※本記事はソニーフィナンシャルGが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ソニーフィナンシャルグループの2026年3月期(2025年度)は、グループ連結修正純利益が前年度比71%増の1,051億円となり、修正ROEは10.6%となりました。主に生命保険事業および損害保険事業の増益が寄与しています。日本会計基準では経常収益2兆8,710億円(前年度比9.6%増)、経常利益845億円(同88.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益554億円(同29.6%減)でした。2025年度末のグループ連結ESRは前年度末から12ポイント低下し177%、2026年度のグループ連結修正純利益見通しは1,100億円、1株当たり配当は年間8.0円を予定しています。
連結業績(2026年3月期 実績)
資料では、当期純利益から市況変動や一時的な要因等を除いた「修正純利益」をグループの主要な利益指標としています。2025年度のグループ連結修正純利益は1,051億円(前年度比+71%)、修正ROEは10.6%(前年度5.6%)となりました。一方、IFRS会計基準の税引前利益は△114億円(前年度は1,305億円)で、当期純利益から修正純利益への調整では、生命保険事業関連の調整項目が1,138億円計上されています(うち有価証券の売却損益1,827億円、保険金融損益のうち変額保険関連損益・為替差額1,681億円、投資損益のうち変額保険関連損益・為替差額△1,932億円、税効果△439億円)。
| 項目 | 当期(FY25) | 前期(FY24) | 増減 |
|---|---|---|---|
| グループ連結修正純利益 | 1,051億円 | 613億円 | +71% |
| 修正ROE | 10.6% | 5.6% | - |
| 税引前利益(IFRS会計基準) | △114億円 | 1,305億円 | - |
| 経常収益(日本会計基準) | 28,710億円 | 26,187億円 | +2,523億円(+9.6%) |
| 経常利益(日本会計基準) | 845億円 | 448億円 | +396億円(+88.4%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(日本会計基準) | 554億円 | 787億円 | △232億円(△29.6%) |
| 総資産(26.3末/25.3末) | 238,071億円 | 233,709億円 | +4,362億円(+1.9%) |
| 純資産(26.3末/25.3末) | 6,292億円 | 6,697億円 | △404億円(△6.0%) |

事業別(セグメント別)の状況
生命保険事業の修正純利益は848億円(前年度比+368億円/+76.9%)。前年比の主な要因は、税率変更の影響+210億円、レポコストの減少等+120億円、CSM償却額の増加等+60億円、損失要素の増加△90億円です。ソニー生命の新契約年換算保険料は2025年度累計で1,730億円(前年度1,808億円)、税引前CSM残高は20,559億円(前年度末20,685億円)、ライフプランナー数は6,034人(前年度末5,795人)、代理店サポーター数は318人(同265人)となりました。保有契約年換算保険料は1.38兆円(FY25末)です。
損害保険事業の修正純利益は106億円(前年度比+76億円/+247.3%)。火災保険における損失要素の減少等+40億円、自動車保険における増収効果+10億円、発生保険金の減少+10億円が寄与しました。ソニー損保の元受正味保険料は1,995億円(自動車1,709億円、火災183億円、その他102億円)、コンバインドレシオはE.I.損害率68.2%+正味事業費率24.6%の92.8%と前年度(95.1%)から改善しています。銀行事業の修正純利益は128億円(前年度比+4億円/+3.5%)で、資金収支改善+37億円、システム費用等営業経費の増加△29億円が主な変動要因です。ソニー銀行の円預金残高は39,410億円、外貨預金残高は7,705億円、住宅ローン残高は3兆5,503億円、顧客口座数は214万6千口座となりました。
| 区分 | 指標 | 当期(FY25) | 前期(FY24) |
|---|---|---|---|
| 生命保険事業 | 修正純利益(IFRS) | 848億円 | 479億円 |
| 損害保険事業 | 修正純利益(IFRS) | 106億円 | 30億円 |
| 銀行事業 | 修正純利益(IFRS) | 128億円 | 124億円 |
| その他 | 修正純利益(IFRS) | △32億円 | △21億円 |
| グループ連結 | 修正純利益(IFRS) | 1,051億円 | 613億円 |
| 生命保険事業 | 経常収益/経常利益(日本会計基準) | 25,350億円/594億円 | 23,170億円/206億円 |
| 損害保険事業 | 経常収益/経常利益(日本会計基準) | 1,913億円/125億円 | 1,688億円/72億円 |
| 銀行事業 | 経常収益/経常利益(日本会計基準) | 1,298億円/167億円 | 1,170億円/188億円 |
| 連結 | 経常収益/経常利益(日本会計基準) | 28,710億円/845億円 | 26,187億円/448億円 |

通期業績予想(2027年3月期)
中期経営計画最終年度である2026年度のグループ連結修正純利益見通しは、前年度比+49億円の1,100億円(前年度比+5%)。生命保険事業はほぼ前年度並みとする一方、ソニー損保のコンバインド・レシオ改善、ソニー銀行の預金残高とスプレッドの拡大により増益を見込みます。修正ROEは10.0%以上を公表目標としています。IFRS会計基準の税引前利益は△200億円の見通しで、金利前提は40年JGB(複利)3.7%、修正純利益の感応度は金利10bp上昇時に年△4億円程度(概算)としています。ソニー生命では新契約年換算保険料は増加する一方、金利上昇や保険前提変更の影響によりIFRS新契約価値は減少を見込みます。
| 項目 | FY26見通し | FY25実績 |
|---|---|---|
| グループ連結修正純利益 | 1,100億円 | 1,051億円 |
| グループ連結修正ROE | 10.0%以上 | 10.6% |
| 生命保険事業 修正純利益 | 850億円 | 848億円 |
| 損害保険事業 修正純利益 | 120億円 | 106億円 |
| 銀行事業 修正純利益 | 150億円 | 128億円 |
| その他 修正純利益 | △20億円 | △32億円 |
| 税引前利益(IFRS会計基準) | △200億円 | △114億円 |
| ソニー生命 IFRS新契約価値 | 2,000億円 | 2,274億円 |
| ソニー生命 新契約年換算保険料 | 1,800億円超 | 1,730億円 |
| ソニー生命 IFRS包括資本 | 2.1兆円 | 2.0兆円 |
| ソニー損保 元受正味保険料 | 2,200億円 | 1,995億円 |
| ソニー損保 コンバインド・レシオ | 91.6%(E.I.損害率67.9%+事業費率23.7%) | 92.8%(E.I.損害率68.2%+事業費率24.6%) |
| ソニー銀行 外貨預金残高 | 8,100億円 | 7,705億円 |
| ソニー銀行 円預金残高 | 4.3兆円 | 3.9兆円 |
| ソニー銀行 住宅ローン残高 | 3.5兆円 | 3.5兆円 |
| ソニー銀行 口座数 | 220万超 | 214万 |

株主還元
株主還元の基本方針は、配当を最優先とし、1株当たり年間配当額の減額は原則行わず安定的な配当の成長を目指すこと、IFRS修正純利益×配当性向40〜50%を目安とすることです。2025年度は1株当たり3.8円の期末配当(パーシャル・スピンオフの効力発生が2025年10月1日のため半期分、配当総額256億円)を実施し、年換算では7.6円、配当性向は49%(年換算)となりました。2026年度は中間4.0円・期末4.0円の年2回、合計8.0円(年換算前年度比+5%)の配当を予定し、配当性向は49%の見込みです。自己株式取得は資本水準と成長投資のバランスを考慮して実行する方針で、2025年度は1,000億円の取得枠に対し698億円を実施済みです。また、グループ連結ESRが一定期間215%を超える場合には追加的リスクテイク・株主還元拡大等を検討し、アラームポイント(125%)に到達した場合には株主還元の見直しを行うとしています。
| 項目 | FY25(実績) | FY26(予想) |
|---|---|---|
| 1株当たり配当金 | 期末3.8円(年換算7.6円) | 中間4.0円+期末4.0円=年間8.0円 |
| 配当総額 | 256億円 | 開示なし |
| 配当性向 | 49%(年換算) | 49% |
| 自己株式取得 | 698億円(取得枠1,000億円) | 開示なし |

財務健全性(ESR)
2025年度末のグループ連結ESRは177%(前年度末189%、△12pt)で、目標水準(下限165%・上限215%)を維持しました。経済価値資本は2.24兆円、経済価値税引後リスク量は1.26兆円です。40年JGB(複利)が2.69%から3.71%へ+102bp上昇したことによる影響が△36ptあった一方、新契約獲得+8pt、施策効果+23pt(デリバティブ活用・債券売却+12pt、劣後ファイナンス+8pt、為替ヘッジ変更+2pt)、自己株式取得△6pt、その他△1ptで着地しました。2025年度累計の債券売却額は前年度から1,000億円増の約2,300億円です。金利50bp上昇時の連結ESR感応度は△16pt程度(概算)で、円金利50bp上昇時△12pt、米ドル金利50bp上昇時△4pt。ソニー生命単体ESRは162%となっています。今後は債券売却とデリバティブ活用を中心とした施策(時価・想定元本 約7,000億円)などにより、FY26-27でESR水準を20pt超引き上げることを目標とし、アラームポイントに到達する40年JGB金利をFY25末の6.0%から7%程度まで引き上げることを目指します。
中期経営計画/トピック
2026年度は中期経営計画の最終年度であり、FY27より始まる次期中期経営計画での更なる成長に向けて、「持続的成長に向けた経営基盤の強化」と「顧客拡大に向けたグループ戦略の進化」に取り組むとしています。経営基盤の強化では、企業価値向上に資する報酬制度(FY25にPSU・RSUを導入、グループ連結修正純利益をKPIに設定)、グループ横断の人材プラットフォーム構築、ソニーグループ派遣取締役をゼロとするガバナンス体制の構築(独立社外取締役比率80%、女性取締役比率20%)、営業・商品・資産運用を一体でマネジメントするERM経営への進化を掲げています。顧客拡大では、会社の枠を超えた「スクラム戦略」として、ソニー生命専用の銀行サービス、ソニー損保によるソニー生命商品の展開、デジタルアセット機能の提供などをFY26-27に順次リリースする予定です。株主構成は、2025年度末時点で外国法人等29.4%、個人・その他29.8%と、上場時(外国法人等50.6%、個人・その他7.7%)から変化しています。なお、ソニー生命では2026年4月24日公表の不正事案対応として、約280万人を対象としたお客さま確認を4月末より開始し、2026年11月末を目途に完了する予定です。
※本記事はソニーフィナンシャルGが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。