※本記事はコスモエネルギーホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
コスモエネルギーホールディングスの2026年3月期は、経常利益1,492億円(前年差▲16億円)、在庫影響▲165億円を除いた経常利益は1,657億円(前年差▲159億円)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は740億円(前年差+163億円)で、在庫影響を除く当期純利益は855億円(+63億円)。製品輸入コストの増加があったものの、期末にかけての原油価格高騰による正のタイムラグや在庫評価損の縮小が寄与し、増益となった。2027年3月期は、ホルムズ海峡封鎖に伴う生産制約などを保守的に織り込み、経常利益1,150億円(前年差▲342億円)、当期純利益440億円(▲300億円)を計画している。
連結業績(2026年3月期 実績)
自己資本は6,062億円(前期末比+214億円)、自己資本比率は27.6%(+0.5pt)、ネットD/Eレシオは0.71倍(▲0.13)と財務体質は改善した。ROEは14.4%(+1.0pt)、ROICは8.2%(+1.3pt)、EBITDAは2,196億円(+33億円)、EPSは523円(+62円)となった(いずれも在庫影響除き)。期末配当は90円/株を予定している。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2025年3月期(実績) | 前年差 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 26,776億円 | 27,999億円 | ▲1,223億円 |
| 営業利益 | 1,448億円 | 1,282億円 | +166億円 |
| 経常利益 | 1,492億円 | 1,508億円 | ▲16億円 |
| 経常利益(在庫影響除き) | 1,657億円 | 1,816億円 | ▲159億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 740億円 | 577億円 | +163億円 |
| 当期純利益(在庫影響除き) | 855億円 | 792億円 | +63億円 |

セグメント別の状況
石油事業は原油価格上昇に伴う正のタイムラグが上回り増益となり、経常利益(在庫影響除き)は928億円(前年差+2億円)。石油開発事業は環境要因で減益となったものの、ヘイル油田の増産策により経常利益(在庫影響除き)は653億円(前年差▲171億円)。石油化学事業は市況低迷により赤字が継続したが、基礎化学品の構造改善と機能化学品の販売増により赤字幅が縮小し、経常利益(在庫影響除き)は▲31億円(前年差+19億円)。再生可能エネルギー事業は新規サイトの運転開始により経常利益(在庫影響除き)は28億円(前年差+15億円)となった。
| セグメント | 売上高(前年差) | 営業利益(前年差) | 経常利益(前年差) | 経常利益・在庫影響除き(前年差) |
|---|---|---|---|---|
| 石油事業 | 23,856億円(▲1,213) | 719億円(+209) | 763億円(+145) | 928億円(+2) |
| 石油化学事業 | 3,328億円(▲74) | ▲29億円(+12) | ▲31億円(+19) | ▲31億円(+19) |
| 石油開発事業 | 1,304億円(▲42) | 631億円(▲55) | 653億円(▲171) | 653億円(▲171) |
| 再生可能エネルギー事業 | 165億円(+32) | 26億円(+17) | 28億円(+15) | 28億円(+15) |
| その他・調整額 | ▲1,877億円(+74) | 101億円(▲17) | 79億円(▲24) | 79億円(▲24) |
| 合計 | 26,776億円(▲1,224) | 1,448億円(+166) | 1,492億円(▲16) | 1,657億円(▲159) |

通期業績予想(2027年3月期 計画)
2027年3月期は、1Q末までに中東情勢が収束し、原油生産は8月、原油調達は9月以降正常化するとの想定シナリオを前提に計画している。石油事業は高水準の原油価格が収益を下支えする一方、ホルムズ海峡封鎖に伴う生産制約で販売数量が減少し、経常利益(在庫影響除き)は560億円(前年差▲368億円)を計画。石油開発事業は負のタイムラグ影響を主因に380億円(前年差▲273億円)を計画している。前提となるドバイ原油価格は89ドル/バレル、為替レートは155円/ドルとしている。今後、前提条件に重要な変化が生じた場合は計画を見直す予定としている。
| 項目 | 2027年3月期(計画) | 2026年3月期(実績) | 前年差 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 28,700億円 | 26,776億円 | +1,925億円 |
| 営業利益 | 1,020億円 | 1,448億円 | ▲428億円 |
| 経常利益 | 1,150億円 | 1,492億円 | ▲342億円 |
| 経常利益(在庫影響除き) | 1,100億円 | 1,657億円 | ▲557億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 440億円 | 740億円 | ▲300億円 |
| 当期純利益(在庫影響除き) | 400億円 | 855億円 | ▲455億円 |

株主還元
2026年3月期の期末配当は90円/株を予定している。2027年3月期は年間配当165円/株(中間配当75円/株、期末配当90円/株)を予定している。なお、2025年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施したため、年間の1株当たり配当金予想については単純比較ができず、2026年3月期の年間配当は株式分割後換算で165円(前年差±0円)としている。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(計画) |
|---|---|---|
| 期末配当(1株当たり) | 90円 | 90円 |
| 中間配当(1株当たり) | 開示なし | 75円 |
| 年間配当(1株当たり・株式分割後換算) | 165円 | 165円 |

企業価値向上への取り組み
第7次連結中期経営計画中の成果として、ヘイル油田の増産開始、丸善石油化学のエチレン生産最適化決定などの基礎化学品事業構造改善、国産SAFの大規模生産開始、岩谷産業との資本業務提携などを進めている。岩谷産業との資本業務提携では、国産SAF・グリーンLPGサプライチェーンの構築や、水素サプライチェーンの構築(岩谷コスモ水素ステーション、コスモ岩谷水素エンジニアリング)に取り組んでいる。
※本記事はコスモエネルギーホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。