービス損益が11,606百万円(前年度比121.2%)となり、2月発表の業績予想上方修正(11,200百万円)も上回って着地した。親会社の所有者に帰属する当期利益は8,041百万円(前年度5,993百万円)、企業価値を表す包括資本(CE)は176,149百万円(前年度末比105.4%)、保有契約年換算保険料は37,290百万円(前年度末比108.0%)となった。日本基準(J-GAAP)の経常利益・当期純利益は、資料によれば修正共同保険式再保険の強化や良好な保険金支払いにより初の黒字化を実現した。

資料は当期を「2025年度」(2025年4月から2026年3月までの1年間)と表記しているが、決算期は3月であり、本記事ではこれを2026年3月期として統一して表記する。また、2021年度の数値はIFRS移行日前のため参考値である旨が資料に注記されている。

目次

連結業績(2026年3月期 実績・IFRS)

包括資本(CE)について資料は、IFRSの連結財政状態計算書における資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)に、保険サービスを提供するにつれて認識する未稼得の利益を表す負債である「CSM」(保険契約及び再保険契約を合算し税調整後)、および団信保有契約に対する将来の更新分も含めた将来のIFRS損益の価値である「団信契約価値」を合計したものと定義している。

項目2026年3月期2025年3月期増減
保険サービス損益11,606百万円9,576百万円+2,029百万円
金融損益266百万円△33百万円+300百万円
その他の損益△483百万円△363百万円△119百万円
税引前利益11,389百万円9,179百万円+2,210百万円
親会社の所有者に帰属する当期利益8,041百万円5,993百万円+2,048百万円

保険サービス損益の変動要因として、予想保険金等と発生保険金等の差である「予想保険金等-発生保険金等」が563百万円(前年度191百万円、増減+371百万円)、リスク調整リリースが1,676百万円(同1,612百万円、+63百万円)、CSMリリースが7,871百万円(同7,440百万円、+431百万円)、再保険損益が△1,388百万円(同△929百万円、△459百万円)、団信損益が2,928百万円(同1,575百万円、+1,352百万円)などとなった。資料は個人保険・団信ともに保険金等支払が想定を下回ったことが大きく増加に寄与したとしている。

個人保険・団信の状況

保有契約年換算保険料は個人保険が28,718百万円(2025年3月末26,877百万円)、団信が8,571百万円(同7,640百万円)となり、合計37,290百万円(前年度末比108.0%)となった。個人保険の保有契約件数は686,237件(2025年3月末637,417件)、保有契約者数は428,182人(同401,897人)に増加した。

区分指標2026年3月末2025年3月末
個人保険保有契約年換算保険料28,718百万円26,877百万円
団信保有契約年換算保険料8,571百万円7,640百万円
個人保険保有契約件数686,237件637,417件
個人保険保有契約者数428,182人401,897人
重点指標サマリー
出典:ライフネット生命保険 2026年3月期 決算説明資料 P.4

日本基準(J-GAAP)の業績

日本基準の要約損益計算書では、経常収益は52,220百万円(2025年3月期41,994百万円)、うち保険料等収入は51,217百万円(同41,438百万円)となった。経常費用は49,363百万円(同45,022百万円)、経常利益は2,857百万円(2025年3月期は△3,027百万円)、当期純利益は3,406百万円(同△3,052百万円)となり、資料は修正共同保険式再保険の強化や良好な保険金支払いにより、日本基準上初の黒字化を実現したとしている。貸借対照表では総資産103,745百万円(2025年3月期末89,866百万円)、純資産22,479百万円(同18,069百万円)となった。利益剰余金は△31,290百万円(同△34,696百万円)とマイナスながら改善した。

項目(日本基準)2026年3月期2025年3月期
経常収益52,220百万円41,994百万円
保険料等収入51,217百万円41,438百万円
経常費用49,363百万円45,022百万円
経常利益2,857百万円△3,027百万円
当期純利益3,406百万円△3,052百万円
総資産103,745百万円89,866百万円
純資産22,479百万円18,069百万円
日本基準 要約損益計算書・貸借対照表
出典:ライフネット生命保険 2026年3月期 決算説明資料 P.54

健全性指標(ESR)

2026年3月末の内部ESR(経済価値ベースのソルベンシー比率)は394%(2025年3月末356%)、規制ベースのESRは333%となった。資料によれば、規制ESRは2026年3月末より法定開示となり、従来のソルベンシー・マージン比率に代わる指標となる。参考として、旧基準のソルベンシー・マージン比率は1,617%だった。

通期業績予想(2027年3月期)

2026年度(2027年3月期)の連結業績予想は、保有契約年換算保険料41,300百万円、保険収益37,500百万円、保険サービス損益11,200百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益8,200百万円としている。資料は、契約業績は着実な成長を見込む一方、前年度良好に推移した保険金等支払いの影響を除いた保険サービス損益は増加を見込むとしている。

項目2027年3月期予想2026年3月期(実績)
保有契約年換算保険料41,300百万円37,290百万円
保険収益37,500百万円34,388百万円
保険サービス損益11,200百万円11,606百万円
親会社の所有者に帰属する当期利益8,200百万円8,041百万円
2026年度連結業績予想
出典:ライフネット生命保険 2026年3月期 決算説明資料 P.18

個人保険 保有契約の内訳

個人保険の保有契約金額(死亡保障額の合計で、第三分野保険の保障額を含まない)は4,175,892百万円(2025年3月末3,966,912百万円)となった。契約種類別の内訳(2026年3月末、構成比)は、定期死亡保険が328,420件(48%)、終身医療保険・定期医療保険が190,054件(28%)、就業不能保険が75,860件(11%)、終身がん保険・定期がん保険が84,526件(12%)などとなっている。

個人保険 保有契約の内訳
出典:ライフネット生命保険 2026年3月期 決算説明資料 P.38

株主還元

配当については、中長期の収益性向上を目指して成長基盤の強化を優先することから、現時点で剰余金の配当に関する具体的な実施時期等は未定と資料に記載されている。

中期計画の進捗・トピックス

2024年度から2028年度を対象とする中期計画では、2028年度の経営目標として包括資本2,000億円~2,400億円、財務目標として1株当たりCE成長率10%程度、株価3,000円以上を掲げている。これに対する2025年度実績は、包括資本1,761億円、1株当たりCE成長率5.4%、株価2,011円(2026年3月末終値)だった。非財務目標では、エンゲージメントスコア(総合)72(2024年度実績も72)、意思決定者に占める女性の割合27.3%(目標30%以上)、30代以下の割合9.1%(目標15%以上)などとなっている。2025年9月にアドバンスクリエイト株式を戦略投資株式として取得した。日本航空(JAL)との資本業務提携により、KDDIグループ・SMBCグループに並ぶ経済圏へのアクセス拡大を図るとしている。団信事業ではグループ外初となる京都信用金庫と提携し、2026年7月から協業を開始する予定としている。東証グロース市場からプライム市場へ市場区分を変更した。

※本記事はライフネット生命保険が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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