※本記事はマイクロ波化学が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
マイクロ波化学の2026年6月期は、決算期変更に伴う15ヶ月決算(2025年4月~2026年6月)となった。複数の大型プロジェクトの受注遅延により売上高は1,057百万円(期初計画比△556百万円、△35.2%)にとどまり、営業損失927百万円、経常損失948百万円、当期純損失964百万円を計上し、前期(2025年3月期、12ヶ月決算)の営業利益187百万円・経常利益182百万円・当期純利益161百万円から損失に転落した。一方、原価及び販管費のコントロールにより、2026年5月に公表した修正計画(営業損失954百万円)は27百万円上回って着地した。当社は継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在するとしている。2027年6月期は売上高1,512百万円、営業利益50百万円で営業黒字化を計画している。
業績(2026年6月期 実績)
当期(2026年6月期)は決算期変更に伴い2025年4月から2026年6月までの15ヶ月決算であり、前期(2025年3月期)は12ヶ月決算のため、両期間は長さが異なる点に留意が必要である。複数の大型プロジェクトの受注遅延により売上高は前期比で減少したが、原価及び販管費のコントロールにより営業損失の拡大は74百万円に留まった(期初計画の営業損失853百万円に対し実績は927百万円)。化学産業への依存度の高さ及び大型プロジェクトへの売上集中が変動の主因であるとし、顧客基盤と収益源の多様化を推進するとしている。
| 項目 | 2026年6月期(15ヶ月) | 2025年3月期(12ヶ月) | 差額・前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,057百万円 | 1,608百万円 | △550百万円(△34.2%) |
| 売上総利益 | 354百万円(対売上高比33.5%) | 1,075百万円(対売上高比66.8%) | △720百万円(△67.0%) |
| 営業損益 | △927百万円 | 187百万円(対売上高比11.7%) | △1,114百万円 |
| 経常損益 | △948百万円 | 182百万円 | △1,130百万円 |
| 税引前当期純損益 | △955百万円 | 164百万円 | △1,119百万円 |
| 当期純損益 | △964百万円 | 161百万円 | △1,126百万円 |

事業別の状況(マイクロ波ソリューション事業・DualPore Solution事業)
マイクロ波ソリューション事業(MW事業)の売上高は、契約の進捗フェーズ(Phase1:研究開発フェーズ、Phase2:実証開発フェーズ、Phase3:実機導入フェーズ、Phase4:製造支援フェーズ)ごとに分解され、脱炭素投資の足踏みを背景とした大型案件の進捗遅延により、特にPhase2が前期の1,330百万円から887百万円へ減少した。DualPore Solution事業(DPS事業、低濃度貴金属回収事業)は、2025年9月に京都大学発スタートアップの株式会社ディーピーエスより事業を譲受したもので、当期は7百万円の売上高を計上した。経営指標(KPI)では、新規契約獲得数は計画22件に対し25件で着地し、Phase2以降からの開始が5件と過去最多となり、獲得案件の質が向上したとしている。契約総数は計画62件に対し61件で着地し、前期(71件)からの減少は主にPhase1の減少(32件から26件)によるもので、案件の選択と集中を進めた結果であり、Phase2以降は34件と前期並みの水準を維持したとしている。
| 区分 | 指標 | 2026年6月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| MW事業 | 売上高 | 1,050百万円 | 1,608百万円 |
| MW事業 | Phase1 | 100百万円 | 258百万円 |
| MW事業 | Phase2 | 887百万円 | 1,330百万円 |
| MW事業 | Phase3 | 10百万円 | 15百万円 |
| MW事業 | Phase4 | 52百万円 | 0百万円 |
| DPS事業 | 売上高 | 7百万円 | ― |
| 合計 | 売上高 | 1,057百万円 | 1,608百万円 |
通期業績予想(2027年6月期)
2027年6月期は、MW事業の案件進捗とDPS事業の売上寄与により売上高は前期比で回復を計画し、DPS事業は売上高250百万円を計画している。増収に加え、26/6期に収益性を押し下げた装置製作を伴う案件が一巡することによる粗利率の改善、固定費見直し・研究開発投資の選択と集中による販管費の減少により、営業黒字化を計画しているとしている。財務基盤については、営業黒字化を前提に必要なキャッシュポジションを維持するとし、事業推進・成長投資に必要な流動性は、26/6期に実行した総額5億円の長期資金調達(みなと銀行3億円、日本政策金融公庫2億円)により確保しているとしている。
| 項目 | 2027年6月期(計画) | 2026年6月期(実績) | 差額 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,512百万円 | 1,057百万円 | +454百万円 | 143.0% |
| うちマイクロ波ソリューション事業 | 1,262百万円 | 1,050百万円 | +212百万円 | 120.2% |
| うちDualPore Solution事業 | 250百万円 | 7百万円 | +242百万円 | 3429.7% |
| 売上原価 | 605百万円 | 702百万円 | △96百万円 | 86.2% |
| 売上総利益 | 906百万円(対売上高比59.9%) | 354百万円(対売上高比33.5%) | +551百万円 | 255.5% |
| 営業利益 | 50百万円(対売上高比3.4%) | △927百万円 | +978百万円 | ― |
| 経常利益 | 23百万円 | △948百万円 | +971百万円 | ― |
| 税引前当期純利益 | 7百万円 | △955百万円 | +962百万円 | ― |
| 当期純利益 | 4百万円 | △964百万円 | +968百万円 | ― |

財務基盤・継続企業の前提に関する注記
当期純損失の計上等を背景に、純資産は152百万円、自己資本比率は8.6%で着地した(前期末は純資産1,064百万円、自己資本比率50.1%)。決算期変更に伴う事業サイクルの影響等により、売掛金・契約負債などの期末残高は前期末比で減少した。大型プロジェクトの受注遅れに伴う一時的な資金需要に対応するため、第4四半期にみなと銀行より3億円、日本政策金融公庫より2億円の合計5億円の長期借入を実行し、総額5億円のコミットメントライン契約も更新したとしている。
| 項目 | 2025年3月末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|
| 現預金 | 507百万円 | 401百万円 |
| 流動資産 | 1,214百万円 | 615百万円 |
| 有形固定資産 | 809百万円 | 680百万円 |
| 資産合計 | 2,124百万円 | 1,399百万円 |
| 長期借入金 | 353百万円 | 681百万円 |
| 純資産 | 1,064百万円 | 152百万円 |
| 自己資本比率 | 50.1% | 8.6% |
当社は、2026年6月期において売上高が当初予想を下回り、営業損失、経常損失及び当期純損失を計上し、また純資産が減少して自己資本比率が低下したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在するとしている。これに対し、顧客基盤と収益源の多様化を経営上の重要課題と位置づけ、重要鉱物に関連する鉱山プロセス事業の開拓や、低濃度貴金属回収事業をはじめとする新たな技術ソリューションの獲得・提供等に取り組むとしている。以上の対応策を踏まえ、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しているとしている。

トピックス・その他
2025年9月、京都大学発スタートアップの株式会社ディーピーエスより、低濃度貴金属回収事業(DualPore Solution事業)を譲受した。2026年6月30日には、カナダのリチウム資源開発企業であるPMET Resources Inc.と三井物産株式会社との間で、低炭素リチウム鉱石製錬技術の商業化検討に向けた覚書(MOU)を締結した。また、2026年9月25日開催予定の定時株主総会において商号変更にかかわる定款の一部変更が承認されることを条件に、2026年10月1日付で商号を「マイクロ波化学株式会社」から「MWCC株式会社」へ変更する予定としている。証券コード(9227)及び上場市場に変更はなく、株主の手続きは不要としている。なお「成長可能性に関する事項」は2026年9月中旬を目途に開示を行う予定としている。

※本記事はマイクロ波化学が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。