※本記事は不二製油が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
不二製油は2026年3月期(2025年度)の通期決算を発表した。国際財務報告基準(IFRS)を任意適用したうえで、売上高は7,723億円(前期比+1,011億円)、事業利益は360億円(同+228億円)となり過去最高益を達成した。業務用チョコレート事業のブラマーで減損損失や繰延税金資産の取崩しを計上したものの、植物性油脂事業の伸長やカカオ特殊要因の費用減少により、親会社の所有者に帰属する当期利益は111億円(同+73億円)となった。2027年3月期(2026年度)は売上高7,540億円、事業利益375億円を計画している。
連結業績(2026年3月期 実績)
植物性油脂事業及び業務用チョコレート事業の原材料価格上昇に伴う販売価格の上昇により増収した。事業利益は、業務用チョコレート事業でブラマーに係る減損損失の計上、繰延税金資産の取崩しを実施したが、植物性油脂事業の伸長やブラマーでのカカオ特殊要因の費用減少により増益となった。当期利益は、植物性油脂事業のチョコレート用油脂(CBE)の堅調な販売や、業務用チョコレート事業ブラマーでのカカオ特殊要因の費用減少を主因に増益した。なお、ブラマーに係るのれんの減損損失41億円と繰延税金資産の取崩し51億円、計93億円を計上している。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,723億円 | 6,712億円 | +1,011億円 |
| 事業利益 | 360億円 | 133億円 | +228億円 |
| (内)ブラマーのカカオ特殊要因 | ▲104億円 | ▲305億円 | +201億円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 111億円 | 39億円 | +73億円 |

セグメント別(事業別)の状況
植物性油脂事業は、上期の原材料価格の安定に伴い原料差益を確保したほか、チョコレート用油脂(CBE)の販売が堅調に推移し、販売価格の上昇も増益に寄与した。業務用チョコレート事業は、コンパウンドチョコレートの販売が堅調に推移する一方、ブラマーは米国チョコレート消費の減退に伴いピュアチョコレートの販売数量が減少したが、価格適正化とカカオ特殊要因の費用減少により増益となった。乳化・発酵素材事業は原材料価格の上昇やアジアでの需要低迷に伴う販売数量の減少により減益、大豆加工素材事業は機能剤の販売数量が減少した。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| 植物性油脂事業 | 売上高 | 2,711億円 | 2,073億円 |
| 植物性油脂事業 | 事業利益 | 334億円 | 268億円 |
| 業務用チョコレート事業 | 売上高 | 3,709億円 | 3,347億円 |
| 業務用チョコレート事業 | 事業利益 | 24億円 | ▲142億円 |
| 乳化・発酵素材事業 | 売上高 | 974億円 | 943億円 |
| 乳化・発酵素材事業 | 事業利益 | 11億円 | 17億円 |
| 大豆加工素材事業 | 売上高 | 329億円 | 349億円 |
| 大豆加工素材事業 | 事業利益 | ▲9億円 | ▲8億円 |
ブラマー(米国子会社)の状況
米国子会社ブラマーの2026年3月期実績は、売上高1,843億円、事業利益▲114億円(うちカカオ特殊要因▲104億円、カカオ特殊要因を除く事業利益▲10億円)だった。米国のチョコレート消費減退によりピュアチョコレートの販売数量は減少したが、価格適正化とカカオ特殊要因の費用減少により損失は縮小した。2027年3月期(2026年度)はコンパウンド製品の拡販により、売上高1,621億円(前期比▲222億円)、事業利益30億円(前期比+144億円)を計画している。
通期業績予想
2027年3月期(2026年度)は、原材料価格の変動などの外部環境の変化が見られるものの、業務用チョコレート事業での利益伸長を中心に増益を計画している。植物性油脂事業はチョコレート用油脂(CBE)の堅調な販売を見込むが、2026年3月期上期を中心に確保した原料差益を織り込まず減益を計画。業務用チョコレート事業はブラマーにおける収益性改善に加え、各エリアで稼働を予定している新設備の効果により増益を計画している。乳化・発酵素材事業は挑戦領域製品群の販売拡大により、大豆加工素材事業は高付加価値製品の拡販による収益性改善を中心に、それぞれ増益を計画している。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,540億円 | 7,723億円 | ▲183億円 |
| 事業利益 | 375億円 | 360億円 | +15億円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 195億円 | 111億円 | +84億円 |

株主還元
配当については、2026年3月期は期初計画どおり年間52円とした。2027年3月期は利益伸長に伴い年間10円増配となる62円を計画している。配当方針は配当性向30%〜40%を目安に、安定的かつ継続的な配当を実施するとしている。
| 決算期 | 1株当たり年間配当金 | 前期比 |
|---|---|---|
| 2026年3月期(実績) | 52円 | 期初計画どおり |
| 2027年3月期(予想) | 62円 | 年間10円増配 |

中期経営計画の進捗
2027年3月期を最終年度とする中期経営計画では、事業利益450億円、ROE10.0%以上、FUJI ROIC6.0%以上を目標に掲げる。2026年3月期は事業利益360億円(過去最高)、ROE5.0%、FUJI ROIC5.1%を達成し、2027年3月期は事業利益375億円、ROE7.9%、FUJI ROIC5.1%を計画するなど、目標達成に向けて進捗している。業務用チョコレート事業の利益成長により、事業利益450億円の達成を目指すとしている。

※本記事は不二製油が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。