※本記事は北川鉄工所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社北川鉄工所の2025年3月期(連結)は、売上高572億円(前期比7.0%減)、営業利益18.7億円(同11.4%増)、経常利益23.1億円(同3.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益12.4億円(同1.6%減)となった。売上高は、金属素形材事業における国内受注の減少やタイ工場の閉鎖を主因に前期比42.8億円減の572億円。営業利益は、産業機械事業及び半導体関連事業における利益率改善を主因に前期比1.9億円増の18.7億円となった。
連結業績(2025年3月期 実績)
経常利益は、持分法による投資利益が増加した一方で為替差益の減少などにより前期比0.9億円減の23.1億円。親会社株主に帰属する当期純利益は前期比0.2億円減の12.4億円となった。特別損益は、特別利益286百万円(前期783百万円、うち固定資産売却益151百万円)、特別損失271百万円(前期748百万円、うち固定資産除却損40百万円、本社再構築に伴う費用20百万円、減損損失30百万円)で、特別損益合計は15百万円(前期34百万円)となった。金属素形材事業のタイ子会社(KTC)は2023年12月をもって操業停止し、2024年内に最終出荷を完了、2025年に会社解散・固定資産売却を完了した。同事業のメキシコ子会社(KMEX)は、上期の受注増に対する人件費負担増やペソ高、下期のエンジン車向け部品出荷の低調などにより、営業利益は前期の△465百万円から△566百万円へ、当期純利益は前期の△498百万円から△794百万円へ、いずれも赤字が拡大した。
| 項目 | 2025年3月期 | 2024年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 57,280百万円 | 61,567百万円 | 7.0%減 |
| 営業利益 | 1,872百万円 | 1,680百万円 | 11.4%増 |
| 営業利益率 | 3.3% | 2.7% | 0.6pt増 |
| 経常利益 | 2,315百万円 | 2,409百万円 | 3.9%減 |
| 税金等調整前当期純利益 | 2,330百万円 | 2,444百万円 | 4.6%減 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,246百万円 | 1,267百万円 | 1.6%減 |
セグメント別(工作機器・産業機械・金属素形材・半導体関連等)の状況
工作機器事業(KGhカンパニー)は売上高90.31億円(前期比2.2%減)、営業利益4.27億円(同43.8%減、利益率4.7%で3.5pt低下)。日本国内は中小企業を中心とした設備投資の低迷や自動車産業減速によるデザインチャック販売の伸び悩みで減収(同10.5%減)、海外はインドの新規拠点を起点とした拡販や中国での大型案件受注により増収(同9.6%増)、海外売上比率は46%。パワーチャック分野では国内シェアトップクラスとしている。産業機械事業(KSTカンパニー)は売上高200.04億円(同1.3%増)、営業利益16.68億円(同46.2%増、利益率8.3%で2.5pt上昇)、受注高は198.11億円(同13.3%減)。荷役機械は高速道路リニューアル向け床版取替機やタワークレーン等が好調で増収(同36.9%増)、立体駐車場は材料費・人件費の高止まりによる計画見直しや延期の増加で減収(同21.2%減)、コンクリートプラントは生コン単価上昇によるプラント建替え需要とメンテナンス需要の取り込みで増収(同6.1%増)。中・小型建設用クレーンでは国内シェアトップクラスとしている。金属素形材事業(KMTカンパニー)は売上高247.25億円(同17.0%減)、営業利益は前期の1.02億円から1.28億円の損失に転じた(利益率△0.5%で0.8pt低下)。日本国内は自動車部品・農業機械部品の受注減少で減収(同15.9%減)、海外(タイ、メキシコ)はタイ工場閉鎖により減収(同20.0%減)。半導体関連事業は売上高25.12億円(前期13.63億円)、営業利益5.86億円(前期2.07億円、利益率23.3%)。ハードディスク製造装置の大型案件及び半導体関連の消耗品販売・受託加工が順調に推移し増収となったが、2024年4月1日付でシステム精工とケメット・ジャパンを合併し北川グレステックへ商号変更した経緯から、2024年3月期は6ヶ月分の業績となっており2025年3月期と比較対象期間が異なるため、資料では増減率の記載が省略されている。その他事業(特殊工作機械事業等)は売上高10.05億円(同29.5%減)、営業利益0.00億円(同99.9%減)で、特殊工作機械の販売一服等により減収。無人航空機(UAV)事業については事業化の見通しや商品の開発状況、商品リリース後のリスクを鑑み、事業の撤退を決定したとしている。
| セグメント | 指標 | 2025年3月期 | 2024年3月期 |
|---|---|---|---|
| 工作機器事業(KGh) | 売上高 | 9,031百万円 | 9,233百万円 |
| 工作機器事業(KGh) | 営業利益 | 427百万円 | 761百万円 |
| 産業機械事業(KST) | 売上高 | 20,004百万円 | 19,738百万円 |
| 産業機械事業(KST) | 営業利益 | 1,668百万円 | 1,141百万円 |
| 金属素形材事業(KMT) | 売上高 | 24,725百万円 | 29,804百万円 |
| 金属素形材事業(KMT) | 営業利益 | △128百万円 | 102百万円 |
| 半導体関連事業 | 売上高 | 2,512百万円 | 1,363百万円 |
| 半導体関連事業 | 営業利益 | 586百万円 | 207百万円 |
| その他事業 | 売上高 | 1,005百万円 | 1,427百万円 |
| その他事業 | 営業利益 | 0百万円 | 170百万円 |
| 合計 | 売上高 | 57,280百万円 | 61,567百万円 |
| 合計 | 営業利益 | 1,872百万円 | 1,680百万円 |


2026年3月期 業績予想
2026年3月期は、売上高583億円(前期比1.8%増)、営業利益17億円(同9.2%減)、経常利益18億円(同22.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益24億円(同92.5%増)を計画。売上高は、工作機器事業における海外売上高増加を主因に前期比10億円増の583億円の見込み。営業利益は、半導体関連事業における大型案件の完了などにより前期比1.7億円減の17億円の見込み。経常利益は、前期計上した持分法による投資利益の影響剥落などにより前期比5.1億円減の18億円の見込み。当期純利益は、固定資産売却益の計上により24億円の見込みとしている。セグメント別では、金属素形材事業(KMTカンパニー)の営業利益は前期の△128百万円から200百万円へ黒字転換を計画している。なお、米国政府による関税政策の影響を合理的に見積もることは困難なため業績予想には織り込んでおらず、今後修正の必要性が生じた場合は速やかに開示するとしている。
| 項目 | 2026年3月期(予想) | 2025年3月期(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 58,300百万円 | 57,280百万円 | 1.8%増 |
| 営業利益 | 1,700百万円 | 1,872百万円 | 9.2%減 |
| 営業利益率 | 2.9% | 3.3% | 0.4pt減 |
| 経常利益 | 1,800百万円 | 2,315百万円 | 22.3%減 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,400百万円 | 1,246百万円 | 92.5%増 |

株主還元
2025年4月18日付のプレスリリースで配当方針を変更した。変更前は「連結配当性向30%を目標とした安定した配当を継続」としていたが、変更後は「年間50円の安定配当を実施するとともに、利益に応じた段階的な連結配当性向による配当を目標に実施」する方針とし、2026年3月期の中間・期末配当から適用するとしている。段階的な連結配当性向の目安は、親会社株主に帰属する当期純利益が50億円超で配当性向40%、35億円超50億円以下で35%、15億円超35億円以下で30%(50円を下限)、15億円以下で50円を下限として還元するというもの。2025年3月期(2024年度)は、1株当たり50円の配当を実施予定(変更前の配当方針に基づく)。2026年3月期(2025年度)の1株当たり配当金は78円を計画し、配当性向は30.0%となる見込みとしている。
| 期 | 1株当たり配当金 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2022年3月期 | 50円 | 開示なし |
| 2023年3月期 | 30円 | 開示なし |
| 2024年3月期 | 40円 | 29.1% |
| 2025年3月期 | 50円 | 37.0% |
| 2026年3月期(予想) | 78円 | 30.0% |

※本記事は北川鉄工所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。