※本記事は広島電鉄が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
広島電鉄の2026年3月期連結決算は、売上高が前期比11.2%増の37,470百万円となり、5年連続の増収となった。来広するインバウンド客や国内旅行客の増加に加え、2025年2月に実施した運賃改定の影響で運輸業・観光関連業の収益が堅調に推移したほか、新路線「広島駅前大橋ルート」の開業、不動産事業では分譲マンション「ザ・広島フロント」の物件引き渡しも増収に寄与した。一方、人件費や経費、減価償却費の増加が影響し、営業損失290百万円、経常損失129百万円を計上したものの、いずれも前期から損失幅は縮小した。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益で運行補助金が増加したものの、減損損失や投資有価証券評価損の増加により、前期比16.0%減の1,158百万円となった。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は運輸業が+2,238百万円、不動産業が+955百万円と伸びをけん引した。営業損失・経常損失はいずれも前期から改善したが、赤字は継続している。1株当たり当期純利益は38.14円(前期45.42円)となった。
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 37,470 | 33,709 | +3,761(+11.2%) |
| 営業利益 | △290 | △1,419 | +1,129 |
| 経常利益 | △129 | △1,243 | +1,114 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,158 | 1,379 | △220(△16.0%) |
| 1株当たり当期純利益 | 38.14円 | 45.42円 | -7.28円 |

セグメント別の状況
5つの事業セグメントのうち、運輸業・流通業・不動産業・レジャー・サービス業は増収増益、建設業は民間の建築工事受注の減少により減収減益となった。運輸業は「広島駅前大橋ルート」の開業や被爆80年に伴う来広者の増加、宮島来島者数の過去最多更新等により増収したが、人件費や経費、減価償却費の増加により、運行補助金2,397百万円を含めても341百万円の損失を計上した。不動産業は「イオンタウン楽々園」の土地賃貸収入の通期計上や「ザ・広島フロント」の物件引き渡しにより増収増益となった。
| セグメント | 指標 | 当期 | 前期 |
|---|---|---|---|
| 運輸業 | セグメント収益 | 23,247 | 21,008 |
| 運輸業 | セグメント利益 | △2,739 | △3,110 |
| 流通業 | セグメント収益 | 1,237 | 1,191 |
| 流通業 | セグメント利益 | 11 | 4 |
| 不動産業 | セグメント収益 | 6,292 | 5,337 |
| 不動産業 | セグメント利益 | 2,172 | 1,584 |
| 建設業 | セグメント収益 | 6,816 | 7,389 |
| 建設業 | セグメント利益 | 235 | 245 |
| レジャー・サービス業 | セグメント収益 | 876 | 865 |
| レジャー・サービス業 | セグメント利益 | △26 | △73 |


通期業績予想
広島電鉄は2027年3月期の連結業績予想として、売上高40,880百万円(前期比+9.1%)、営業利益810百万円、経常利益870百万円を見込む。運輸業では「広島駅前ルート」開業効果の継続やバス運行補助金の科目変更もあることから増収を見込むほか、レジャー・サービス業では株式会社A&Cが連結子会社に加わることで増収を見込む。一方、人件費や設備投資の進捗に伴う減価償却費の増加、資源価格の上昇や金利上昇に伴う支払利息の増加を見込み、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比13.7%減の1,000百万円を予想する。
| 項目 | 予想 | 前期(実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 40,880 | 37,470 |
| 営業利益 | 810 | △290 |
| 経常利益 | 870 | △129 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,000 | 1,158 |
| セグメント | 対前年比 | 備考 |
|---|---|---|
| 運輸業 | +8% | 広島駅前ルート開業効果が続き、バス運行補助金の科目変更もあることから増収も、損失計上を想定 |
| 流通業 | +0% | 前年並みを想定 |
| 不動産業 | △14% | 前期に計上した大型販売物件がないため、減収減益を想定 |
| 建設業 | +11% | 民間の建築工事受注の増加に伴い増収となるものの、資材高等の影響もあり前年並みの利益を想定 |
| レジャー・サービス業 | +193% | ボウリング業の営業終了があるものの、株式会社A&Cがグループに加わることで、増収増益を想定 |

株主還元
本資料に配当など株主還元に関する記載はない。
設備投資・有利子負債の状況
2026年3月期の設備投資額(連結)は5,600百万円で、広島駅前大橋ルート・循環線整備981百万円、電車運行管理装置824百万円、自動車事業用車両30両929百万円、超低床車両型路面電車1編成605百万円、獅子岩駅線搬器更新252百万円、MOBIRY DAYS改修500百万円などを実施した。2027年3月期は、5200形グリーンムーバーAPEX1編成605百万円、自動車事業用車両33両768百万円などの設備投資を予定する。有利子負債(連結)は2026年3月期末で30,579百万円となった。
※本記事は広島電鉄が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。