※本記事はIHIが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
IHIの2025年度(2026年3月期)は、原子力等エネルギー分野での需要拡大により受注高が過去最高の1兆9,547億円となったほか、防衛や原子力の成長・資産売却等が構造改革費用をカバーし、売上収益・営業利益も過去最高を更新した。収益力向上に伴う税効果の改善も寄与し、親会社所有者帰属当期利益は1,609億円と大きく増益し過去最高を達成した。2026年度(2027年3月期)は民間エンジン・防衛の拡大や計画的な資産売却により、売上収益・営業利益・当期利益とも3期連続で過去最高を見込む。
連結業績(2025年度 実績)
受注高・売上収益・営業利益・税引前利益・親会社所有者帰属当期利益の全てで過去最高値を達成。採算が悪化したエネルギー海外事業を中心に構造改革を徹底する一方、運搬機械事業等の譲渡益を含む資産売却や収益性改善が寄与し、過去最高の営業利益となった。
| 項目 | 2025年度(当期) | 2024年度(前期) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 1兆9,547億円 | 1兆7,511億円 | +2,036億円(+11.6%) |
| 売上収益 | 1兆6,434億円 | 1兆6,268億円 | +165億円(+1.0%) |
| 営業利益(利益率) | 1,655億円(10.1%) | 1,435億円(8.8%) | +220億円(+1.3pt) |
| 税引前利益(利益率) | 1,854億円(11.3%) | 1,384億円(8.5%) | +470億円(+2.8pt) |
| 親会社所有者帰属当期利益(利益率) | 1,609億円(9.8%) | 1,127億円(6.9%) | +482億円(+2.9pt) |
| EBITDA(利益率) | 2,418億円(14.7%) | 2,156億円(13.3%) | +262億円(+1.4pt) |
| EPS | 151.88円 | 106.41円 | +45.47円 |
| 営業キャッシュ・フロー | 1,213億円 | 1,776億円 | ▲562億円 |
| ROE | 28.4% | 26.3% | +2.1pt |
| ROIC | 11.0% | 10.5% | +0.5pt |
セグメント別の状況
報告セグメントは「資源・エネルギー・環境」「社会基盤」「産業システム・汎用機械」「航空・宇宙・防衛」の4区分。航空・宇宙・防衛は民間エンジンのアフターマーケット事業拡大や防衛の増益があったものの、研究費等の先行投資で営業利益率は22.1%から17.3%に低下。産業システム・汎用機械は事業譲渡益や車両過給機等の収益性向上により大幅増益。社会基盤は橋梁・水門の収益性改善等で黒字転換。資源・エネルギー・環境は海外プロジェクトの採算悪化に伴う構造改革費用等により営業利益が減少した。
| セグメント | 指標 | 2025年度(当期) | 2024年度(前期) |
|---|---|---|---|
| 資源・エネルギー・環境 | 受注高 | 6,247億円 | 3,703億円 |
| 資源・エネルギー・環境 | 売上収益 | 3,767億円 | 4,114億円 |
| 資源・エネルギー・環境 | 営業利益(率) | 59億円(1.6%) | 161億円(3.9%) |
| 社会基盤 | 受注高 | 1,332億円 | 1,504億円 |
| 社会基盤 | 売上収益 | 1,319億円 | 1,460億円 |
| 社会基盤 | 営業利益(率) | 37億円(2.8%) | ▲42億円(▲2.9%) |
| 産業システム・汎用機械 | 受注高 | 4,505億円 | 4,848億円 |
| 産業システム・汎用機械 | 売上収益 | 4,607億円 | 4,844億円 |
| 産業システム・汎用機械 | 営業利益(率) | 307億円(6.8%) | 108億円(2.2%) |
| 航空・宇宙・防衛 | 受注高 | 7,031億円 | 7,199億円 |
| 航空・宇宙・防衛 | 売上収益 | 6,517億円 | 5,557億円 |
| 航空・宇宙・防衛 | 営業利益(率) | 1,124億円(17.3%) | 1,227億円(22.1%) |

通期業績予想(2026年度)
民間エンジン・防衛は受注が拡大するものの、エネルギー事業の前期大型案件の反動により受注高は減少する見通し。一方で民間エンジン・防衛の大幅な成長や計画的な資産売却により、売上収益・営業利益・当期利益は3期連続で過去最高値を更新する見込み。前提為替レートは145.00円/USD(1円当たりの感応度は20億円、PW1100G-JMエンジン追加検査プログラムの為替影響を除く)。
| 項目 | 2026年度(予想) | 2025年度(実績) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 1兆7,600億円 | 1兆9,547億円 | ▲1,947億円 |
| 売上収益 | 1兆8,300億円 | 1兆6,434億円 | +1,865億円 |
| 営業利益(利益率) | 2,400億円(13.1%) | 1,655億円(10.1%) | +744億円(+3.0pt) |
| 税引前利益(利益率) | 2,300億円(12.6%) | 1,854億円(11.3%) | +445億円 |
| 親会社所有者帰属当期利益(利益率) | 1,650億円(9.0%) | 1,609億円(9.8%) | +40億円 |
| EBITDA(利益率) | 3,200億円(17.5%) | 2,418億円(14.7%) | +781億円(+2.8pt) |
| EPS | 155.09円 | 151.88円 | +3.21円 |
| 前提為替レート(USD) | 145.00円 | 151.09円 | ▲6.09円 |

株主還元
1株当たり配当の持続的な成長を目指す方針。2025年度の配当は20.00円/株(中間10.00円・期末10.00円)で、2026年度は23.00円/株(中間11.50円・期末11.50円)を予想している。配当額は2025年10月の株式分割(7分割)から過去にわたり遡及修正した数値。
| 項目 | 2026年度(予想) | 2025年度(実績) | 2024年度(実績) |
|---|---|---|---|
| 1株当たり配当金(中間/期末) | 23.00円(11.50円/11.50円) | 20.00円(10.00円/10.00円) | 17.14円(7.14円/10.00円) |

キャピタル・アロケーション(中期計画トピック)
新たな中期計画「キャピタル・アロケーション(FY2026-FY2028)」では、投資総額6,500億円(研究開発費1,600億円含む)を計画。前中期「グループ経営方針2023」(FY2023-FY2025)の投資総額4,097億円(研究開発費1,130億円含む)から拡大し、中長期の成長が見込める民間エンジン・防衛・原子力事業や、育成事業(アンモニア・宇宙)に優先的に資金を配分する。前中期は営業利益率7.5%・ROIC8%以上の経営目標を前倒しで達成したが、CCC目標100日に対し実績109日と未達であったと総括している。事業ポートフォリオ改革では、汎用ボイラ・運搬システム・コンクリート建材・交通システム・気象防災宇宙・カーボンソリューション(海外)・物流産業システムなど複数事業の譲渡・清算を進めている。

※本記事はIHIが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。