※本記事はTOPPAN HDが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
TOPPANホールディングスの2026年3月期(2025年度)通期は、Sonoco社TFP事業などが新規連結で加わり、売上高が18,050億円(前年同期比5.0%増)となった。一方で営業利益は、北米の食品パッケージの不振とFC-BGAの収益回復の遅れ、下期からのテクセンドフォトマスク社(TPC)の連結除外などの影響から671億円(同21.1%減)に減益。M&A関連費用等を除いたNon-GAAP営業利益は941億円(同3.5%減)、当期利益は648億円(同28.1%減)だった。事業ポートフォリオの組み換えが進展し、Non-GAAPベースの収益は概ね横ばいで、Non-GAAP ROEは5.4%と5%超を達成した。2027年3月期は売上高19,250億円、営業利益800億円、Non-GAAP営業利益1,010億円を計画している。
連結業績(当期 実績)
売上高は18,050億円(前年同期比5.0%増)。売上総利益は4,242億円で粗利率は23.5%と0.5%ポイント悪化し、TPCの連結除外影響やFC-BGAの回復遅れ、北米食品パッケージの需要鈍化など高付加価値製品の構成比低下が要因となった。販売費および一般管理費は3,571億円、対売上高比は19.8%と0.7%ポイント上昇し、新規連結分による増加が主な要因。営業利益は671億円(利益率3.7%)、Non-GAAP営業利益は941億円(同5.2%)で35億円の減益となり、TPCの連結除外(▲131億円)や賞与引当期間統一の影響(▲54億円)などの減益要因を本業の収益でカバーできなかった。営業外収支は、TPCの持分法適用会社化に伴う持分法投資利益の増加(+58億円)により86億円の黒字に拡大(前期は45億円の黒字)し、経常利益は757億円。特別利益616億円、特別損失319億円を計上し、税引前利益1,053億円、当期利益648億円(利益率3.6%、同28.1%減)となった。
| 項目 | FY2025(当期) | FY2024(前期) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 18,050億円 | 17,195億円 | +5.0% |
| 売上総利益 | 4,242億円 | 4,133億円 | - |
| 粗利率 | 23.5% | 24.0% | - |
| 販売費および一般管理費 | 3,571億円 | 3,282億円 | - |
| 対売上高比 | 19.8% | 19.1% | - |
| 営業利益 | 671億円(利益率3.7%) | 850億円(利益率4.9%) | ▲21.1% |
| Non-GAAP営業利益 | 941億円(利益率5.2%) | 976億円(利益率5.7%) | ▲3.5% |
| 経常利益 | 757億円 | 895億円 | - |
| 特別利益 | 616億円 | 1,838億円 | - |
| 特別損失 | 319億円 | 882億円 | - |
| 税引前利益 | 1,053億円 | 1,852億円 | - |
| 当期利益 | 648億円(利益率3.6%) | 901億円(利益率5.2%) | ▲28.1% |
| EBITDA | 1,548億円 | 1,663億円 | - |
| 為替レート(円/$) | 151円 | 152円 | - |
| 為替レート(円/€) | 175円 | 163円 | - |

セグメント別の状況
情報コミュニケーションは売上高9,232億円(前期9,255億円、▲0.2%)、営業利益450億円(同455億円、▲1.1%、利益率4.9%)、Non-GAAP営業利益534億円(同517億円、+3.3%)と、教科書が減少したもののデジタルビジネスやICカードなどが伸長し、全体ではほぼ横ばいとなった。生活・産業は売上高7,230億円(同5,501億円、+31.4%)と、TFP事業等の新規連結効果で大幅増収となったが、買収関連一時費用の発生や北米の食品パッケージ需要低迷などにより営業利益は330億円(同334億円、▲1.1%)と減益。Non-GAAP営業利益は508億円(同389億円、+30.6%)と大幅増益だった。エレクトロニクスは、TPCの連結除外により売上高1,863億円(同2,833億円、▲34.2%)、営業利益336億円(同530億円、▲36.5%)と大幅減益となったが、FC-BGAは高付加価値品の比率が高まり回復基調にある。
| セグメント | 指標 | FY2025(当期) | FY2024(前期) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 情報コミュニケーション | 売上高 | 9,232億円 | 9,255億円 | ▲0.2% |
| 情報コミュニケーション | 営業利益 | 450億円(利益率4.9%) | 455億円(利益率4.9%) | ▲1.1% |
| 情報コミュニケーション | Non-GAAP営業利益 | 534億円(利益率5.8%) | 517億円(利益率5.6%) | +3.3% |
| 生活・産業 | 売上高 | 7,230億円 | 5,501億円 | +31.4% |
| 生活・産業 | 営業利益 | 330億円(利益率4.6%) | 334億円(利益率6.1%) | ▲1.1% |
| 生活・産業 | Non-GAAP営業利益 | 508億円(利益率7.0%) | 389億円(利益率7.1%) | +30.6% |
| エレクトロニクス | 売上高 | 1,863億円 | 2,833億円 | ▲34.2% |
| エレクトロニクス | 営業利益 | 336億円(利益率18.1%) | 530億円(利益率18.7%) | ▲36.5% |
| エレクトロニクス | Non-GAAP営業利益 | 341億円(利益率18.3%) | 534億円(利益率18.9%) | ▲36.2% |
| 調整額 | 売上高 | -275億円 | -394億円 | - |
| 調整額 | 営業利益 | -446億円 | -469億円 | - |
| 調整額 | Non-GAAP営業利益 | -442億円 | -465億円 | - |
| 合計 | 売上高 | 18,050億円 | 17,195億円 | +5.0% |
| 合計 | 営業利益 | 671億円 | 850億円 | ▲21.1% |
| 合計 | Non-GAAP営業利益 | 941億円 | 976億円 | ▲3.5% |

通期業績予想
2027年3月期(2026年度)計画は、売上高19,250億円(前年同期比6.6%増)、営業利益800億円(同19.2%増、利益率4.2%)、Non-GAAP営業利益1,010億円(同7.2%増、利益率5.2%)、EBITDA1,750億円(同13.0%増)。当期純利益は550億円(同15.1%減、利益率2.9%)、Non-GAAP当期純利益は750億円(同5.2%増)を見込む。ROEは4.2%、Non-GAAP ROEは5.7%、自己資本比率は51.2%を想定し、為替レートは150円/$、175円/€を前提としている。Non-GAAP営業利益はTPC持分法化影響(▲130億円)を、生活系の一時費用減(+95億円)や各事業の成長でカバーし増益となる見通し。
| 項目 | FY2026計画 | FY2025実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 19,250億円 | 18,050億円 | +6.6% |
| 営業利益 | 800億円(利益率4.2%) | 671億円(利益率3.7%) | +19.2% |
| Non-GAAP営業利益 | 1,010億円(利益率5.2%) | 941億円(利益率5.2%) | +7.2% |
| EBITDA | 1,750億円 | 1,548億円 | +13.0% |
| 当期純利益 | 550億円(利益率2.9%) | 648億円(利益率3.6%) | ▲15.1% |
| Non-GAAP当期純利益 | 750億円(利益率3.9%) | 712億円(利益率4.0%) | +5.2% |
| ROE | 4.2% | 4.9% | ▲0.7% |
| Non-GAAP ROE | 5.7% | 5.4% | +0.3% |
| EPS | 198.57円 | 227.07円 | ▲12.6% |
| Non-GAAP EPS | 270.78円 | 249.74円 | +8.4% |
| BPS | 4,780.45円 | 4,742.83円 | +0.8% |
| 一株当たり配当金 | 58円 | 58円 | - |
| 自己資本比率 | 51.2% | 52.3% | ▲1.1% |
| 為替レート(円/$) | 150円 | 151円 | - |
| 為替レート(円/€) | 175円 | 175円 | - |
| 自己株式取得額 | 500億円(上限) | 299.9億円 | - |

セグメント別では、情報ソリューションが売上高9,660億円(前年同期比4.6%増)、営業利益545億円(同21.1%増)、Non-GAAP営業利益610億円(同14.2%増)。生活・産業は売上高8,270億円(同14.4%増)、営業利益495億円(同50.0%増)、Non-GAAP営業利益640億円(同26.0%増)。エレクトロニクスはTPCの非連結化や次世代半導体パッケージ開発費用の増加により、売上高1,620億円(同13.0%減)、営業利益240億円(同28.6%減)、Non-GAAP営業利益240億円(同29.6%減)を見込む。
| セグメント | 指標 | FY2026計画 | FY2025実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 情報ソリューション | 売上高 | 9,660億円 | 9,232億円 | +4.6% |
| 情報ソリューション | 営業利益 | 545億円(利益率5.6%) | 450億円(利益率4.9%) | +21.1% |
| 情報ソリューション | Non-GAAP営業利益 | 610億円(利益率6.3%) | 534億円(利益率5.8%) | +14.2% |
| 生活・産業 | 売上高 | 8,270億円 | 7,230億円 | +14.4% |
| 生活・産業 | 営業利益 | 495億円(利益率6.0%) | 330億円(利益率4.6%) | +50.0% |
| 生活・産業 | Non-GAAP営業利益 | 640億円(利益率7.7%) | 508億円(利益率7.0%) | +26.0% |
| エレクトロニクス | 売上高 | 1,620億円 | 1,863億円 | ▲13.0% |
| エレクトロニクス | 営業利益 | 240億円(利益率14.8%) | 336億円(利益率18.1%) | ▲28.6% |
| エレクトロニクス | Non-GAAP営業利益 | 240億円(利益率14.8%) | 341億円(利益率18.3%) | ▲29.6% |
| 調整額 | 売上高 | ▲300億円 | ▲275億円 | +9.1% |
| 調整額 | 営業利益 | ▲480億円 | ▲446億円 | +7.6% |
| 調整額 | Non-GAAP営業利益 | ▲480億円 | ▲442億円 | +8.6% |
| 合計 | 売上高 | 19,250億円 | 18,050億円 | +6.6% |
| 合計 | 営業利益 | 800億円(利益率4.2%) | 671億円(利益率3.7%) | +19.2% |
| 合計 | Non-GAAP営業利益 | 1,010億円(利益率5.2%) | 941億円(利益率5.2%) | +7.2% |

株主還元
2026年3月期の一株当たり配当金は58.0円(前期56.0円)で、2027年3月期も58円を計画。自己株式取得額は2026年3月期が299.9億円、2027年3月期は500億円(上限)とする。なお自己株式取得期間はFY2025が2025年5月15日〜2026年5月14日、FY2026が2026年5月15日〜2027年5月14日で、会計年度とは一致していない。一株当たり自己資本(BPS)は4,742.83円(前期4,471.44円)、自己資本比率は52.3%。自己株式は消却により2025年3月末の▲1,143億円から2026年3月末は▲452億円に減少した。
中期経営計画/トピック
政策保有株式の縮減では、2026年3月末時点で連結純資産比率が12.3%(みなし保有株含む)となり、中計目標の15%未満を達成した。2018年4月以降の売却金額は8,000億円規模、2026年3月末までに165銘柄を縮減(2018年3月末比▲51%)し、保有銘柄数は2025年3月期末の174銘柄から2026年3月期末は156銘柄(一部売却を含めて36銘柄を売却)となった。これに伴い26/3期通期決算では特別利益542億円、特別損失11億円を計上。次期中計では2029年3月末時点で7%未満の達成を目指す。成長領域「Erhoeht-X」の2025年度売上高は3,320億円(前期2,950億円、+370億円)となり、スケール化が着実に進み全体で増益、Non-GAAPベースでも全カテゴリーで増益となった。また、ポートフォリオ変革加速に向けて情報系のサブセグメントを「セキュア」「IoTソリューション」「マーケティング」「BPO」「証券・事務系印刷」「情報系印刷」「情報系その他」に再定義した。中東影響については、最も影響が大きいのは生活系セグメントとし、コスト増は全て価格転嫁を行い事業への影響を抑制する方針で、足元の在庫は1Qまでは概ね確保できているものの、2Q以降は情勢が流動的なため不透明な状況としている。
※本記事はTOPPAN HDが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。