※本記事は藤田観光が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
藤田観光は2025年12月期の連結業績で、売上高82,004百万円(前期比+5,792百万円)、営業利益13,795百万円(同+1,486百万円)、経常利益13,704百万円(同+1,081百万円)となり、営業利益・経常利益はともに過去最高益、親会社株主に帰属する当期純利益も9,292百万円(同+157百万円)と最高水準となった。全事業で増収増益となった一方、客室改装に伴う売り止めが発生した。2026年2月には日本産業推進機構グループ傘下のNSSK-GAMMA2合同会社との資本業務提携を締結し、筆頭株主が異動した。
連結業績(2025年12月期 実績)
売上高は82,004百万円(前期比+5,792百万円)となった。営業利益は13,795百万円(同+1,486百万円)、経常利益は13,704百万円(同+1,081百万円)となり、ともに過去最高益を更新した。特別利益は29百万円(前期139百万円)、特別損失は357百万円(前期1,434百万円)となった。税金等費用は繰越欠損金の解消に伴い4,083百万円(前期2,193百万円、同+1,890百万円)に増加した。親会社株主に帰属する当期純利益は9,292百万円(同+157百万円)となり、最高水準の利益となった。資料は、中期経営計画に沿った付加価値向上・生産性向上施策の一環で客室改装に伴う売り止めが発生したこと、高付加価値商品の提供や海外セールス強化によるインバウンド宿泊者数増加が利用単価上昇に寄与したこと、ベースアップおよび賞与支給増額により労務費が増加したことを挙げている。
| 項目 | 2024年実績 | 2025年実績 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 76,211百万円 | 82,004百万円 | +5,792百万円 |
| 営業利益 | 12,309百万円 | 13,795百万円 | +1,486百万円 |
| 経常利益 | 12,623百万円 | 13,704百万円 | +1,081百万円 |
| 特別利益 | 139百万円 | 29百万円 | ▲110百万円 |
| 特別損失 | 1,434百万円 | 357百万円 | ▲1,077百万円 |
| 税金等費用 | 2,193百万円 | 4,083百万円 | +1,890百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9,134百万円 | 9,292百万円 | +157百万円 |

セグメント別(事業別)の状況
全事業において前年比増収増益となった。WHG事業は施設・サービス両面の商品力強化や海外セールス強化などによりADR(客室平均単価)が過去最高値となり前年比11%上昇し、事業全体で売上高36.1億円増収、営業利益12.8億円増益となった。仙台WH、東京ベイ有明WH、横浜桜木町WH、HG札幌、HGソウルで改装を実施し、2025年の延べ売り止め客室数は約79,000室となった。ラグジュアリー&バンケット事業は「ホテル椿山荘東京」の婚礼部門・宴会部門が好調に推移し、事業全体で売上高15.6億円増収、営業利益2.4億円増益となった。リゾート事業は「箱根小涌園 天悠」「箱根ホテル小涌園」でADRが上昇し、事業全体で売上高5.2億円増収となった。
| セグメント | 指標 | 2024年実績 | 2025年実績 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| WHG事業 | 売上高 | 45,582百万円 | 49,200百万円 | +3,617百万円 |
| WHG事業 | 営業利益 | 10,195百万円 | 11,480百万円 | +1,285百万円 |
| ラグジュアリー&バンケット事業 | 売上高 | 18,645百万円 | 20,209百万円 | +1,564百万円 |
| ラグジュアリー&バンケット事業 | 営業利益 | 1,234百万円 | 1,483百万円 | +249百万円 |
| リゾート事業 | 売上高 | 10,765百万円 | 11,289百万円 | +523百万円 |
| リゾート事業 | 営業利益 | 920百万円 | 925百万円 | +4百万円 |
| その他(調整額含む) | 売上高 | 1,218百万円 | 1,304百万円 | +86百万円 |
| その他(調整額含む) | 営業利益 | ▲40百万円 | ▲93百万円 | ▲53百万円 |

主要営業指標(ADR・稼働率)
WHG事業全体のADRは17,652円(前期15,854円)、稼働率は85%(前期87%)となった。東京エリアはADR19,836円(前期17,813円)・稼働率87%(前期89%)、東京以外はADR14,370円(前期12,971円)・稼働率83%(前期85%)だった。「ホテル椿山荘東京」はADR55,098円(前期55,031円)、稼働率68%(前期64%)、婚礼施行件数1,581件(前期1,493件)、婚礼件当たり単価4,051千円(前期3,931千円)となった。「箱根小涌園 天悠」はADR57,043円(前期54,398円)、稼働率91%(前期90%)、「箱根ホテル小涌園」はADR37,352円(前期34,881円)、稼働率83%(前期81%)となった。「箱根小涌園ユネッサン」の入場人員は503千人(前期500千人)だった。なお、営業指標はサービスアパートメントISORAS CIKARANGを除く。
| 施設・エリア | 指標 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|---|
| WHG全体 | ADR | 15,854円 | 17,652円 |
| WHG全体 | 稼働率 | 87% | 85% |
| WHG東京 | ADR | 17,813円 | 19,836円 |
| WHG東京 | 稼働率 | 89% | 87% |
| WHG東京以外 | ADR | 12,971円 | 14,370円 |
| WHG東京以外 | 稼働率 | 85% | 83% |
| ホテル椿山荘東京 | ADR | 55,031円 | 55,098円 |
| ホテル椿山荘東京 | 稼働率 | 64% | 68% |
| 箱根小涌園 天悠 | ADR | 54,398円 | 57,043円 |
| 箱根小涌園 天悠 | 稼働率 | 90% | 91% |
| 箱根ホテル小涌園 | ADR | 34,881円 | 37,352円 |
| 箱根ホテル小涌園 | 稼働率 | 81% | 83% |

インバウンドの状況
インバウンド宿泊者数(国内事業所のみ)は2,446千人(前期比+9.8%)、総宿泊者数(国内事業所のみ)は4,283千人(同+0.3%)となり、インバウンド比率は57.1%(同+5.0pt)となった。WHG全体のインバウンド比率は59.4%(同+5.4pt)で、うちホテルグレイスリー新宿94.8%(同+0.7pt)、新宿ワシントンホテル(本館・ANNEX)74.2%(同+6.0pt)だった。ホテル椿山荘東京は37.7%(同+2.5pt)、箱根小涌園 天悠は52.8%(同▲1.4pt)、箱根ホテル小涌園は20.7%(同+3.2pt)となった。
財務・キャッシュ・フローの状況
純資産は前期末比111.6億円増加の368.1億円、借入金は前期末比97.7億円減少の276.5億円となった。自己資本比率は37.3%(前期27.3%、同+10.0pt)に上昇した。営業活動によるキャッシュ・フローは159.2億円のキャッシュイン、投資活動によるキャッシュ・フローはラウンジや客室の改装等により56.8億円のキャッシュアウト、財務活動によるキャッシュ・フローはA種優先株式の取得や借入金の返済等により124.2億円のキャッシュアウトとなった。
通期業績予想(2026年12月期)
2026年12月期は、売上高83,000百万円(前期比+995百万円)、営業利益12,000百万円(同▲1,795百万円)、経常利益11,600百万円(同▲2,104百万円)、当期利益11,500百万円(同+2,207百万円)を計画する。資料は、外部環境としてインバウンド増加を見込むも国内観光・レジャー支出は横ばいで推移することを想定するとし、上期において商品力強化のため既存施設の客室改装を加速することに伴う売り止め影響により営業利益・経常利益は減益予想としている。キャナルシティ・福岡WHは2026年4月~8月に休業し全客室とロビーを改装するほか、東京ベイ有明WH、HG札幌でも改装を継続する。2026年秋にはフランチャイズ14店舗目となる「大阪和泉中央駅前ワシントンホテル(仮称)」の開業を予定している。
| 項目 | 2025年実績 | 2026年12月期予想 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 82,004百万円 | 83,000百万円 | +995百万円 |
| WHG事業(売上高) | 49,200百万円 | 49,600百万円 | +399百万円 |
| ラグジュアリー&バンケット事業(売上高) | 20,209百万円 | 20,500百万円 | +290百万円 |
| リゾート事業(売上高) | 11,289百万円 | 11,600百万円 | +310百万円 |
| 営業利益 | 13,795百万円 | 12,000百万円 | ▲1,795百万円 |
| 経常利益 | 13,704百万円 | 11,600百万円 | ▲2,104百万円 |
| 当期利益 | 9,292百万円 | 11,500百万円 | +2,207百万円 |

中期経営計画2028の進捗
中期経営計画2028の数値計画では、2025年実績は売上高820億円(2028年目標800億円)、営業利益137億円(同80億円)、営業利益率16.8%(同10%)、ROE(当期利益/自己資本)25.2%(同10%以上維持)、自己資本比率37.3%(同25%以上維持)となり、収益性・財務の各指標で2028年目標を上回った。設備投資額は59億円(5年累計目標350億円)、営業CFは159億円(5年累計目標450億円)だった。財務戦略では、ROICについて資本コスト(WACC)を、ROEについて株主資本コストを、それぞれ上回ることを目指すとしており、2025年12月末現在でROIC14.0%(資本コスト約6%)、ROE25.2%(株主資本コスト約7%)と、いずれも上回った。また、A種優先株式の未取得分20株を全株償還(取得及び消却)した。
資本業務提携・筆頭株主の異動
2026年2月10日、日本産業推進機構グループ(NSSK)傘下のNSSK-GAMMA2合同会社が、DOWAホールディングス株式会社の保有する当社株式14,980,000株(議決権所有割合25.00%)を市場外の相対取引により取得し、当社の筆頭株主が異動した。当社はNSSK-GAMMA2と資本業務提携契約を締結し、業務提携の内容のほか、事前承諾事項、取締役候補者の指名権、株式の追加取得の制限、株式の譲渡制限を合意した。資料は、資本業務提携契約は当社の経営の自主性・独立性が確保されるよう配慮した内容のため、当社のガバナンスへの影響は軽微としている。提携の狙いとして、M&A体制強化及びホテルオペレーターの取得支援、資産取得を含めた開発力の強化、地域の宿泊施設のバルク取得、人材の供給提携等を挙げている。なお、2026年1月1日を効力発生日として株式分割を実施している。
※本記事は藤田観光が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。