※本記事は川崎汽船が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
川崎汽船は2026年5月8日、2025年度(2025年4月~2026年3月期)通期決算を発表した。連結売上高は10,183億円(前期比△295億円)、経常損益はコンテナ船事業の大幅減益により1,091億円(前期比△1,989億円)となった。親会社株主に帰属する当期純損益は、保有船舶や子会社株式の売却、繰延税金資産にかかる法人税等調整額の見直しなどにより1,329億円(前期比△1,723億円)となった。株主還元は期末配当60円/株を実施し、通期では120円/株を確保した。
連結業績(当期 実績)
売上高は10,183億円、営業損益は主に自動車船事業の減益により841億円、経常損益はコンテナ船事業の大幅減益により1,091億円となった。財務面では自己資本が18,027億円(前期比+1,542億円)に増加し、自己資本比率は76.9%(前期比+2.3ポイント)、DERは16.4%(前期比△4.5ポイント)に改善した。なお2025年度末のオフバランス傭船料(6,000~7,000億円)を含む自己資本比率は59~61%。
| 項目 | 当期(2025年度) | 前期(2024年度) | 増減額 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 10,183億円 | 10,479億円 | △295億円 |
| 営業損益 | 841億円 | 1,028億円 | △186億円 |
| 経常損益 | 1,091億円 | 3,080億円 | △1,989億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純損益 | 1,329億円 | 3,053億円 | △1,723億円 |
セグメント別の状況
製品物流セグメントの内数であるコンテナ船事業は、米国の通商政策や中東情勢の影響を受けるなか、新造船竣工に伴う船費増加や運賃低下により大幅減益。同じく内数の自動車船事業は輸送台数が微増したものの、運航費増加や中東情勢の影響で減益となった。ドライバルクは下半期に市況が回復したが、24年度末から25年度1Qにかけての市況低迷や積地争議、修繕費増などにより通期では減益。エネルギー資源は長期契約により安定収益を確保したうえ、前期の減損損失剥落や25年度の税効果見直しによる一過性利益で増益した。
| セグメント | 指標 | 当期(2025年度) | 前期(2024年度) |
|---|---|---|---|
| ドライバルク | 売上高 | 2,927億円 | 3,223億円 |
| ドライバルク | 経常損益 | 109億円 | 132億円 |
| エネルギー資源 | 売上高 | 1,006億円 | 1,019億円 |
| エネルギー資源 | 経常損益 | 96億円 | 49億円 |
| 製品物流 | 売上高 | 6,164億円 | 6,128億円 |
| 製品物流 | 経常損益 | 908億円 | 2,936億円 |
| 製品物流(うち自動車船事業) | 経常損益 | 512億円 | 764億円 |
| 製品物流(うちコンテナ船事業) | 経常損益 | 240億円 | 2,060億円 |
| その他 | 経常損益 | 22億円 | 9億円 |
| 本部・調整 | 経常損益 | △46億円 | △47億円 |
| 合計 | 売上高 | 10,183億円 | 10,479億円 |
| 合計 | 経常損益 | 1,091億円 | 3,080億円 |


通期業績予想
2026年度の通期業績予想は、売上高10,200億円、営業損益830億円、経常損益は中東情勢などの地政学的懸念や為替評価損等を含め91億円減益の1,000億円を見込む。前提は為替レート150.82円/ドル、燃料油価格697ドル/MT。ホルムズ海峡は6月末まで閉鎖継続・7月以降通峡再開、スエズ運河は通年通峡見込まず喜望峰経由継続を前提としている。
| 項目 | 予想(2026年度) | 前期(2025年度実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 10,200億円 | 10,183億円 |
| 営業損益 | 830億円 | 841億円 |
| 経常損益 | 1,000億円 | 1,091億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純損益 | 950億円 | 1,329億円 |

株主還元
2025年度の期末配当は60円/株(26年2月公表通り)で、中間配当60円/株と合わせ通期では120円/株となった。2026年度の年間配当予定も120円/株(中間・期末各60円/株)。25年5月に公表した中計期間中の500億円以上の機動的な追加還元の時期・手法は引き続き検討中としている。
| 項目 | 2025年度(実績) | 2026年度(予定) |
|---|---|---|
| 中間配当 | 60円/株 | 60円/株 |
| 期末配当 | 60円/株 | 60円/株 |
| 年間配当合計 | 120円/株 | 120円/株(予定) |

中期経営計画
現中期経営計画(22~26年度)では、中計期間の営業CF1.5兆円、投資CF6,100億円、株主還元8,000億円以上(いずれも26年2月公表比変更なし)を予定。26年度のROICは5%を見込む(中計目標値は26年度6~7%)。稼ぐ力の強化と資本効率改善によりROE10%以上の持続的達成、PBR1.0倍以上への復帰・維持・向上を目指す。25年3月28日に指名委員会等設置会社へ移行した。次期中期経営計画は26年度中に公表予定。
※本記事は川崎汽船が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。