※本記事はJX金属が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
JX金属(5016)は2026年3月期(2025年度)通期決算で、売上高8,846億円(前期比+24%)、営業損益1,750億円(同+56%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,046億円(同+53%)を計上した。AIデータセンター関連需要の拡大に伴うフォーカス事業(半導体材料・情報通信材料)の増販や銅価上昇等が主因。
2026年度(2027年3月期)の通期見通しは営業損益1,900億円(前期比+9%)を計画。増益に伴い1株当たり配当金は31円(前期27円)に増配した。
連結業績(当期 実績)
2025年度(2026年3月期)は、フォーカス事業の売上高が4,959億円(前期比+20%)、営業損益が710億円(同+37%)となったほか、ベース事業も銅価上昇等により営業損益1,395億円(同+87%)と大幅増益となった。全社の営業損益は前期比+625億円の1,750億円。税引前利益は1,691億円(同+57%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,046億円(同+53%)だった。前提条件は為替151円/USD(前期153円)、LME銅価平均491¢/lb(前期425¢/lb)。
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 8,846億円 | 7,149億円 | +1,697億円 (+24%) |
| 営業損益 | 1,750億円 | 1,125億円 | +625億円 (+56%) |
| 税引前利益 | 1,691億円 | 1,075億円 | +616億円 (+57%) |
| 当期利益 | 1,287億円 | 814億円 | +473億円 (+58%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,046億円 | 683億円 | +363億円 (+53%) |
セグメント別の状況
事業セグメント別では、半導体材料セグメントが売上高1,772億円(前期比+20%)・営業損益395億円(同+48%)、情報通信材料セグメントが売上高3,187億円(同+20%)・営業損益315億円(同+25%)、基礎材料セグメントが売上高4,079億円(同+33%)・営業損益1,395億円(同+87%)と、いずれも増収増益となった。半導体材料はAIデータセンター向け半導体用ターゲットやインジウムリン(InP)基板等の販売好調、基礎材料は銅価上昇やカセロネス銅鉱山の税効果影響等が主因。事業共通費用等は営業損益▲355億円(前期▲138億円)。
| セグメント | 指標 | 当期 | 前期 |
|---|---|---|---|
| 半導体材料 | 売上高 | 1,772億円 | 1,480億円 |
| 半導体材料 | 営業損益 | 395億円 | 267億円 |
| 情報通信材料 | 売上高 | 3,187億円 | 2,651億円 |
| 情報通信材料 | 営業損益 | 315億円 | 251億円 |
| 基礎材料 | 売上高 | 4,079億円 | 3,065億円 |
| 基礎材料 | 営業損益 | 1,395億円 | 745億円 |
| 事業共通費用等 | 売上高 | ▲192億円 | ▲47億円 |
| 事業共通費用等 | 営業損益 | ▲355億円 | ▲138億円 |

通期業績予想
2026年度(2027年3月期)の連結業績見通しは、売上高9,300億円(前期比+5%)、営業損益1,900億円(同+9%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,140億円(同+9%)。フォーカス事業はAIデータセンター関連需要の拡大継続や販売単価改善等により営業損益820億円(同+15%)へ増益を見込む一方、ベース事業は前期計上のカセロネス銅鉱山権益譲渡に伴う税効果影響等の反動や中東危機影響▲70億円等により営業損益1,240億円(同▲11%)を見込む。前提為替は150円/USD、LME銅価は平均520¢/lb。
| 項目 | 予想 | 前期(実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 9,300億円 | 8,846億円 |
| 営業損益 | 1,900億円 | 1,750億円 |
| 税引前利益 | 1,780億円 | 1,691億円 |
| 当期利益 | 1,400億円 | 1,287億円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,140億円 | 1,046億円 |

株主還元
2025年度(2026年3月期)の1株当たり配当金は31円(中間6円・期末25円)となり、前期27円(中間6円・期末21円)から増配、配当性向は27%(前期24%)。従来の配当方針は連結配当性向20%程度を基本に、銅価が想定対比で上昇し利益が上振れた分の一部も還元する方針だったが、還元方針の予見性向上や東邦チタニウムの完全子会社化を踏まえ、今後は連結配当性向25%程度を基本とし配当の下限を20円/株とする方針に変更した。2026年度(2027年3月期)は多額の自己株式取得を行うため、配当は下限の20円/株(中間10円・期末10円、配当性向16%、参考:総還元性向約235%)とする予定。あわせて、ENEOSホールディングスが保有する当社普通株式を対象とした自己株式の公開買付け(自己株TOB、取得額2,500億円想定)、および調達資金を自己株TOBに充当する2,500億円規模の転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行を決定した。
| 項目 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) |
|---|---|---|
| 1株当たり配当金(通期) | 31円 | 27円 |
| 中間配当 | 6円 | 6円 |
| 期末配当 | 25円 | 21円 |
| 配当性向 | 27% | 24% |

中期経営計画/トピック
中長期事業目標では、2026年度の連結営業利益1,900億円(2023年度対比CAGR 30%)、フォーカス事業営業利益820億円(同44%)を計画。ROEは2026年度見通し17.1%(2027年度目標10%以上)、NET Debt/EBITDA倍率は2026年度見通し1.9倍(2027年度目標1.5倍未満)。トピックとしては、ひたちなか新工場の開業、東邦チタニウム株式会社の完全子会社化(株式交換、2026年6月1日予定)、Rapidus株式会社への出資、カナダFireweed Metals Corp.への出資、チリ・カセロネス銅鉱山の一部権益およびフロンテラ地域における銅鉱山開発プロジェクト権益の譲渡(約340億円)等を挙げている。

※本記事はJX金属が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。