※本記事は東北電力が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
東北電力は2026年3月期(資料表記は「2025年度」)の連結決算を発表した。売上高は2兆3,724億円(前期比2,724億円減)、経常利益は1,264億円(前期比1,303億円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は849億円(前期比978億円減)となり、減収減益だった。女川2号機の再稼働による収支改善があったものの、市場・販売環境の変化や送配電事業における需給調整費用の増加、中東情勢悪化に伴う燃料価格・電力市場価格の急騰による電力先渡取引等の時価評価影響などにより減益となった。同時価評価影響は2027年3月期に振戻し益として計上されるため、2期通算では収支影響はないとしている。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は2兆3,724億円(前期比2,724億円減、前期比89.7%)で、電気事業が2兆2,184億円(前期比2,036億円減)、その他事業が1,540億円(前期比688億円減。ユアテックが連結子会社から持分法適用会社に変更となったことなどによる)だった。営業利益は1,603億円(前期比1,199億円減、前期比57.2%)、経常利益は1,264億円(前期比1,303億円減、前期比49.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は849億円(前期比978億円減、前期比46.5%)となった。特別損失として有価証券評価損75億円を計上した。燃料費調整制度のタイムラグ影響は、前期が220億円程度の差益だったのに対し当期は170億円程度の差益となり、差引で50億円程度の収支悪化となった。同タイムラグ影響および電力先渡取引等の時価評価影響を除いた経常利益は687億円減少の1,659億円だった。自己資本比率(ハイブリッド社債考慮後)は18.3%(20.8%)から19.4%(21.8%)へ1.1pt(ハイブリッド社債考慮後は1.0pt)上昇した。有利子負債残高は33,369億円から34,791億円へ1,422億円増加した。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 23,724億円 | 26,449億円 | △2,724億円 | 89.7% |
| 営業利益 | 1,603億円 | 2,803億円 | △1,199億円 | 57.2% |
| 経常利益 | 1,264億円 | 2,567億円 | △1,303億円 | 49.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 849億円 | 1,828億円 | △978億円 | 46.5% |
電力販売実績
小売(電灯・電力)の販売電力量は582億kWh(前期比27億kWh減)で、競争進展に伴う契約切替や産業用における稼動減などによる。卸売は206億kWh(前期比35億kWh増)で、相対卸売の増などによる。原子力設備利用率は10.0%から22.9%へ12.9pt上昇した。
| 区分 | 2026年3月期(百万kWh) | 2025年3月期(百万kWh) | 増減 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 電灯 | 19,544 | 19,662 | △118 | 99.4% |
| 電力 | 38,675 | 41,212 | △2,537 | 93.8% |
| 小売計 | 58,219 | 60,874 | △2,655 | 95.6% |
| 卸売 | 20,639 | 17,123 | 3,516 | 120.5% |
| 販売計 | 78,858 | 77,996 | 862 | 101.1% |

セグメント別の状況
当期よりグループマネジメントの変更等にあわせて事業セグメントを見直しており、前期の値も見直し後の区分で算定している。発電・販売セグメントの経常利益は1,266億円(前期比1,185億円減)で、女川2号機の再稼働による収支改善があったものの、市場・販売環境の変化や電力先渡取引等の時価評価影響などにより減益となった(同セグメントの燃調タイムラグ・時価評価影響除きの経常利益は570億円の減益)。送配電セグメントの経常利益は△10億円(前期比214億円減)で、託送料金単価改定などによる基準託送料金の増加があったものの、調整力の調達費用の増加などによる需給調整関係の収支悪化が影響した。その他セグメントの経常利益は159億円(前期比50億円減)で、ユアテックが連結子会社から持分法適用会社に変更となったことなどにより減収となった。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 発電・販売 | 売上高 | 19,817億円 | 22,015億円 | △2,197億円 |
| 発電・販売 | 経常利益 | 1,266億円 | 2,451億円 | △1,185億円 |
| 送配電 | 売上高 | 9,213億円 | 9,458億円 | △245億円 |
| 送配電 | 経常利益 | △10億円 | 203億円 | △214億円 |
| その他 | 売上高 | 1,816億円 | 2,746億円 | △930億円 |
| その他 | 経常利益 | 159億円 | 210億円 | △50億円 |

原子力関連(女川・東通)
女川2号機は2026年1月14日に発電を停止し、予定どおり第12回定期事業者検査に入った。定期事業者検査の開始から発電再開までは4か月程度を見込んでいる。2026年3月期の女川2号機設備利用率は76.2%だった。特定重大事故等対処施設(特重施設)の設置期限は現行2026年12月とされているが、2026年4月1日の原子力規制委員会において見直しが了承され、改正に向けた手続きが進められており、本見直しが実施された場合は現行設置期限以降も次回定期検査開始予定の2027年6月頃まで運転継続が可能となる見通しとしている。なお、本体施設と特重施設のつなぎ込み工事(約14か月)を見込むため、次回定期検査では本工事を考慮した稼働停止期間が必要となる見込みとしている。東通1号機は地震・津波審査について「概ね妥当」との評価を受け、プラント(設備)審査の準備を進めており、安全対策工事の完了時期はプラント(設備)審査準備が整う2027年3月頃の公表を目指すとしている。女川3号機は適合性審査の申請に向けた準備として、地質データ拡充のための地質調査を実施している(調査期間:2025年1月から2年程度を予定)。

2027年3月期 業績・配当予想
2027年3月期の業績予想については、中東情勢の悪化により燃料価格等の動向が不透明であり、現時点において合理的な算定が困難な状況であるため未定としている。今後、燃料価格等の動向を見極め、合理的な算定が可能となった時点で速やかに公表するとしている。配当については、従来の安定配当を基本にDOE(株主資本配当率)2%を目安としながら、当期業績や中長期的な業績見通しをもとに総合的に判断する方針で、2026年3月期の配当は年間40円(DOE2.1%相当)とした。2027年3月期の配当予想については、業績予想を未定とした中でも株主の予見性を確保することが重要と考え、2026年3月期末におけるDOE2%の水準も勘案し、現時点で配当可能と予想できる水準として1株当たり年間40円とした。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金 | 40円(DOE2.1%相当) | 40円 |

財務目標
2024年4月に策定した財務目標として、連結経常利益・連結自己資本比率・連結ROICの3指標を掲げている。2027年3月期目標は連結経常利益1,900億円、連結自己資本比率20%程度、連結ROIC3.5%程度(目標達成時の連結ROEは8%以上)。2031年3月期目標は連結経常利益2,000億円以上、連結自己資本比率25%以上、連結ROIC3.5%以上としている。2026年3月期実績は連結ROIC2.6%(ROE8.1%)、連結自己資本比率19.4%(ハイブリッド社債考慮後21.8%)だった。
※本記事は東北電力が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。