※本記事は日本郵船が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
日本郵船の2025年度(2026年3月期)通期決算は、関税政策や中東情勢の緊迫の影響を受けながらも自動車事業やエネルギー事業の利益に支えられ、経常利益2,111億円、親会社株主に帰属する当期純利益2,117億円を達成した。売上高は日本貨物航空(NCA)の連結除外や定期船事業の運賃市況下落等により2兆4,236億円(前年度比▲1,650億円)となった。配当性向40%の方針のもと期末配当を5円増配し、創業140周年記念配当25円を含め年間配当は230円/株となる見込み。2026年度は経常利益1,850億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,950億円を予想している。
連結業績(当期 実績)
2025年度通期の売上高は2兆4,236億円(前年度比▲1,650億円)、営業損益は1,386億円(▲722億円)、経常損益は2,111億円(▲2,797億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,117億円(▲2,659億円)となった。売上高の減少は主に日本貨物航空(NCA)の株式交換完了に伴う連結除外(▲1,446億円)による。
| 項目 | 当期(2025年度) | 前期(2024年度) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 24,236億円 | 25,887億円 | ▲1,650億円 |
| 営業損益 | 1,386億円 | 2,108億円 | ▲722億円 |
| 経常損益 | 2,111億円 | 4,908億円 | ▲2,797億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,117億円 | 4,777億円 | ▲2,659億円 |
セグメント別の状況
定期船事業は新造船竣工による船腹供給量の増加に加え、関税政策や中東情勢等の影響で運賃市況が不安定に推移し、経常損益は497億円(▲2,245億円)と大幅減益となった。自動車事業は円高進行やインフレによるコスト上昇により979億円(▲154億円)、ドライバルク事業は円高等の影響により95億円(▲85億円)と減益。一方エネルギー事業はVLCC・VLGC市況の上昇や新規FPSO稼働に伴う一過性利益により544億円(+82億円)と増益となった。航空運送事業はNCA連結除外の影響で21億円(▲189億円)、物流事業は主要顧客の取扱量減少等により102億円(▲110億円)となった。
| セグメント | 指標 | 当期(2025年度) | 前期(2024年度) |
|---|---|---|---|
| 定期船 | 経常損益 | 497億円 | 2,743億円 |
| 航空運送 | 経常損益 | 21億円 | 210億円 |
| 物流 | 経常損益 | 102億円 | 212億円 |
| 自動車 | 経常損益 | 979億円 | 1,133億円 |
| ドライバルク | 経常損益 | 95億円 | 181億円 |
| エネルギー | 経常損益 | 544億円 | 461億円 |

通期業績予想
2026年度は、中東情勢の緊迫が第1四半期中は続く前提のもと、売上高2兆6,050億円(+1,813億円)、経常損益1,850億円(▲261億円)、親会社株主に帰属する当期純利益1,950億円(▲167億円)を予想する。自動車事業や定期船事業を中心に中東情勢の影響による一時的な収益低下が見込まれることに加え、物流事業ではのれん償却負担が業績押し下げ要因となる一方、成長投資の収益貢献が今後期待される。
| 項目 | 予想(2026年度) | 前期(2025年度実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 26,050億円 | 24,236億円 |
| 経常損益 | 1,850億円 | 2,111億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,950億円 | 2,117億円 |

株主還元
配当性向40%を基本方針とし、2025年度は期末配当を前回予想から1株当たり5円引き上げて115円とし、創業140周年記念配当25円(期末配当の内訳:普通配当90円、記念配当25円)を含め年間配当は230円/株(配当総額950億円、総還元性向116%、EPS504円)となる見込み。自己株式取得は2026年4月30日付で総額約1,500億円を取得完了。2026年度は下限配当200円に基づき年間配当200円/株(配当総額約800億円、総還元性向43%、EPS464円)を予定し、投資機会と事業環境を勘案し機動的な追加還元の実施を検討する。
| 項目 | 2025年度(実績) | 2026年度(予想) |
|---|---|---|
| 配当性向方針 | 40% | 40% |
| 下限配当 | 200円 | 200円 |
| 年間配当(一株当たり) | 230円(内、記念配当25円) | 200円 |
| 配当総額 | 950億円 | 約800億円 |

中期経営計画の進捗
現中期経営計画(2023~2026年度)は投資が順調に推移し、更なる成長機会の取り込みにより4年間での投資総額は当初計画1.2兆円から約1.6兆円に増加。中期経営計画発表時以降に営業CFの増加により創出したマネジメントアロケーションは、自己株式の追加取得(+2,800億円)や通常配当(+1,600億円)、追加投資CF(+4,200億円)に充当し、配分未決定分は最新の見通しで1,100億円。中期経営計画期間4年間の平均でROIC8.1%、ROE9.9%となり、当初掲げたROIC目標(6.5%以上)およびROE目標(8%~10%)を達成する水準となる見込み。

※本記事は日本郵船が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。