※本記事は第一興商が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
第一興商は2026年3月期(2025年4月~2026年3月)の連結業績を発表した。新商品「LIVE DAM WAO!」の発売効果やカラオケ店舗の集客好調などにより、売上高は前期比6.5%増の162,950百万円と過去最高を更新した。一方、新商品関連プロモーション費用や人件費、本社移転費用等により販管費が増加し、営業利益は前期比0.2%減の17,917百万円とほぼ横ばいで着地した。当期純利益は前期にあった繰延税金資産の積み増しの反動により前期比12.6%減の15,889百万円となったが、売上・利益の各項目は概ね業績予想通りの水準だった。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は162,950百万円(前期比6.5%増)、売上総利益は56,179百万円(同4.5%増)となった。販管費は新商品プロモーション費用や人件費、本社移転費用の増加により38,261百万円(同6.8%増)に拡大し、営業利益は17,917百万円(同0.2%減)、経常利益は18,265百万円(同0.7%減)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は15,889百万円(同12.6%減)で、前期にあった繰延税金資産の積み増しの反動が主因。売上・利益とも業績予想に対して概ね計画通りの着地となった(単位:百万円)。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2025年3月期(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 162,950 | 153,020 | +6.5% |
| 売上総利益 | 56,179 | 53,757 | +4.5% |
| 販売費及び一般管理費 | 38,261 | 35,811 | +6.8% |
| 営業利益 | 17,917 | 17,945 | △0.2% |
| 経常利益 | 18,265 | 18,396 | △0.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 15,889 | 18,178 | △12.6% |

セグメント別の状況
業務用カラオケ事業はDAM稼働台数が前期末比微増(22.0万台→22.2万台)となるなか、新商品LIVE DAM WAO!の効果で機器賃貸件数が11.4万台から11.9万台(前期比4.7%増)に伸びた一方、新商品プロモーション費用や人件費の増加により営業利益率は18.7%から18.3%に低下した。カラオケ・飲食店舗事業は既存店売上高が前年比でカラオケ店舗+4%、飲食店舗+2%と堅調に推移し、期末店舗数はカラオケ521店(うちM&Aによる取得16店舗を含む)、飲食167店に拡大したが、人件費や新規出店に伴う減価償却費、食材原価の増加により営業利益率は9.5%から9.3%に低下した。音楽ソフト事業の営業利益率は5.9%から2.6%に低下した。パーキング事業を含むその他の事業は施設数が3,900施設から4,400施設(+500施設)、車室数が44,000車室から51,000車室(+7,000車室)に拡大し堅調に推移したが、営業利益率は13.3%から12.7%に低下した。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期(実績) | 2025年3月期(実績) |
|---|---|---|---|
| 業務用カラオケ事業 | 営業利益率 | 18.3% | 18.7% |
| カラオケ・飲食店舗事業 | 営業利益率 | 9.3% | 9.5% |
| 音楽ソフト事業 | 営業利益率 | 2.6% | 5.9% |
| その他の事業 | 営業利益率 | 12.7% | 13.3% |

通期業績予想
2027年3月期は、新商品効果による商品販売売上の押し上げが剥落する一方、各主要事業で増収増益を見込む。売上高は168,700百万円(前期比3.5%増)、営業利益は18,500百万円(同3.3%増、営業利益率11.0%で横ばい)、経常利益は18,900百万円(同3.5%増)を計画。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益等の特別利益の剥落により12,200百万円(同23.2%減)を見込む。セグメント別では、業務用カラオケ事業が売上高65,800百万円(同0.8%増)・営業利益12,000百万円(同0.6%増)、カラオケ・飲食店舗事業が売上高74,600百万円(同5.1%増)・営業利益6,800百万円(同2.5%増)、音楽ソフト事業が売上高5,400百万円(同1.1%減)・営業利益250百万円(同78.1%増)、その他の事業が売上高22,900百万円(同8.0%増)・営業利益2,850百万円(同1.3%増)を計画している。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 168,700 | 162,950 | +3.5%(+5,749百万円) |
| 営業利益 | 18,500 | 17,917 | +3.3%(+582百万円) |
| 営業利益率 | 11.0% | 11.0% | ー |
| 経常利益 | 18,900 | 18,265 | +3.5%(+634百万円) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 12,200 | 15,889 | △23.2%(△3,689百万円) |

株主還元
配当方針は、強固な財務基盤を維持しつつ中長期の安定的な利益成長を実現し企業価値向上を図るとともに、株主への利益還元を行うことを基本方針とし、資本効率向上のための自己株式取得も適時実施する。2026年5月13日付で配当方針を変更し、目安とする配当性向を30%から50%へ引き上げた。1株あたり配当金は2025年3月期の57.0円から2026年3月期は67.0円に増配し、2027年3月期は68.0円を予想する。コロナ影響下も含め、上場以来「増配」あるいは「維持」を継続している。
| 項目 | 2025年3月期(実績) | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|---|
| 1株あたり配当金 | 57.0円 | 67.0円 | 68.0円 |

トピック
2026年2月に本社移転を実施し、旧本社などの不動産を売却した。これに伴う現預金の増加等により、2026年3月期末の流動資産は77,209百万円(前期比14.3%増)となった。会社全体で重要視する経営指標としてROE・利益成長・営業利益率向上・資本最適化を掲げ、2026年3月期のROEは13.2%(前期16.2%、前期は税効果会計の影響あり)、EPSは153.4円、自己資本比率は56.1%。営業利益率の中長期目標は12.0%以上としている。2027年3月期はROE9.7%(前期比3.5pt低下)、EPS118.0円を見込み、各事業で事業基盤拡大が進む一方、投資先行により営業利益率はやや低下する計画としている。
※本記事は第一興商が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。