※本記事は高周波熱錬が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
高周波熱錬(ネツレン)は2026年3月期の連結決算を発表した。売上高は582億77百万円(前期比1.2%増)、営業利益は18億92百万円(同17.0%増)、経常利益は26億63百万円(同14.8%増)と増収増益となった一方、親会社株主に帰属する当期純利益は13億29百万円(同26.8%減)と減益になった。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は、取引業界の市況低迷の影響を受けたものの、コスト上昇分の販売価格への転嫁や海外拠点における販売量増加、今期から新たに連結計上した子会社(ドーケン、MDI)の売上高が寄与し増収となった。営業利益は、販売価格の改定効果や変動費改善効果、新たに連結計上した子会社業績が寄与した一方、世界的な人件費の高騰やM&A関連の株式取得関連費用の計上が下押し要因となった。特別損失は347百万円(前期766百万円)を計上し、うち257百万円は連結子会社の高周波熱錬(中国)軸承有限公司において、中国政府の要請による工場移転の時期が確定したことに伴い、閉鎖する旧工場で不要となる資産(主に建物)の帳簿価額を減額した減損損失である。前期に計上した特別利益(1,263百万円)が当期は28百万円にとどまったことも重なり、税金等調整前当期純利益・当期純利益・親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前期を下回った。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 58,277百万円 | 57,563百万円 | 1.2%増 |
| 営業利益 | 1,892百万円 | 1,617百万円 | 17.0%増 |
| 経常利益 | 2,663百万円 | 2,321百万円 | 14.8%増 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,329百万円 | 1,815百万円 | 26.8%減 |

セグメント別の状況
製品事業部関連は、土木・建築関連の工事遅延・着工遅れの継続により減収となったが、建設機械関連は販価改定や受注回復により増収、自動車向けの高強度ばね鋼線ITWは海外販売が堅調に推移し増収となった。土木・建築関連製品の価格改定進捗もあり、セグメント利益は増益となった。IH事業部関連は、受託加工で自動車業界からの受注が下期から減少に転じたことに加え、建設機械・工作機械業界の市況低迷が継続し減収、装置関係も出荷の期ずれにより減収となり、セグメント利益も減益となった。その他は、新たに連結対象としたドーケンの寄与により増収となり、M&Aによる株式取得関連費用やのれん償却費を計上したものの利益を確保した。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| 製品事業部関連 | 売上高 | 36,335百万円 | 36,568百万円 |
| 製品事業部関連 | 営業利益 | 464百万円 | 180百万円 |
| IH事業部関連 | 売上高 | 19,526百万円 | 20,851百万円 |
| IH事業部関連 | 営業利益 | 1,301百万円 | 1,377百万円 |
| その他 | 売上高 | 2,416百万円 | 143百万円 |
| その他 | 営業利益 | 122百万円 | 56百万円 |

通期業績予想
2027年3月期(資料表記は2026年度)は、土木・建築業界向けの販価改定進捗による売上の堅調な推移、海外の自動車向け高強度ばね鋼線ITWの受注増加傾向、工作機械業界の市況回復見込みなどから、売上高は640億円(前期比9.8%増)を見込む。営業利益は、土木・建築業界の販価改定後の売上増加、海外の自動車向けITWの販売量増加、工作機械業界の販売量増加の見込みなどから21億円(前期比11.0%増)を見込むとしている。経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益の具体的な予想数値は開示していない。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 640億円 | 583億円 | 9.8%増 |
| 営業利益 | 21億円 | 19億円 | 11.0%増 |

株主還元
当期の配当金の支払額は2,005百万円(前期は1,785百万円)、自己株式の取得は2,000百万円(前期同額)だった。第16次中期経営計画では、株主還元強化策として2025年度からDOE(自己資本配当率)を3.0%から4.0%以上に変更し、配当総額を46億円から61億円へ引き上げる方針、また自己株式取得を60億円実施する方針を示している。
第16次中期経営計画の進捗・目標修正
当社は、各種施策は着実に推進したものの、想定を上回る事業環境悪化の長期化(物価上昇の継続、中国経済減速の長期化、原油価格・エネルギーコストの高止まり、人手不足の深刻化、米国の関税引き上げ等)や新商品の市場投入遅れなどの追加リスク顕在化により、第16次中期経営計画(2026年度目標)の数値目標を下方修正したと発表した。売上高は当初700億円の目標から640億円(60億円の下方修正)、営業利益は当初46億円の目標から21億円(25億円の下方修正)に見直された。ROEは当初5.5%以上の目標から2.5%以上に、ROAは当初6.5%以上から3.1%以上に、ROICは当初5.5%以上から3.1%以上に、それぞれ下方修正されている。
| 項目 | 2024年3月期実績 | 2025年3月期実績 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期 当初中計目標 | 2027年3月期 修正目標 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 572億円 | 576億円 | 583億円 | 700億円 | 640億円 |
| 営業利益 | 16億円 | 16億円 | 19億円 | 46億円 | 21億円 |
| 営業利益率 | 2.9% | 2.8% | 3.2% | 6.5% | 3.3% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 2.6% | 3.0% | 2.3% | 5.5%以上 | 2.5%以上 |
| ROA(総資産経常利益率) | 3.1% | 2.8% | 3.1% | 6.5%以上 | 3.1%以上 |
| ROIC(投下資本利益率) | 2.6% | 2.7% | 2.7% | 5.5%以上 | 3.1%以上 |

※本記事は高周波熱錬が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。