※本記事は三洋化成工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
三洋化成工業株式会社は2026年3月期の連結決算を発表した。高吸水性樹脂(SAP)事業からの撤退等により売上高は減収となったものの、製品・原料売買バランスの改善やサプライチェーン改革の効果により営業利益・経常利益は増益、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅増となった。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は1,278.5億円(前期1,422.5億円、10.1%減)と減収となったが、営業利益は100.0億円(前期84.3億円、18.6%増)、経常利益は122.5億円(前期96.7億円、26.7%増)と増益を確保した。親会社株主に帰属する当期純利益は156.3億円(前期41.5億円、276.6%増)となり、包括利益は283.6億円(前期7.2億円、39倍)に拡大した。
| 項目 | 当期(26年3月期) | 前期(25年3月期) | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,278.5億円 | 1,422.5億円 | ▲143.9億円 | ▲10.1% |
| 営業利益 | 100.0億円 | 84.3億円 | 15.6億円 | 18.6% |
| 経常利益 | 122.5億円 | 96.7億円 | 25.8億円 | 26.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 156.3億円 | 41.5億円 | 114.8億円 | 276.6% |
| 包括利益 | 283.6億円 | 7.2億円 | 276.4億円 | 39倍 |

セグメント別(産業分野別)の状況
産業分野別では、SAP事業撤退の影響で生活・健康産業関連の売上高が175.6億円(前期306.8億円)と大幅に減少し、営業利益も▲1.6億円の赤字に転じた。一方、石油・輸送機産業関連は潤滑油添加剤の伸長等により営業利益が56.2億円(前期39.7億円、+16.4億円)、情報・電気電子産業関連も半導体関連材料や非車載用途の需要増で営業利益35.9億円(前期25.3億円、+10.6億円)と伸びた。プラスチック・繊維産業関連は営業利益24.3億円(前期28.6億円、▲4.3億円)とやや減益、環境・住設産業関連他は▲1.2億円の赤字となった。セグメント合計の営業利益は100.0億円で連結営業利益と一致する。
| 産業分野 | 売上高25/3期 | 売上高26/3期 | 営業利益25/3期 | 営業利益26/3期 |
|---|---|---|---|---|
| 生活・健康産業関連 | 306.8億円 | 175.6億円 | 1.7億円 | ▲1.6億円 |
| 石油・輸送機産業関連 | 492.3億円 | 483.2億円 | 39.7億円 | 56.2億円 |
| プラスチック・繊維産業関連 | 268.3億円 | 265.0億円 | 28.6億円 | 24.3億円 |
| 情報・電気電子産業関連 | 209.1億円 | 225.1億円 | 25.3億円 | 35.9億円 |
| 環境・住設産業関連他 | 145.9億円 | 129.4億円 | 0.0億円 | ▲1.2億円 |
| 新規事業に係る研究開発費 | − | − | ▲11.2億円 | ▲13.6億円 |
| 合計 | 1,422.5億円 | 1,278.5億円 | 84.3億円 | 100.0億円 |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、国産ナフサ価格115千円/kl、為替レート155円/ドルを前提に、売上高1,500.0億円(前期比17.3%増)を見込む一方、営業利益は100.0億円(同▲0.1%)、経常利益は115.0億円(同▲6.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は90.0億円(同▲42.4%)とほぼ横ばいから減益を予想している。なお、中東情勢の緊迫化による影響は流動的なため予想には織り込んでいない。また、2027年3月期より報告セグメントを「コアマテリアル」「モビリティ」「インダストリアル」「ウェルネス」「ヘルスケア」「ホーム・パーソナルケア」「ICT」の区分に変更する予定で、新区分に基づく27年3月期予想(現時点の概算・未監査)ではコアマテリアル1,200.0億円、モビリティ720.0億円、ICT130.0億円などの売上高が開示されている。
| 項目 | 予想(27年3月期) | 前期実績(26年3月期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,500.0億円 | 1,278.5億円 | 17.3% |
| 営業利益 | 100.0億円 | 100.0億円 | ▲0.1% |
| 経常利益 | 115.0億円 | 122.5億円 | ▲6.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 90.0億円 | 156.3億円 | ▲42.4% |

株主還元
配当方針は「連結配当性向30%以上をめどに、中長期的な配当水準の向上を目指す」から「連結総還元性向40%以上を目標に、原則として累進配当(特別配当を除く1株当たり配当金を減配せず、維持または増配)を実施」へ見直された。2026年3月期の年間配当は170円(中間85.0円・期末85.0円)で、配当性向は24.0%。2027年3月期は年間175円(中間87.5円・期末87.5円、予想)、配当性向43.0%(予想)を見込む。あわせて、中期経営計画期間中に機動的な自己株式取得を実施する方針としている。
| 決算期 | 中間配当 | 期末配当 | 合計 | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年3月期 | 80.0円 | 70.0円 | 150.0円 | 45.4% |
| 2022年3月期 | 85.0円 | 85.0円 | 170.0円 | 56.0% |
| 2023年3月期 | 85.0円 | 85.0円 | 170.0円 | 66.0% |
| 2024年3月期 | 85.0円 | 85.0円 | 170.0円 | 損失計上のため算出不可 |
| 2025年3月期 | 85.0円 | 85.0円 | 170.0円 | 90.5% |
| 2026年3月期 | 85.0円 | 85.0円 | 170.0円 | 24.0% |
| 2027年3月期(予想) | 87.5円 | 87.5円 | 175.0円 | 43.0% |

中期経営計画2030
2026年度を始期とする「中期経営計画2030」では、2030年度に売上高1,600億円、営業利益200億円、営業利益率12%以上、純利益140億円、ROIC7%以上、ROE8%以上を目標とする。通過点となる2028年度は売上高1,400億円、営業利益140億円、営業利益率10%以上を掲げている。5カ年累計で戦略的成長投資を中心に約1,500億円の投資を計画し、株主資本コストは7.5%前後としたうえでROEを2025年度実績5.3%(特殊要因調整後)から2030年度に8.0%以上へ引き上げることを目指す。
※本記事は三洋化成工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。