※本記事はリコーリースが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
リコーリースは2026年3月期の連結決算で増収減益となった。営業資産の増加や資産利回りの向上等により売上高・売上総利益は過去最高を更新したが、事業基盤(人財・IT等)強化に向けた投資により営業利益は減益となり、特別損失の発生により当期純利益は期初計画に届かなかった。1株当たり配当金は5円増配の185円とし、配当性向は中期経営計画の目標であった40%以上を達成した。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は3,385億円(前期比+8.5%)、売上総利益は501億円(同+3.3%)でいずれも過去最高を更新した。資金原価の増加を差引利益の増加で吸収した一方、事業基盤強化に向けた投資等により販売費及び一般管理費は295億円(同+10.2%)に増加し、営業利益は206億円(同△5.1%)、経常利益は210億円(同△4.5%)といずれも減益となった。当期純利益は特別損失の発生(Welfareすずらんの減損計上等が影響)により128億円(同△18.1%)となった。営業利益・経常利益は期初計画(それぞれ190億円・192億円)を上回ったが、当期純利益は期初計画132億円に対し達成率97.1%にとどまった。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,385億円 | 3,121億円 | +8.5% |
| 売上総利益 | 501億円 | 485億円 | +3.3% |
| 販売費及び一般管理費 | 295億円 | 268億円 | +10.2% |
| 営業利益 | 206億円 | 217億円 | △5.1% |
| 経常利益 | 210億円 | 220億円 | △4.5% |
| 当期純利益 | 128億円 | 156億円 | △18.1% |
| 1株当たり配当金 | 185.00円 | 180.00円 | +5.00円 |
| 1株当たり純利益 | 415.96円 | 507.99円 | △92.03円 |
| 配当性向 | 44.5% | 35.4% | +9.0pt |
| ROA(総資産当期純利益率) | 0.90% | 1.19% | △0.29pt |
| ROE(自己資本利益率) | 5.4% | 6.9% | △1.5pt |

営業資産残高は12,832億円(前期末比+615億円)となり、リース&ファイナンス事業、インベストメント事業ともに増加した。資金原価は71.0億円(前期37.1億円)に増加し、資金原価率は0.59%(前期0.33%)に上昇した。貸倒引当金繰入額は20億円(前期比+76.6%)に増加した。
事業分野別の状況
営業資産残高の増加や資産利回りの向上により、全分野で差引利益は増加した。契約実行高は、オフィス、設備投資、医療・ヘルスケアの各分野で伸長した一方、不動産分野は前年度に獲得した大口案件の反動により契約実行高が減少、環境分野も太陽光発電関連の減少により契約実行高が減少し、合計では前年度比△2.9%となった。
| 分野 | 差引利益(当期) | 差引利益(前期) | 伸率 | 契約実行高(当期) | 契約実行高(前期) | 伸率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| オフィス分野 | 178億円 | 160億円 | +11.1% | 1,342億円 | 1,236億円 | +8.6% |
| 設備投資分野 | 118億円 | 106億円 | +11.5% | 1,269億円 | 1,180億円 | +7.5% |
| 医療・ヘルスケア分野 | 63億円 | 59億円 | +6.9% | 338億円 | 323億円 | +4.7% |
| 不動産分野 | 97億円 | 87億円 | +10.7% | 1,178億円 | 1,430億円 | △17.6% |
| 環境分野 | 38億円 | 38億円 | +0.4% | 250億円 | 338億円 | △26.1% |
| as a Service分野 | 36億円 | 31億円 | +14.6% | 155億円 | 160億円 | △3.4% |
| BPO分野 | 40億円 | 38億円 | +4.8% | - | - | - |
| 合計 | 572億円 | 522億円 | +9.6% | 4,534億円 | 4,669億円 | △2.9% |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は2回の政策金利引き上げを想定し、資金原価の増加が続くと見込むが、売上総利益は前期並みの504億円を確保する計画。テクノレント統合および社名変更に伴う一時費用の発生等により販売費及び一般管理費は328億円に増加し、営業利益は176億円(同△14.7%)、経常利益は174億円(同△17.3%)、当期純利益は119億円(同△7.2%)といずれも減益を予想している。将来の企業価値向上に向けた成長投資を実行するとともに、株主還元方針の見直しに伴い特別配当を実施する。1株当たり配当金は普通配当186円に特別配当70円を加えた256円(前期比+71円)を予想し、配当性向は66.3%を見込む。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 2026年3月期実績 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,700億円 | 3,385億円 | +9.3% |
| 売上総利益 | 504億円 | 501億円 | +0.5% |
| 販売費及び一般管理費 | 328億円 | 295億円 | +11.0% |
| 貸倒引当金繰入額 | 20億円 | 20億円 | △0.9% |
| 営業利益 | 176億円 | 206億円 | △14.7% |
| 経常利益 | 174億円 | 210億円 | △17.3% |
| 当期純利益 | 119億円 | 128億円 | △7.2% |
| 営業資産残高 | 13,430億円 | 12,832億円 | +4.7% |
| 1株当たり配当金 | 256.00円 | 185.00円 | +71.00円 |
| うち普通配当 | 186.00円 | 185.00円 | +1.00円 |
| うち特別配当 | 70.00円 | - | +70.00円 |
| 1株当たり純利益 | 386.06円 | 415.96円 | △29.90円 |
| 配当性向 | 66.3% | 44.5% | +21.8pt |
| ROA(総資産当期純利益率) | 0.80% | 0.90% | △0.11pt |
| ROE(自己資本利益率) | 4.9% | 5.4% | △0.5pt |

26-28中期経営計画
同社は2027年3月期から2029年3月期を計画期間とする「26-28中期経営計画」を発表した。成長投資と適正分配の好循環により企業価値向上を実現することを目指す方針で、累進配当を基本方針としたうえで、創業50周年を契機に2026年度から6年間(26-28中計・29-31中計)にわたり連続的な特別配当を実施するとしている。財務見通しでは、2029年3月期に売上総利益551億円(26/3期比CAGR+3.2%)、営業利益210億円(同+0.6%)、当期純利益145億円(同+4.2%)、ROA0.93%、ROE5.7%、1株あたり年間配当金258円(同+11.7%)、営業資産残高13,940億円(同+2.8%)を見通している。あわせて、事業ごとの収益性・収益額を明確にするため、現行の事業分野別区分から「ベンダー&カスタマーソリューション事業」「環境・不動産事業」「BPO&サービス事業」の3事業へとセグメントを再構築する予定で、27/3期は任意開示(決算説明資料等)、28/3期から制度開示(有価証券報告書・決算短信等)に反映するとしている。
| 項目 | 2029年3月期見通し | 2026年3月期実績 | CAGR(26/3→29/3) |
|---|---|---|---|
| 売上総利益 | 551億円 | 501億円 | +3.2% |
| 営業利益 | 210億円 | 206億円 | +0.6% |
| 当期純利益 | 145億円 | 128億円 | +4.2% |
| ROA | 0.93% | 0.90% | - |
| ROE | 5.7% | 5.4% | - |
| 1株あたり年間配当金 | 258円 | 185円 | +11.7% |
| 営業資産残高 | 13,940億円 | 12,832億円 | +2.8% |
| 付加価値額+成長投資 | 401億円 | 336億円 | +6.0% |

株主還元
2026年3月期の1株当たり配当金は5円増配の185円(すべて普通配当)とし、配当性向は44.5%と中期経営計画の目標であった40%以上を達成した。2027年3月期は株主還元方針の見直しに伴い、普通配当186円に特別配当70円を加えた1株当たり256円を予定している。
トピック
同社は連結子会社であるテクノレント株式会社の統合を進めており、2026年6月29日開催予定の第50回定時株主総会での定款一部変更の承認を条件に、2026年12月に商号を「RiTRES(リトレス)」に変更する予定としている。また、2026年3月期の当期純利益にはWelfareすずらんの減損計上が影響したことを明らかにしている。
※本記事はリコーリースが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。