※本記事は京セラが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
京セラの2026年3月期(2025年4月~2026年3月)連結業績は、売上高2兆702億円(前期比2.8%増)、営業利益1,181億円(同332.8%増)、税引前利益1,690億円(同165.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,410億円(同485.0%増)となった。前期に計上した半導体部品有機材料事業の減損損失(約430億円)の反動に加え、サザンカールソン社(米国子会社)譲渡に伴う一時利益(約170億円)の計上、増収効果や構造改革の進展等により大幅増益となった。2027年3月期は売上高1兆9,400億円(同6.3%減)、営業利益1,300億円(同10.0%増)を見込む。年間配当金は1株当たり52円(前期比2円増配)とした。
連結業績(当期 実績)
営業利益・税引前利益は、2025.3期に計上した半導体部品有機材料事業の有形固定資産の減損損失等(約430億円)の反動に加え、サザンカールソン社譲渡に伴う利益(約170億円)の計上等、一時損益の影響(合計で前期比約485億円のプラス)により大幅増益となった。親会社の所有者に帰属する当期利益には、上記一時損益の税効果考慮後の影響(約380億円改善)に加え、前期に計上した海外子会社における繰延税金資産の取り崩し等の反動(約180億円)、KDDI株式売却に伴う税金費用の調整(約120億円)等も寄与した。平均為替レートは米ドル151円(前期153円)、ユーロ175円(前期164円)。EPSは102.70円(前期17.11円)。
| 項目 | 2026.3期 | 2025.3期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,070,203百万円 | 2,014,454百万円 | +55,749百万円(+2.8%) |
| 営業利益 | 118,138百万円(5.7%) | 27,299百万円(1.4%) | +90,839百万円(+332.8%) |
| 税引前利益 | 168,994百万円(8.2%) | 63,631百万円(3.2%) | +105,363百万円(+165.6%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 140,969百万円(6.8%) | 24,097百万円(1.2%) | +116,872百万円(+485.0%) |
| EPS | 102.70円 | 17.11円 | ― |
セグメント別の状況
コアコンポーネントは、情報通信関連市場向けセラミックパッケージやデータセンター向け有機パッケージ等、半導体関連部品事業の販売増を主因に増収。利益は増収効果・構造改革効果に加え、一時損失の減少により大幅増益となった。電子部品は、KAVXグループにおける車載市場・情報通信関連市場向けコンデンサ等の販売増が円高進行による減収影響を上回り増収。利益はシリコンダイオード・パワー半導体事業の譲渡に伴う一時損失(約15億円)があったものの、KAVXグループの増収や構造改革の効果により増益となった。ソリューションは、サザンカールソン社(米国子会社)の譲渡完了に伴う減収(約270億円)を主因に減収となったが、利益は同社譲渡に伴う一時利益(約170億円)の計上及び各事業の収益改善等により大幅増益となった。
| セグメント | 指標 | 2026.3期 | 2025.3期 |
|---|---|---|---|
| コアコンポーネント | 売上高 | 653,429百万円 | 591,720百万円 |
| コアコンポーネント | 税引前利益 | 63,082百万円 | -1,889百万円 |
| 電子部品 | 売上高 | 363,486百万円 | 354,646百万円 |
| 電子部品 | 税引前利益 | 7,316百万円 | -818百万円 |
| ソリューション | 売上高 | 1,070,919百万円 | 1,086,367百万円 |
| ソリューション | 税引前利益 | 103,943百万円 | 73,696百万円 |
| 連結合計 | 売上高 | 2,070,203百万円 | 2,014,454百万円 |
| 連結合計 | 税引前利益 | 168,994百万円 | 63,631百万円 |

通期業績予想
2027年3月期は、原材料価格の高騰や地政学リスク等によりマクロ経済の不透明感が継続すると想定。半導体関連市場ではAI関連投資の加速が見込まれる一方、自動車関連市場は減速すると見ており、2026.3期下期の状況を踏まえた原材料価格上昇等の影響を業績予想に反映した。売上高は1兆9,400億円(前期比6.3%減)を見込むが、これは主にサザンカールソン社譲渡に伴う売上減が要因。営業利益は1,300億円(同10.0%増)、税引前利益は1,700億円(同0.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,410億円(同0.0%増)を計画。設備投資額は2,250億円(同50.9%増)を予定する。
| 項目 | 2027.3期予想 | 2026.3期(実績) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,940,000百万円 | 2,070,203百万円 | -130,203百万円(-6.3%) |
| 営業利益 | 130,000百万円(6.7%) | 118,138百万円(5.7%) | +11,862百万円(+10.0%) |
| 税引前利益 | 170,000百万円(8.8%) | 168,994百万円(8.2%) | +1,006百万円(+0.6%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 141,000百万円(7.3%) | 140,969百万円(6.8%) | +31百万円(+0.0%) |
| EPS | 102.73円 | 102.70円 | ― |
| 平均為替レート(米ドル/ユーロ) | 150円/175円 | 151円/175円 | ― |

株主還元
配当方針は、連結業績の親会社の所有者に帰属する当期利益の範囲を目安とすることを原則とし、連結配当性向を50%程度の水準で維持するというもの。2026.3期の年間配当金は1株当たり52円(中間25円+期末27円、配当性向50.6%)とし、前回予想(2025年10月公表)から1株当たり2円増配した。自己株式取得は、2025年5月に決議した2,000億円の取得が2026年3月に完了(取得実績:約91百万株/約2,000億円)。政策保有株式については、2025年6月にKDDI㈱の自社株TOBにより同社株式を売却(売却実績:約108百万株/約2,500億円)し、政策保有株式の純資産比率(KDDI株以外も含む)は2025.3期末51.6%から2026.3期末48.3%に低下、2031.3期末に20.0%未満とすることを目標に縮減を継続する。2027年3月期は、配当指標を「株主資本に対する配当金の比率(DOE)」に変更し、1株当たり配当金を維持もしくは増額する「累進配当」を採用(2027.3期・2028.3期のDOE水準は3.5%程度)。2027.3期の年間配当金予想は1株当たり56円(中間28円+期末28円、前期比4円増配)。自己株式取得も2027.3期に約2,500億円を予定するほか、2026.3期の取得により増加した自己株式(消却前:約193百万株、発行済株式数比12.78%)について、消却後:約102百万株(同7.17%)まで消却する予定。
| 期 | 1株当たり配当金 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2023.3期 | 50円 | 56.1% |
| 2024.3期 | 50円 | 69.9% |
| 2025.3期 | 50円 | 292.2%※ |
| 2026.3期(実績) | 52円 | 50.6% |
| 2027.3期(予想) | 56円 | 開示なし(DOE指標に変更、DOE3.5%程度) |

中期経営計画/トピック
京セラはROE目標として、2026.3期~2028.3期を「経営基盤の再構築」、2029.3期~2031.3期を「事業成長の推進」の期間と位置付け、2025.3期実績ROE0.7%から、2026.3期実績4.3%、2027.3期予想4.3%、2028.3期目標5.0%以上、2031.3期目標8.0%以上を経て、将来目標としてROE10.0%以上・時価総額5兆円超を目指す。2027.3期・2028.3期の2か年のキャピタルアロケーション目標として、営業キャッシュフロー(研究開発費控除前)約8,000億円に対し、事業投資約7,500億円(うち設備投資約4,000億円、研究開発費約2,500億円、成長投資約1,000億円)、株主還元等約6,500億円(うち自己株式取得最大5,000億円、配当金約1,500億円)を計画。資金の裏付けとして保有株式売却収入及び負債活用等約6,000億円を見込む。なお、2026年11月下旬に事業戦略説明会を開催し、ROE目標達成に向けた経営計画を公表予定としている。

※本記事は京セラが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。