※本記事は丸文が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
丸文は2026年5月18日、2026年3月期(通期・連結)決算を発表した。売上高は213,425百万円(前期比+1.2%)と増収を確保したものの、代理人取引の減少や商品ミックスの変動、第4四半期にかけての円安進行に伴う為替差損18億円の計上が響き、売上総利益・営業利益・経常利益・当期純利益はいずれも前期比で減益となった。売上高は11月公表の業績予想を上回った一方、経常利益は予想を下回った。2027年3月期は増収増益と大幅増配を計画している。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は213,425百万円(前期比+2,587百万円、+1.2%)で増収。産業機器向け需要が低調に推移した一方、モビリティ向けや民生機器向けが底堅く推移し、システム事業では人工衛星関連の需要が大きく伸長したことが売上を牽引した。売上総利益は代理人取引の減少と商品ミックスの変動により前期比△1,521百万円(△5.8%)の減益。第4四半期末にかけての円安進行により為替差損18億円を計上したことも影響し、営業利益は7,763百万円(△15.2%)、経常利益は4,218百万円(△35.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,303百万円(△25.1%)といずれも前期比で減益となった。なお、当期末の棚卸資産には会計上未認識の含み益21億円相当があり、翌期以降の売上計上に伴い実現する見通し。
| 項目 | 2026年3月期実績(百万円) | 2025年3月期実績(百万円) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 213,425 | 210,837 | +2,587(+1.2%) |
| 売上総利益 | 24,701 | 26,223 | △1,521(△5.8%) |
| 販管費 | 16,938 | 17,068 | △130(△0.8%) |
| 営業利益 | 7,763 | 9,155 | △1,391(△15.2%) |
| 経常利益 | 4,218 | 6,541 | △2,322(△35.5%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,303 | 4,409 | △1,105(△25.1%) |

セグメント別(事業別)の状況
デバイス事業は売上高の約70%を占め、モビリティ向け・民生機器向け半導体の需要増加により売上高152,245百万円(前期比+1.1%)と増収となったが、代理人取引の減少や為替変動の影響により経常利益は562百万円(前期比△81.0%)の減益となった。システム事業は売上高の約30%弱を占め、航空宇宙・防衛関連市場の拡大を背景に人工衛星向け高信頼性部品等の航空宇宙機器が伸長し、売上高58,623百万円(+2.2%)、経常利益3,670百万円(+9.8%)と増収増益。アントレプレナ事業は通信インフラ向け時刻同期システムやソフトウェア製品の需要減少により、売上高2,556百万円(△14.1%)、経常利益は△142百万円(前期31百万円)と減収減益となった。なお当期よりセグメント構成を見直し、デバイス事業の一部をアントレプレナ事業へ移管しており、前期の数値は遡及適用後で比較している。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期(百万円) | 2025年3月期(百万円) |
|---|---|---|---|
| デバイス事業 | 売上高 | 152,245 | 150,525 |
| デバイス事業 | 経常利益 | 562 | 2,965 |
| システム事業 | 売上高 | 58,623 | 57,336 |
| システム事業 | 経常利益 | 3,670 | 3,342 |
| アントレプレナ事業 | 売上高 | 2,556 | 2,975 |
| アントレプレナ事業 | 経常利益 | △142 | 31 |

2027年3月期 業績予想
2027年3月期は、システム事業における航空宇宙機器・医用機器の需要伸長により売上高225,000百万円(前期比+5.4%)の増収を予想。人件費や施設関連費の増加により販管費は18,000百万円に増加するが、営業利益は7,800百万円(前期並み、+0.5%)を計画。想定為替レート150円/ドルでの通期推移を前提に、経常利益は6,000百万円(+42.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,000百万円(+21.1%)といずれも増益を見込む。事業別では、デバイス事業は売上高152,000百万円(前期並み)・経常利益1,900百万円(為替変動を見込まない前提で増益)、システム事業は売上高69,000百万円(+17.7%)・経常利益3,800百万円(+3.5%)、アントレプレナ事業は売上高4,000百万円(+56.5%)・経常利益300百万円(黒字転換)を見込む。
| 項目 | 2027年3月期予想(百万円) | 2026年3月期実績(百万円) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 225,000 | 213,425 | +11,574(+5.4%) |
| 売上総利益 | 25,800 | 24,701 | +1,098(+4.4%) |
| 販管費 | 18,000 | 16,938 | +1,061(+6.3%) |
| 営業利益 | 7,800 | 7,763 | +36(+0.5%) |
| 経常利益 | 6,000 | 4,218 | +1,781(+42.2%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,000 | 3,303 | +696(+21.1%) |

株主還元
配当方針は連結配当性向またはDOE(株主資本配当率)のいずれか高い方を目安とし、今回、基準値をそれぞれ40%から50%、2.5%から3.5%へ引き上げた。2026年3月期の配当は中間25円・期末25円の年間50円(配当性向39.6%、DOE2.6%)を予定。2027年3月期は新方針を適用し、期初予想で年間77円、前期比+27円の大幅な増配を見込んでいる。あわせて、1年以上継続保有の株主を対象に、保有株式数に応じて株主優待ポイント(100株〜499株:1,000円相当、500株〜:3,000円相当)を付与する株主優待制度を新たに導入した。
| 項目 | 2026年3月期(予定) | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|
| 中間配当 | 25円 | 開示なし |
| 期末配当 | 25円 | 開示なし |
| 年間配当 | 50円 | 77円 |
| 配当性向 | 39.6% | 開示なし |
| DOE(株主資本配当率) | 2.6% | 開示なし |

中期経営計画『丸文Nextage2027』
中期経営計画『丸文Nextage2027』(2025-2027年度)は、商権拡大と収益力の一層の強化を掲げ、最終年度(2027年度)の連結財務目標として経常利益80億円以上・ROE9.0%以上を掲げる。2030年度アスピレーションは経常利益100億円・ROE10.0%以上。前中期経営計画『丸文Nextage2024』では経常利益63億円・ROE8.1%以上を達成した。進捗状況として、経常利益は2024年度6,344百万円、2025年度4,218百万円(為替差損の影響で計画に対し減益)、2026年度は為替影響を除く実力ベースで6,000百万円を見込む。事業別では、デバイス事業を『基盤強化事業』、システム事業を『成長牽引事業』、アントレプレナ事業を『価値創出事業』と位置づけ、それぞれ収益構造の強化や航空宇宙・防衛市場の取り込み、AI・データセンター関連や医療・介護分野の新規事業育成に取り組むとしている。
※本記事は丸文が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。