※本記事は中山製鋼所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
中山製鋼所は2026年5月12日、2026年3月期(2025年度)決算を発表した。販売数量減少と販売価格の下落に加え、変電所事故等により減収減益となった。売上高は1,483億円(前年度比▲210億円)、営業利益は49億円(同▲35億円)、経常利益は48億円(同▲33億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億円(同▲32億円)。年間配当は前期の40円から14円へ減配した。2027年3月期(2026年度)は増収も大幅減益を予想する一方、土地売却益を特別利益に計上する見込みから当期純利益は増益、年間配当は20円へ増配する方針。
連結業績(2026年3月期 実績)
販売数量は建築関連等を中心に国内需要が低迷する中、安価な輸入鋼材の流入が続き減少した。9月の第5変電所事故による電気炉休止に伴う3Qの出荷調整分は計画どおり4Qに解消した。販売価格は需要環境が厳しい中で輸入鋼材への対抗を強いられ、建材を中心に全般的に下落した。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2025年3月期実績 | 前年度比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,483億円 | 1,693億円 | ▲210億円 |
| 営業利益 | 49億円 | 84億円 | ▲35億円 |
| 経常利益 | 48億円 | 81億円 | ▲33億円 |
| ROS(売上高経常利益率) | 3.2% | 4.8% | ▲1.6pt |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 25億円 | 57億円 | ▲32億円 |
| 年間配当/株 | 14円 | 40円 | ▲26円 |

経常利益の増減要因
経常利益は、販売価格の下落(▲81億円)が主原料価格の低下(+66億円)を上回るスプレッド悪化(前年度比▲15億円)に加え、9月26日に発生した第5変電所の送電遮断器トリップ事故に伴う電気炉休止の影響(経常利益への影響▲8億円)等の一過性要因が重なり、前年度比▲33億円の48億円となった。事故対応費用(電気炉減産影響・代替鉄源振替・設備修繕の合計16億円)のうち8億円は、恒常性のない偶発的な事故と判断し特別損失に表示区分を変更している。
通期業績予想
2027年3月期は、他社協働の具体化や電気炉材の適用拡大等の販売施策の推進及び加工製品の拡販により販売数量の増加を図るとともに、スクラップ価格や各種コストの上昇に応じた販売価格の引き上げを進め、売上高1,570億円(前年度比+87億円)の増収を見込む。一方、値上げに対する原料・各種コストの上昇の先行や、地政学リスクの高まりに伴う供給不安、さらなるコスト増加の懸念等を勘案し、経常利益は20億円(同▲28億円)と大幅減益を予想する。スプレッドは販売価格+51億円、主原料価格▲70億円により▲19億円の押し下げ要因を見込む。親会社株主に帰属する当期純利益は、新電気炉建設資金確保のための土地売却に伴う譲渡益37億円を上期の特別利益に計上する予定であることから35億円(同+10億円)の増益を見込む。年間配当は連結配当性向30%以上を引き続き目標とし、前年度比+6円の20円/株を予定する。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 2026年3月期実績 | 前年度比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,570億円 | 1,483億円 | +87億円 |
| 営業利益 | 34億円 | 49億円 | ▲15億円 |
| 経常利益 | 20億円 | 48億円 | ▲28億円 |
| ROS(売上高経常利益率) | 1.3% | 3.2% | ▲1.9pt |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 35億円 | 25億円 | +10億円 |
| 年間配当/株 | 20円 | 14円 | +6円 |

株主還元
引き続き当社長期計画の方針に従い、配当性向目標を30%以上とし、新電気炉稼働後に事業収益やキャッシュフローの状況等を踏まえて方針の変更を検討するとしている。年間配当(1株当たり)と配当性向の推移は以下のとおり。
| 期 | 年間配当/株 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2020年3月期 | 10円 | 18.6% |
| 2021年3月期 | 6円 | 13.8% |
| 2022年3月期 | 16円 | 18.0% |
| 2023年3月期 | 55円 | 29.1% |
| 2024年3月期 | 50円 | 30.4% |
| 2025年3月期 | 40円 | 38.0% |
| 2026年3月期 | 14円 | 30.8% |
| 2027年3月期(予想) | 20円 | 31.0% |

資本政策・長期計画(新電気炉建設)
新電気炉建設資金の確保に向け、連結子会社三星海運保有の土地(大阪市西区新町四丁目、賃貸駐車場、譲渡益12億9,800万円、引渡予定2026年8月)及び当社保有の土地(大阪府枚方市北山一丁目、事業用定期借地、譲渡益23億6,200万円、引渡予定2026年5月)の売却を決定した。新電気炉設備を保有するNN製鋼合同会社を2026年4月1日に日本製鉄との合弁で設立しており、日本製鉄が出資予定の245億円(最大273億円、出資比率49%)は最終的な出資総額としている。新電気炉は2026年11月に環境アセスメント完了・建設工事着工を予定し、2030年7月からホットラン(最終試運転)開始、2030年度中の操業確立・フル操業を目指すとしている。銀行借入については、資産売却の進捗状況と中長期の事業計画に基づく将来キャッシュフローの予測を踏まえ、取引金融機関との具体的交渉を継続中としている。

※本記事は中山製鋼所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。