森永乳業

森永乳業、2026年3月期は営業利益345億円で過去最高益 2027年3月期は減益予想

決算サマリー 2026.08.23
森永乳業、2026年3月期は営業利益345億円で過去最高益 2027年3月期は減益予想

※本記事は森永乳業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

森永乳業は2026年3月期の連結業績で、営業利益345億円(前期比+48億円、+16.3%)を計上し、計画対比でも+15億円上回る過去最高益を達成した。海外事業がMILEI社を中心に大幅増益となり、利益構成比は前期の25%から49%に高まった。一方、国内事業は数量減や原材料・オペレーションコストの増加が続くなか、価格改定やプロダクトミックス改善などで実質的に計画水準を確保した。配当は当初予想の93円から100円へ増配して着地した。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

売上高は5,715億円(前期比+103億円、+1.8%)、営業利益は345億円(同+48億円、+16.3%)、経常利益は371億円(同+73億円、+24.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は226億円(同+171億円、+313.9%)となった。売上高営業利益率は6.0%(前期5.3%)、ROEは8.4%(前期2.0%)、ROICは6.3%(前期5.7%)、海外売上高比率は15.3%(前期12.5%)。特別損益では、前期25/3期に海外子会社減損損失等△201億円を計上した反動があり、26/3期は退職給付制度終了益+22億円などを特別利益に、森永北陸乳業富山工場の生産中止に伴う減損損失△36億円などを特別損失に計上した。

項目2026年3月期2025年3月期前年差
売上高5,715億円5,612億円+103億円(+1.8%)
営業利益345億円297億円+48億円(+16.3%)
経常利益371億円299億円+73億円(+24.3%)
親会社株主に帰属する当期純利益226億円55億円+171億円(+313.9%)

セグメント別(国内・海外)の状況

国内事業の営業利益は175億円(前期比△47億円、計画差△15億円)となった。2024年夏以降続く食品価格高騰を背景とした数量マイナス環境は継続したが、原材料・オペレーションコスト等の増加に対する価格改定やプロダクトミックス改善などの取組を実行した。資産取得にかかる費用やB/S適正化に向けた在庫処理など一時費用として約15億円を計上しており、この影響を除くと実質的に計画水準の着地となった。ヨーグルトは「ビヒダス」「パルテノ」がけん引し下期に増収転換、アイスは製造能力増強により増収を継続、業務用乳製品(BtoB)も大きく貢献した。海外事業の営業利益は170億円(前期比+95億円、計画差+30億円)となった。MILEI社がホエイたんぱく市況の好況を背景に大幅増収増益となったほか、成長領域の菌体(育児用ミルク・サプリ向け)も増収拡大、パキスタンの育児用ミルクも現地製造品を中心に拡大した。転換領域の米国事業は赤字幅が縮小した。円安影響やのれん等の減少も寄与し、全体で計画を大きく上回った。海外事業の利益構成比は前期の25%から49%に上昇した。

セグメント指標2026年3月期2025年3月期
国内事業売上高4,840億円4,913億円
国内事業営業利益175億円222億円
海外事業売上高875億円699億円
海外事業営業利益170億円75億円
2026年3月期決算業績サマリー(売上高・営業利益・経常利益・当期純利益)
出典:森永乳業 2026年3月期 決算説明資料 P.4

通期業績予想(2027年3月期)

2027年3月期は売上高5,800億円(前期比+85億円、+1.5%)を見込む一方、営業利益は320億円(同△25億円、△7.2%)、経常利益327億円(同△44億円、△11.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益200億円(同△26億円、△11.5%)と減益を予想する。当初は営業利益360億円水準での増益を想定していたが、中東情勢の影響として2026年9月までに国内事業30億円、海外事業10億円、合計△40億円を織り込んだことによる。国内事業の営業利益は160億円(前期比△15億円)を計画。成長領域の拡大と構造改革の両面を進めることで当初は増益を想定していたが、中東情勢の影響を織り込み減益計画とした。海外事業の営業利益は160億円(前期比△10億円)を計画。MILEI社は在庫分出荷の前年差や原価高を織り込み単年度では減収減益予算とする一方、MILEI社を除く海外事業では実質増益を図る。海外事業の利益構成比は2027年3月期50%を見込む。

項目2027年3月期予想2026年3月期(実績)前年差
売上高5,800億円5,715億円+85億円(+1.5%)
営業利益320億円345億円△25億円(△7.2%)
経常利益327億円371億円△44億円(△11.9%)
親会社株主に帰属する当期純利益200億円226億円△26億円(△11.5%)
営業利益推移(国内・海外事業別)と2027年3月期見通しのポイント
出典:森永乳業 2026年3月期 決算説明資料 P.7

中期経営計画2025-28進捗

中期経営計画2025-28の数値目標は修正していない。海外事業の営業利益は2029年3月期目標150億円に対し、2026年3月期実績170億円と中計1年目で既に上回っており、2027年3月期計画も160億円である。成長領域では、ヨーグルト・アイス・菌体・海外育児用ミルクの拡大を進めている。国内では紙パックラインの約25%(中計目標の半分)の生産中止や森永乳業販売株式会社の吸収合併など構造改革を推進しており、業績貢献は主に2028年3月期以降の発現を想定する。キャッシュアロケーションでは、事業投資計画を当初の約1,800億円から約1,600億円に縮減し、差分の約200億円については使途を再検討するとしている。

国内の構造改革について(生産拠点・販売体制の再編状況)
出典:森永乳業 2026年3月期 決算説明資料 P.19

株主還元

一株当たり年間配当金は2026年3月期実績で100円(配当性向36.2%)となり、従来予想の93円から7円増配して着地した。17期3月期から26期3月期まで10期連続の増配となる。2027年3月期の配当予想は25円(配当性向40.3%)とし、2026年3月期から実質的に据え置く方針である。この25円は2026年7月1日実施予定の株式分割(1株→4株)の影響を考慮した数値であり、分割の影響を考慮しない場合は2026年3月期と同額の100円となる。中期経営計画2025-28では配当性向目標を40%に引き上げ、状況に応じた機動的な自己株式取得を明示しており、2026年3月期には自己株式取得を実施した。

項目2026年3月期(実績)2027年3月期(予想)
1株当たり年間配当金100円25円(分割考慮後、分割考慮しない場合は100円)
配当性向36.2%40.3%
1株当たり年間配当金の推移と配当性向
出典:森永乳業 2026年3月期 決算説明資料 P.24

※本記事は森永乳業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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