※本記事はダイトが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ダイト株式会社は2026年7月15日、2026年5月期(通期)の決算説明資料を公表した。連結売上高は506.5億円と前期比で微増、EBITDAは80.2億円と大幅な増益で着地した。小野薬品工業から資産承継した「オパルモン錠」の販売寄与や在庫適正化の推進による長期滞留在庫の減少が奏功し、本年4月に公表した上方修正後の業績予想を更に上回って着地した。営業キャッシュ・フローは93.7億円と過去最高を更新した。
連結業績(2026年5月期 実績)
売上高は原薬が弱含んだものの、製剤はGx製品及び受託製造(医療用)が増加し、前期比で微増となった。利益面はデータ分析の高度化やコスト構造改革のための販管費が増加したものの、低効率な商流からの脱却、長期滞留在庫の削減による在庫評価減の改善、コスト管理の徹底により売上原価が減少し、営業利益は前期比+10.1億円、+38.8%と4期ぶりの増益を確保した。原価率は82.9%から80.5%へ2.4ポイント改善した。なお、2025年6月1日を効力発生日として1株につき2株の株式分割を実施しており、EPS・1株当たり配当金は当該株式分割調整後の数値。
| 項目 | 2026年5月期(百万円) | 2025年5月期(百万円) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 50,650 | 50,643 | +0.0% |
| 売上原価 | 40,753 | 42,005 | △3.0% |
| 売上総利益 | 9,897 | 8,637 | +14.6% |
| 販管費 | 6,260 | 6,017 | +4.0% |
| 営業利益 | 3,637 | 2,619 | +38.8% |
| 経常利益 | 3,812 | 2,705 | +40.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,161 | 1,908 | +65.7% |
| EBITDA | 8,024 | 6,952 | +15.4% |
| EPS(円) | 107.49 | 62.74 | +71.3% |
| 配当金(円/株) | 40.00 | 35.00 | - |

カテゴリー別売上高
原薬は抗アレルギー剤原薬が増加した一方、主力の止血剤用原薬が減少し予算も未達となり、前期比△3.8億円、△1.7%の減少となった。製剤は商流の見直しにより商品が減少したものの、自社品Gx及び受託製造(医療用)が堅調に推移し、全体では+3.9億円、+1.4%の増加となった。
| 区分 | 2026年5月期(百万円) | 2025年5月期(百万円) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 原薬 | 22,482 | 22,872 | △1.7% |
| 自社品Gx | 18,851 | 19,255 | △2.1% |
| 受託製造 | 1,678 | 1,688 | △0.6% |
| 商品 | 1,952 | 1,928 | +1.3% |
| 製剤 | 27,984 | 27,592 | +1.4% |
| 自社品Gx | 14,407 | 14,077 | +2.3% |
| 受託製造(医療用) | 7,253 | 6,840 | +6.0% |
| 受託製造(OTC) | 2,774 | 3,009 | △7.8% |
| 商品 | 3,549 | 3,665 | △3.2% |
| 売上高合計 | 50,650 | 50,643 | +0.0% |

通期業績予想(2027年5月期)
2027年5月期は、毎年の薬価改定や原材料価格の高騰の影響等により事業環境は引き続き厳しい想定としつつも、前年度に取得した長期収載品関連資産及び新規上市品による売上拡大、製造所集約した品目の出荷開始、中国での集中購買への参加による公立病院への販路拡大により、大幅な増収を計画している。親会社株主に帰属する当期純利益は前期比5.1%減の3,000百万円を計画している。
| 項目 | 2027年5月期(予想・百万円) | 2026年5月期(実績・百万円) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 54,000 | 50,650 | +6.6% |
| EBITDA | 8,400 | 8,024 | +4.7% |
| 営業利益 | 4,000 | 3,637 | +10.0% |
| 経常利益 | 4,000 | 3,812 | +4.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,000 | 3,161 | △5.1% |
| 配当金(円/株) | 45.00 | 40.00 | +12.5% |

株主還元
自己株式については、2026年7月10日の取締役会にて発行済株式総数(自己株式を除く)の1.7%に相当する50万株の立会外買付(ToSTNeT-3)による取得を決定し、48.4万株を取得した。2027年5月期の配当は前期比5円増となる1株当たり45円を予定しており、配当性向は40%超、DOEはKGI目標の2.0%を上回る2.5%程度となる見込み。株式優待制度として、同社が監修する健康食品を特別割引価格で購入できる制度を継続する。年間配当は2021年5月期の20.9円から2026年5月期は40.0円、2027年5月期は45.0円(予定)に増加している。2022年5月期の配当金には記念配当を含む。2023年9月1日に1株につき1.1株、2025年6月1日に1株につき2株の株式分割を実施しており、表中の1株当たり配当金は分割調整後の数値。
| 期 | 年間配当(円) | うち中間配当(円) | DOE |
|---|---|---|---|
| 2021年5月期 | 20.9 | 10.5 | 1.55% |
| 2022年5月期 | 27.3 | 11.4 | 1.83% |
| 2023年5月期 | 27.3 | 13.6 | 1.75% |
| 2024年5月期 | 30.0 | 15.0 | 1.79% |
| 2025年5月期 | 35.0 | 17.5 | 2.01% |
| 2026年5月期 | 40.0 | 20.0 | 2.29% |
| 2027年5月期(予定) | 45.0 | 22.5 | 2.5%程度 |

中期経営計画「DTP2027」進捗
既存ビジネスの効率化では、品目統合のための「新・コンソーシアム構想」に計9社が加盟し、57品目の中止代替、64品目の製造所集約を実施した。後発医薬品の安定供給体制強化を目的に、他2社と共同で新会社(仮称:株式会社医薬品共創機構)を設立し、杏林製薬の後発医薬品事業を承継することで基本合意書を締結した。最終契約締結は2026年9月末、承継実行は2027年4月1日をそれぞれ予定している。中国ビジネスの強化では第11回集中購買に参画し、初年度で4,000万カプセル以上の受注を確保した。新規ビジネスへの参入では、ノーベルファーマとの提携によるオーファン新薬「NPC-29」が本年3月より第三相臨床試験を開始した。PBR1倍割れ対策として、2026年5月29日付で発行済株式数(自己株式を除く)の4.1%に相当する124.2万株、総額16.2億円の自己株式を消却したほか、2026年7月10日付で1.7%に相当する50万株の自己株式取得枠を発表した。中期経営計画「DTP2027」の最終年度(2027年5月期)のKGI目標について、前回公表の売上高56,000百万円・EBITDA10,000百万円(EBITDAマージン17.9%)から、売上高54,000百万円・EBITDA8,400百万円(同15.6%)に修正した。ROICは前回目標5.5〜6.5%から5.0〜6.0%に、ROEは7.0〜8.0%から6.0〜7.0%にそれぞれ修正した。修正要因として、不採算品再算定制度の非適用(特にドパコール配合錠)、中国市場での売上の当初計画比下振れ、利益率の低い一部商流の見直しに伴う減収、高薬理製剤の一部受託の遅れ、中東情勢の緊迫化による原材料・エネルギー高騰を挙げている。
※本記事はダイトが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。