※本記事はヤマハが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ヤマハ株式会社の2026年3月期は、中国市況の低迷や欧米でのプロフェッショナル音響機器の高需要一巡があったものの、楽器の販売回復と為替の円安により売上収益は4,653億円(前期比+0.7%)と前期並みとなった。一方、事業利益は米国追加関税の影響、部品・原材料費の高騰、デジタルミキサー販売減によるミックス変化等により319億円(同△13.2%)と減益。当期利益は237億円(同+77.7%)と増益となった。2027年3月期は外部環境に不透明感があるものの、売上収益は全地域で成長軌道に戻し増収を、事業利益・当期利益とも増益を見込む。
業績(2026年3月期 実績)
売上収益は4,653億円(前期比+33億円、+0.7%)。事業利益は319億円(事業利益率6.9%、前期比△48億円、△13.2%)で、為替影響を除くと前期比0%。当期利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)は237億円(前期比+104億円、+77.7%)となった。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 4,653億円 | 4,621億円 | +33億円(+0.7%) |
| 事業利益(事業利益率) | 319億円(6.9%) | 367億円(7.9%) | △48億円(△13.2%) |
| 当期利益 | 237億円 | 134億円 | +104億円(+77.7%) |
事業別の状況(2026年3月期 実績)
楽器事業はピアノを除く全カテゴリーで増収となり、売上収益3,049億円(前期比+88億円)、事業利益212億円(同△9億円、事業利益率7.0%)。音響機器事業はプロフェッショナル・モビリティ音響機器の増収一服等により売上収益1,424億円(同△53億円)、事業利益108億円(同△36億円、事業利益率7.6%)。その他の事業は自動車用内装部品・FA機器が増収となる一方、ゴルフ用品の販売終了を決定し、売上収益180億円(同△3億円)、事業利益は△1億円となった。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| 楽器事業 | 売上収益 | 3,049億円 | 2,961億円 |
| 楽器事業 | 事業利益(事業利益率) | 212億円(7.0%) | 221億円(7.5%) |
| 音響機器事業 | 売上収益 | 1,424億円 | 1,478億円 |
| 音響機器事業 | 事業利益(事業利益率) | 108億円(7.6%) | 143億円(9.7%) |
| その他の事業 | 売上収益 | 180億円 | 182億円 |
| その他の事業 | 事業利益(事業利益率) | △1億円(△0.6%) | 3億円(1.6%) |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、売上収益4,900億円(前期比+247億円、+5.3%)、事業利益380億円(事業利益率7.8%、同+61億円、+19.2%)、当期利益280億円(同+43億円、+18.0%)を予想する。事業別では楽器事業が売上収益3,220億円・事業利益240億円、音響機器事業が売上収益1,500億円・事業利益130億円、その他の事業が売上収益180億円・事業利益10億円を見込む。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 4,900億円 | 4,653億円 | +247億円(+5.3%) |
| 事業利益(事業利益率) | 380億円(7.8%) | 319億円(6.9%) | +61億円(+19.2%) |
| 当期利益 | 280億円 | 237億円 | +43億円(+18.0%) |

株主還元
1株あたりの年間配当は2026年3月期26円、配当性向49.3%。2027年3月期予想も配当26円(配当性向40.8%)とする方針。総還元性向は135.1%(目標は50%以上)。ROEは2026年3月期5.1%(株主資本コスト6.5%)、ROICは4.5%(WACC6.3%)で、いずれも資本コストを下回る水準にあり、収益性の改善と株主還元の着実な実行によりROEの向上を目指すとしている。政策保有株式の貸借対照表計上額は2026年3月末時点で411億円(資本合計に対する比率8.6%)。

中期経営計画「Make Waves 2.0 Rebuild & Evolve」
中期経営計画1年目は、中国市場の低迷や関税・コストアップ等の外部環境の影響を受け財務目標(売上成長率CAGR、ROE、事業利益率)は未達となったが、課題事業の構造改革、体験・サービスの付加価値拡大、新規事業創出は計画通り進捗した。アコースティックピアノ生産拠点の再編完了、ギターの売上成長継続と収益性改善、ホームオーディオの絞り込みと外部委託生産拡大などが進んだ一方、コストアップの打ち返しが不十分という課題も残る。2年目は外部環境の変化に迅速に対応してコストアップを打ち返し成長軌道への回帰を実現するとともに、既存事業の利益構造改善と新規事業創出のための投資加速を進める方針。

※本記事はヤマハが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。