※本記事はJMSが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ジェイ・エム・エスは2026年3月期の連結決算で、売上高65,845百万円(前期比5.6%減)、営業利益381百万円(同56.3%減)と減収減益になった。日本国内はがん治療領域や栄養領域が伸長したものの、海外では血液・細胞領域が減少したことが響いた。構造改革の一環で韓国の生産拠点において事業再編損を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は783百万円の損失となり、前期の89百万円の黒字から赤字に転落した。年間配当は1株当たり17円を予定している。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は北米向け成分献血用回路やアフリカ・アジア向け血液バッグの減少により減収となった。営業利益は原価低減及び販管費節減の効果があったものの、海外主力製品の減少影響により減益。経常利益は販管費の低減や持分法による投資利益があったものの、為替差損の計上もあり減少した。構造改革の一環として進めている海外生産拠点の再編に伴い、韓国の生産拠点において事業再編損を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は当期純損失となった。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 65,845百万円 | 69,749百万円 | △3,904百万円 | △5.6% |
| 営業利益 | 381百万円 | 872百万円 | △491百万円 | △56.3% |
| 経常利益 | 356百万円 | 514百万円 | △158百万円 | △30.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △783百万円 | 89百万円 | △873百万円 | ー |
セグメント別(拠点別)の状況
拠点別(経常利益ベース)では、日本は薬剤調製・投与クローズドシステムや摂食嚥下関連用品が堅調に推移したものの、中国向け血液透析装置及び急性血液浄化装置が減少したことにより減収。支払手数料や研究開発費等の増加も加わり減益となった。シンガポール(生産体制を相互に補完するインドネシアの現地法人を含む)は、北米向け成分献血用回路やアフリカ及びアジア向け血液バッグが減少したことにより減収したが、コミッション及び為替差損の減少により赤字幅は縮小した。ドイツは増収増益、中国とその他は増益、フィリピンは減益(赤字幅拡大)だった。
| 拠点 | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本 | 売上高 | 44,759百万円 | 46,030百万円 | △1,271百万円 | △2.8% |
| 日本 | 利益(経常利益ベース) | 949百万円 | 1,483百万円 | △533百万円 | △36.0% |
| シンガポール | 売上高 | 23,726百万円 | 26,539百万円 | △2,812百万円 | △10.6% |
| シンガポール | 利益(経常利益ベース) | △47百万円 | △200百万円 | 152百万円 | ー |
| 中国 | 売上高 | 3,985百万円 | 4,163百万円 | △177百万円 | △4.3% |
| 中国 | 利益(経常利益ベース) | 87百万円 | △28百万円 | 116百万円 | ー |
| フィリピン | 売上高 | 3,335百万円 | 3,661百万円 | △326百万円 | △8.9% |
| フィリピン | 利益(経常利益ベース) | △727百万円 | △415百万円 | △312百万円 | ー |
| ドイツ | 売上高 | 3,956百万円 | 4,469百万円 | △513百万円 | △11.5% |
| ドイツ | 利益(経常利益ベース) | 473百万円 | 454百万円 | 18百万円 | 4.1% |
| その他 | 売上高 | 5,929百万円 | 5,048百万円 | 881百万円 | 17.5% |
| その他 | 利益(経常利益ベース) | 24百万円 | △385百万円 | 409百万円 | ー |

システム別・地域別の売上高
システム別売上高では、輸液・栄養領域は24,002百万円(前期24,075百万円)、透析領域は21,380百万円(前期21,798百万円)、外科治療領域は5,362百万円(前期5,472百万円)、血液・細胞領域は13,380百万円(前期16,812百万円)だった。血液・細胞領域は北米向け成分献血用回路やアフリカ及びアジア向け血液バッグの減少、中国及び日本向け急性血液浄化装置の減少が影響した。地域別では、日本は薬剤調製・投与クローズドシステムや摂食嚥下関連用品の伸長により増収、ヨーロッパはAVF針や成分献血用回路が堅調に推移し増収となった一方、アジアは血液透析装置及び急性血液浄化装置、北米は成分献血用回路が低調に推移し減収となった。
| 地域 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 増減率 | 構成比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本 | 40,192百万円 | 39,821百万円 | 370百万円 | 0.9% | 61.0% |
| アジア | 10,206百万円 | 12,325百万円 | △2,119百万円 | △17.2% | 15.5% |
| 北米 | 5,383百万円 | 7,197百万円 | △1,814百万円 | △25.2% | 8.2% |
| ヨーロッパ | 7,998百万円 | 7,699百万円 | 298百万円 | 3.9% | 12.1% |
| その他 | 2,065百万円 | 2,704百万円 | △639百万円 | △23.7% | 3.1% |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期の業績予想は、売上高66,000百万円、営業利益1,000百万円、経常利益900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益600百万円としている。前提為替レートは1米ドル=150円、1ユーロ=175円、1シンガポールドル=117円。売上面では、日本国内は一部商品の取扱中止があるものの薬剤調製・投与クローズドシステムの診療報酬加算による需要拡大により増収を見込み、海外は韓国での取扱い品目減少による減収があるものの北米・欧州向けAVF針の販売伸長、成分献血用回路の需要回復により増収を見込む。利益面では主力品・注力品の販売強化により増益を図る一方、中東情勢の緊迫化を背景とした原材料・エネルギー価格の高騰に対し、価格転嫁、コスト削減、販管費の効率化を徹底するとしている。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 対前期増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 66,000百万円 | 65,845百万円 | 0.2% |
| 営業利益 | 1,000百万円 | 381百万円 | 162.1% |
| 経常利益 | 900百万円 | 356百万円 | 152.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 600百万円 | △783百万円 | ー |

株主還元
2026年3月期の年間配当は1株当たり17円(予定、中間配当8.5円、期末配当8.5円)としている。前期の配当実績や2027年3月期の配当予想に関する記載は資料にない。
中期経営計画
同社は中期経営計画2027(2024〜2026年度)のもと、全社経営目標として2027年3月期に営業利益25億円、ROIC3.5%以上を掲げている。成長領域のがん治療では、閉鎖式薬剤移注システム「ネオシールド」の市場拡大に加え、診療報酬改定で抗がん薬投与時の加算が付与されたことを受け増産体制の構築を推進中としている。新規領域の在宅治療では、JMS帝人ホームメディカルケア株式会社が2025年4月より運営を開始し、腹膜透析関連売上高は過去最高水準を達成したとしている。生産拠点の構造改革では、JMS韓国を製造拠点から販売会社へ事業転換し、構造改革費用として約9億円を特別損失に計上した。中期経営計画2027は最終年度を迎え、事業価値最大化のための戦略実行を重点施策とし、次期中期経営計画への移行を進めるとしている。

※本記事はJMSが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。