※本記事はキッズウェル・バイオが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
キッズウェル・バイオ株式会社は2026年5月14日、2025年度(2026年3月期、連結)の決算補足説明資料を公表した。売上高は6,589,923千円と前年比130%(30%増)と大きく成長したものの、営業損失138,510千円、経常損失374,914千円を計上し、前期の営業利益27,882千円・経常利益5,187千円から一転して赤字に転落した。当期純損失は413,994千円となり、前期の当期純損失21,140千円から損失が拡大した。一方、単体(バイオシミラー事業)では営業利益434,161千円を確保し、安定的な採算性を維持し黒字を確保した。
業績(2026年3月期 実績)
売上高は、納品数の増加に加え、2024年度第3四半期から一部バイオシミラー原薬等の供給価格改定の影響を通期で受けたこと、2025年度第3四半期から異なる一部バイオシミラー原薬等の供給価格が改定されたこと、一部バイオシミラー原薬等の納品時期が2026年度から2025年度に1ロット前倒しになったこと等により拡大した。売上総利益は納品数の増加等により増加したものの、2024年度対比で円安水準となった為替環境の影響で製造原価が増加したこと、一部バイオシミラー原薬等の廃棄に起因して2025年度の実供給量が想定を若干下回ったことにより、粗利率は低下した。研究開発費は、優先順位付けの見直しによる投資の適正化を進める一方、主要プロジェクトの進捗に応じて必要な資金を充当した結果、前年比146%に増加した。その他販管費(固定費)は業務効率化の継続により圧縮された。これらの結果、連結ベースで営業損失・経常損失を計上し、営業外費用、特別損失発生の影響等もあり当期純損失となった。
| 項目 | 2024年度(2025年3月期)実績・連結(千円) | 2025年度(2026年3月期)実績・連結(千円) | 前年比 | 2025年度(2026年3月期)実績・単体(千円) |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,082,053 | 6,589,923 | 130% | 6,585,275 |
| 売上原価 | 3,441,934 | 4,842,527 | 141% | 4,842,527 |
| 売上総利益 | 1,640,119 | 1,747,396 | 107% | 1,742,747 |
| 販売費及び一般管理費 | 1,612,236 | 1,885,907 | 117% | 1,308,585 |
| 研究開発費 | 767,877 | 1,119,977 | 146% | 576,117 |
| その他販管費 | 844,358 | 765,929 | 91% | 732,468 |
| 営業利益(△は営業損失) | 27,882 | △138,510 | - | 434,161 |
| 経常利益(△は経常損失) | 5,187 | △374,914 | - | 352,375 |
| 当期純利益(△は当期純損失) | △21,140 | △413,994 | - | 287,653 |

貸借対照表
バイオシミラー原薬等の製造・納品・売掛金回収サイクルの短縮化およびシンジケートローンの実行により、2025年度末においても一定水準の現預金を確保した。売掛金および仕掛品は計画通りの製造・納品、売掛金回収の進捗により減少した。2024年度に一部のパートナー製薬企業との間で合意した支払条件の変更により一時的に増加していた契約負債(流動負債)は、納品の進捗に伴い減少し、シンジケートローンの実行により固定負債は増加した。当期は純損失を計上したものの、第24回新株予約権の行使完了と第4回転換社債の一部転換をはじめとする資本政策等の実行によって、純資産は前期末比で増加した。
| 項目 | 2024年度末・連結(千円) | 2025年度末・連結(千円) |
|---|---|---|
| 流動資産 | 6,700,570 | 5,840,335 |
| 現預金 | 2,995,435 | 3,294,916 |
| 売掛金 | 1,267,189 | 731,132 |
| 仕掛品 | 1,475,092 | 363,560 |
| 前渡金 | 819,857 | 1,114,493 |
| 固定資産 | 307,925 | 248,061 |
| 資産合計 | 7,008,496 | 6,088,396 |
| 流動負債 | 4,318,862 | 2,149,707 |
| 固定負債 | 1,278,655 | 2,284,771 |
| 負債合計 | 5,597,518 | 4,434,479 |
| 純資産合計 | 1,410,977 | 1,653,916 |
資金調達の状況
第24回新株予約権(発行株式数60,000個、6,000,000株)は行使が完了し、資金調達を完了した。第23回新株予約権(発行株式数13,746個、1,374,600株、行使価額104円、行使期限2028年1月)は1,374,600株(希薄化率2.65%)分の行使が進捗している。第4回転換社債(発行時5億円調達、現在の転換価額132円、償還期日2026年8月)は946,969株(希薄化率1.82%)分の転換が進捗している。2024年12月に実施したリファイナンスにより2025年1月以降、第24回新株予約権の全数行使と第4回転換社債の一部転換が完了し、株式市場からの資金調達の早期終了を目指すとしている(2026年4月末時点の発行済株式総数:49,623,419株)。また、みずほ銀行をアレンジャーとし、りそな銀行、商工組合中央金庫、日本政策金融公庫、紀陽銀行、伊予銀行が参加するシンジケートローン契約を2025年11月に締結し、既存借入金の返済資金を含む25億円(期間5年)を借り入れ、今後の事業成長資金を獲得した。
| 資金調達手段 | 第4回転換社債 | 第23回新株予約権 | 第24回新株予約権 | シンジケートローン |
|---|---|---|---|---|
| 発行株式数 | 40個(3,787,878株) | 13,746個(1,374,600株) | 60,000個(6,000,000株) | 契約締結日:11月 |
| 現在の転換/行使価額 | 132円 | 104円 | - | 借入総額:25億円 |
| 資金調達額 | 発行時に5億円調達済 | - | 6.1億円 | 期間:5年 |
| 償還期日/行使期限 | 2026年8月 | 2028年1月 | 2025年9月 | - |
| 進捗状況 | 946,969株(希薄化率1.82%) | 1,374,600株(希薄化率2.65%) | 行使完了(資金調達完了) | - |

通期業績見通し(2026年度)
2026年1月以降に販売開始されたアイリーアAG(アフリベルセプト)、アイリーアバイオシミラーの参入による市場への影響をパートナー製薬企業と精査した結果、2026年度の業績(GBS-007)に影響を及ぼす可能性が示されたため、売上高・営業利益の見通しを修正した。一方で、2025年度下期から進展した一部バイオシミラー原薬等の供給価格改定と製造原価低減品への切替による利益率改善により、2026年度の営業黒字化は計画通り達成できる見通しとしている。売上総利益の見通しは開示していない。
| 項目 | 2025年度(実績・千円) | 2026年度(見通し・千円) |
|---|---|---|
| 売上高 | 6,589,923 | 5,000,000~6,000,000 |
| 売上総利益 | 1,747,396 | 開示なし |
| 営業利益 | △138,510 | 100,000~600,000 |

開発パイプラインの進捗
バイオシミラー事業では、GBS-001(フィルグラスチム、がん、2012年11月承認)、GBS-011(ダルベポエチンアルファ、腎疾患、2019年9月承認)、GBS-007(ラニビズマブ、眼疾患、2021年9月承認)、GBS-010(ペグフィルグラスチム、がん、2023年9月承認)が上市済み。新規バイオシミラーについては、アルフレッサホールディングス、カイオム・バイオサイエンスとの共同開発における基本契約を2025年10月に締結し、Mycenax Biotech Inc.において複数の新規バイオシミラー開発が進捗中。厚生労働省の「バイオ後続品国内製造施設整備支援事業」に採択(2025年5月)され、合弁会社アルフェナックス バイオロジクス株式会社の設立に関する契約を2025年11月に締結し、秋田県での原薬・製剤製造施設の建設に着工した。
細胞治療事業(S-Quatre)では、脳性麻痺を対象とするSQ-SHED(開発コード:GCT-103)について、名古屋大学での自家SQ-SHED臨床研究の全3症例で投与後4週間の安全性評価を完了し主要評価項目を達成した。国内治験は持田製薬株式会社と協働して準備を推進中、海外治験は米国FDAとのpre-IND meetingを実施し、治験製剤製造・非臨床試験・治験計画に対する合意と助言を取得した。同種SQ-SHED(GCT-103)の米国企業治験に関しては、ヘルスケア分野の戦略・財務アドバイザリーファームであるTreehill Partners(英)と、米国新会社の共同設立に基本合意した(2026年2月)。2026年3月には、脳性麻痺を最重要適応症として再定義し、脳性麻痺を対象とする研究開発に経営資源を集中する体制へ研究開発体制を再編した。これに伴い、研究データと外部環境に応じた開発品の優先順位付けを行い、必要に応じて一部開発品の研究開発活動を中断するとしている。

※本記事はキッズウェル・バイオが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。