※本記事は初穂商事が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
初穂商事は2025年12月期(通期)の連結業績を発表した。売上高は354億44百万円(前期比101.8%)と増収となったものの、人件費を中心としたコストアップを吸収しきれず、経常利益は14億35百万円(前期比95.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億31百万円(前期比85.4%)となり、増収減益で着地した。1株当たり配当金は創業80周年記念配当2.0円を含め77.0円(前期68.0円)とする見込み。2026年12月期は売上高372億円、経常利益15.1億円の増収増益を計画している。

連結業績(2025年12月期 実績)
売上高はグループ全体としては増収となったものの、成長率は当初想定より減速し、業績予想(365億円)を下回って着地した。経常利益は、人件費を中心としたコストアップを増収分で賄うまでには至らず、前期比4.4%の減益となった。連結経常利益の増減要因をみると、売上高は増加したものの、建設需要が低迷した一部地域において価格競争が再燃し、売上総利益率が低下した結果、経常利益の伸びは小幅にとどまった。また、主に人員増加に伴う人件費の増加により利益を押し下げた。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 34,827百万円 | 35,444百万円 | 101.8% |
| 売上総利益 | 6,202百万円 | 6,235百万円 | 100.5% |
| 販売費及び一般管理費 | 4,913百万円 | 5,019百万円 | 102.2% |
| 営業利益 | 1,288百万円 | 1,216百万円 | 94.4% |
| 経常利益 | 1,501百万円 | 1,435百万円 | 95.6% |
| 当期純利益 | 1,091百万円 | 933百万円 | 85.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 974百万円 | 831百万円 | 85.4% |
| ROE | 10.8% | 8.5% | ー |
セグメント別の状況
セグメント別売上高構成比は内装建材事業51%、エクステリア事業36%、住環境関連事業13%。内装建材事業は、懸念されていた建築基準法の改正や値上がり前の駆け込み需要の反動減が想定よりも小さく、販売強化に伴う販促キャンペーンの展開や物件の受注増加が寄与し、増収増益となった。エクステリア事業は、人手不足や猛暑による全国的な工事の遅延、秋口から年末にかけての材料販売の出荷不振により前年並みの売上水準にとどまり、価格競争の影響による利益率低下や各種コスト増加もあり増収減益となった。住環境関連事業は、中部地域における工事案件の獲得により業績が堅調に推移し、売上高は前年並みとなったが、コスト体質の改善により利益率が向上し増収増益となった。各事業セグメントで増収となったものの、人件費等のコスト上昇の影響により全事業セグメント合計では減益となった。
| セグメント | 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 内装建材事業 | 売上高 | 18,055百万円 | 18,078百万円 | 100.1% |
| エクステリア事業 | 売上高 | 12,309百万円 | 12,895百万円 | 104.8% |
| 住環境関連事業 | 売上高 | 4,462百万円 | 4,469百万円 | 100.2% |
| 内装建材事業 | セグメント利益 | 1,179百万円 | 1,037百万円 | 87.9% |
| エクステリア事業 | セグメント利益 | 493百万円 | 515百万円 | 104.6% |
| 住環境関連事業 | セグメント利益 | 130百万円 | 170百万円 | 130.9% |

通期業績予想(2026年12月期)
2026年12月期は売上高372億円(前期比105.0%)、経常利益15.1億円(前期比105.2%)と増収増益を見込む。内装建材事業は、上半期は地方都市の建設需要が全体を下支えし、下半期から東名阪の大都市部を中心に大型の再開発工事が順次本格稼働していくことを見込む。エクステリア事業は、住宅需要の冷え込みが続く中、従来の販促キャンペーンに加えニーズの変化に応じた新たな商品ラインナップを取り揃えながら、企業再編により統合した物流部門を最大限に活かしていく方針。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 2026年12月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 34,827百万円 | 35,444百万円 | 37,200百万円 | 105.0% |
| 営業利益 | 1,288百万円 | 1,216百万円 | 1,330百万円 | 109.3% |
| 経常利益 | 1,501百万円 | 1,435百万円 | 1,510百万円 | 105.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 974百万円 | 831百万円 | 880百万円 | 105.8% |
| 1株当たり当期純利益 | 296.19円 | 252.26円 | 266.93円 | ー |
| ROE | 10.8% | 8.5% | 8.7% | ー |

株主還元
配当政策は、安定配当をベースに連続増配を目標としながら、連結自己資本比率に応じて配当性向を段階的に引き上げていく方針である。2025年12月期の1株当たり配当金は、普通配当75.0円に創業80周年記念配当2.0円を加えた77.0円(前期68.0円)、配当性向30.6%を見込む。2026年12月期は1株当たり配当金80.0円、配当性向30.0%を予想している。
| 項目 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期(見込) | 2026年12月期(予想) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1株当たり当期純利益 | 261.09円 | 297.48円 | 296.19円 | 252.26円 | 266.93円 |
| 1株当たり配当金 | 40.0円 | 55.0円 | 68.0円 | 77.0円 | 80.0円 |
| 配当性向 | 15.3% | 18.5% | 23.0% | 30.6% | 30.0% |

資本効率・株主価値向上に向けた取り組み
ROEは2024年12月期10.8%から2025年12月期8.5%に低下し、2026年12月期は8.7%を見込む。建設資材卸売業に属する同社グループは、連結自己資本比率40~50%の範囲内を業種及び実態に即した最適な資本構成と位置付けている。また、流動性が乏しく株式売買高が少ないことによる流動性リスクプレミアムが資本コストを引き上げる要因になっているとし、株式分割等の実施を検討しながら流通株式数・株主数・売買出来高を増やし流動性リスクを引き下げていくとしている。個人投資家に対するPR活動やIR活動の強化、M&Aによる連結決算以後に成長が加速したような成長に向けたコーポレートアクションを継続していく方針。
トピックス
2026年2月に創業80周年を迎えたことを記念し、株主の支援への感謝を込めて創業80周年記念配当を実施予定。また、業務の効率化による物流機能の維持向上を目的に、連結子会社である株式会社アイシンに経営資源を集約するため、同社の100%子会社であるアイエスライン株式会社を2025年10月1日付で吸収合併した。
※本記事は初穂商事が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。