※本記事はニコンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ニコンは2026年3月期の連結業績を発表した。売上収益は6,771億円(前年比▲381億円、▲5.3%)と減収となった。
営業利益は、デジタルマニュファクチャリング事業での固定資産減損損失906億円を含む一時費用の発生や映像事業の製品ミックス変化などにより▲1,124億円(前年比▲1,148億円)の赤字に転落し、親会社の所有者に帰属する当期利益も▲860億円(前年比▲921億円)の赤字となった。
年間配当金は40円(前年比▲10円)とした。
2027年3月期は、半導体関連ビジネスの拡大やヘルスケア事業の市況回復などにより、売上収益7,400億円、営業利益100億円、当期利益100億円への黒字回復を見込む。
連結業績(当期 実績)
前期の一時損益の合計は▲1,056億円で、デジタルマニュファクチャリング事業での固定資産減損損失906億円、精機事業での固定資産減損損失57億円、映像事業でのMRMC社株式譲渡関連費用32億円などが含まれる。前回(2月5日)予想比では、売上収益はほぼ予想通りだったが、営業利益はMRMC社株式譲渡関連費用や精機事業での固定資産減損損失など計画外の一時費用の発生により124億円下振れた。
| 項目 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 6,771億円 | 7,152億円 | ▲381億円(▲5.3%) |
| 営業利益 | ▲1,124億円 | 24億円 | ▲1,148億円 |
| 税引前利益 | ▲1,065億円 | 45億円 | ▲1,110億円 |
| 当期利益 | ▲860億円 | 61億円 | ▲921億円 |
| EPS | ▲261.57円 | 17.86円 | ▲279.43円 |
| 年間配当 | 40円 | 50円 | ▲10円 |
セグメント別の状況
映像事業は減収減益、精機事業は営業赤字に転落、ヘルスケア事業も減収減益となった。一方、コンポーネント事業は増収増益となり、デジタルマニュファクチャリング事業はSLM社の大型金属3Dプリンター販売増などで増収したものの、固定資産減損損失906億円などにより営業利益は▲1,062億円と大幅な赤字となった。
| セグメント | 売上収益 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 映像事業 | 2,900億円 | 167億円 | 5.8% |
| 精機事業 | 1,672億円 | ▲45億円 | ▲2.7% |
| ヘルスケア事業 | 1,119億円 | 15億円 | 1.4% |
| コンポーネント事業 | 761億円 | 95億円 | 12.5% |
| デジタルマニュファクチャリング事業 | 280億円 | ▲1,062億円 | ▲378.4% |
| 連結 | 6,771億円 | ▲1,124億円 | ▲16.6% |

通期業績予想
2027年3月期は、半導体ArFドライおよび液浸露光装置やEUV関連コンポーネントなど半導体関連ビジネスの拡大、ヘルスケア事業での米国アカデミア分野を中心とした市況回復、デジタルマニュファクチャリング事業での販売拡大、および為替効果により629億円の増収を見込む。営業利益は、前期に発生した一時損益1,056億円の剥落に加え、精機事業でのArFドライおよび液浸露光装置の販売増加に伴う増益、デジタルマニュファクチャリング事業の無形資産償却費の減少・構造改革効果により、1,224億円の大幅な改善を見込む。為替前提はUSドル155円、ユーロ180円。
| 項目 | 予想(2027年3月期) | 前期(実績) |
|---|---|---|
| 売上収益 | 7,400億円 | 6,771億円 |
| 営業利益 | 100億円 | ▲1,124億円 |
| 税引前利益 | 140億円 | ▲1,065億円 |
| 当期利益 | 100億円 | ▲860億円 |
| 年間配当 | 20円 | 40円 |

セグメント別の通期見通し
2027年3月期は全セグメントで増収を見込む。精機事業とデジタルマニュファクチャリング事業は前期に発生した一時費用の剥落もあり大幅な営業増益を見込む一方、映像事業はメモリー価格の高騰などにより営業減益を見込む。なお2027年3月期より、セグメント名称を「コンポーネント事業」から「インダストリー事業」に変更した。
| セグメント | 売上収益(見通し) | 営業利益(見通し) |
|---|---|---|
| 映像事業 | 3,030億円 | 160億円 |
| 精機事業 | 1,880億円 | 120億円 |
| ヘルスケア事業 | 1,270億円 | 60億円 |
| インダストリー事業(旧コンポーネント事業) | 840億円 | 120億円 |
| デジタルマニュファクチャリング事業 | 340億円 | ▲40億円 |
| 連結 | 7,400億円 | 100億円 |

株主還元
2026年3月期の年間配当金は40円(期末配当金15円、前年比▲10円)とした。2027年3月期の年間配当予想は20円(中間配当金10円、期末配当金10円)で、配当性向予想は65.9%。
中期経営計画/トピック
2027年3月期は新たな中期経営計画の初年度にあたる。会社は中東情勢の悪化など懸念すべき点があるとしつつ、短期業績の着実な回復に向けて取り組む方針を示した。また2027年3月期より、株式会社ニコンビジョンをインダストリー事業から映像事業へ移管した。

※本記事はニコンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。