※本記事は愛三工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
愛三工業(7283)の2026年3月期連結決算は、売上高3,308.3億円(前期比△1.9%)、営業利益182.8億円(同△0.3%)、経常利益192.2億円(同△0.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益130.7億円(同△1.2%)と、減収減益となった。米国輸入関税増加の影響が響いたものの、品質費用の減少などの収益改善で一定程度吸収した。2027年3月期は完全子会社化したトライス社の新規連結効果などで増収を見込む一方、営業利益は前期並みを確保する見通し。年間配当は80円を維持する方針を示した。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は、販売数量の減少および為替影響(円高)などにより前期比で減収した。営業利益は、販売数量の減少、販価変動、インフレ影響を収益改善によって概ね吸収したが、米国輸入関税増加による影響が響き、前期比で減益となった。通期公表値との比較では、売上高3,200.0億円に対し3,308.3億円、営業利益185.0億円に対し182.8億円、経常利益190.0億円に対し192.2億円、当期純利益125.0億円に対し130.7億円と、いずれも公表値を上回った。
| 項目 | 2026年3月期 実績(比率) | 2025年3月期 実績(比率) | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,308.3億円(100.0%) | 3,372.5億円(100.0%) | △64.2億円 | △1.9% |
| 営業利益 | 182.8億円(5.5%) | 183.3億円(5.4%) | △0.5億円 | △0.3% |
| 経常利益 | 192.2億円(5.8%) | 192.9億円(5.7%) | △0.6億円 | △0.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 130.7億円(4.0%) | 132.3億円(3.9%) | △1.5億円 | △1.2% |
| 設備投資 | 250.2億円 | 126.5億円 | 123.6億円 | – |
| 研究開発費 | 139.5億円(4.2%) | 134.2億円(4.0%) | 5.3億円 | – |
所在地別業績(2026年3月期 実績)
連結全体では前期比で減収(為替影響△38億円)。中国、インド、韓国は販売数量減や為替影響により減収した一方、日本、米州、アセアンは為替影響があるものの販売数量増加により増収、欧州は為替影響が増収に寄与した。連結全体の営業利益は為替影響や米国関税を含む諸経費の増加により前期比で減益。単独(愛三)は労務費増加や将来製品への先行投資があるものの、品質費用の減少と一時的な費用回収により増益となった。
| 所在地 | 売上高 2026年3月期 | 売上高 2025年3月期 | 営業利益 2026年3月期 | 営業利益 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| 愛三 | 1,302億円 | 1,252億円 | 21.0億円 | 15.4億円 |
| 国内子会社 | 235億円 | 204億円 | 10.5億円 | 7.7億円 |
| 米州 | 783億円 | 780億円 | 44.0億円 | 71.5億円 |
| 欧州 | 164億円 | 162億円 | 11.8億円 | 12.8億円 |
| 中国 | 394億円 | 459億円 | 40.7億円 | 46.5億円 |
| アセアン | 375億円 | 352億円 | 33.8億円 | 35.7億円 |
| インド | 184億円 | 187億円 | 9.6億円 | 10.2億円 |
| 韓国G | 460億円 | 519億円 | 9.3億円 | △14.5億円 |
| グループ内 | △589億円 | △543億円 | 1.7億円 | △2.2億円 |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、売上高はトライス社の新規連結効果などによって前期比増収を見込む。営業利益は既存売上高の減少や償却費の増加などがあるものの、トライス社の新規連結や収益改善等で吸収し、前期並みを確保する見通し。想定為替レートは150円/ドル(前期151円)、ROEは8.2%(前期9.4%)を見込む。
| 項目 | 2027年3月期 予想(比率) | 2026年3月期 実績(比率) | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,350.0億円(100.0%) | 3,308.3億円(100.0%) | 41.6億円 | 1.3% |
| 営業利益 | 180.0億円(5.4%) | 182.8億円(5.5%) | △2.8億円 | △1.6% |
| 経常利益 | 180.0億円(5.4%) | 192.2億円(5.8%) | △12.2億円 | △6.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 120.0億円(3.6%) | 130.7億円(4.0%) | △10.7億円 | △8.2% |
| 設備投資 | 240.0億円 | 250.2億円 | △10.2億円 | △4.1% |
| 研究開発費 | 140.0億円(4.1%) | 139.5億円(4.2%) | 0.4億円 | 0.3% |
| ROE | 8.2% | 9.4% | △1.2pt | – |

株主還元
継続的かつ安定的な配当を基本方針とし、2027年までに配当性向35%以上を目指す。2026年3月期の配当は期末43円を含む年間1株あたり80円(前回公表値比+3円増配、配当性向35.1%)とした。2027年3月期は一時的な減益予想下でも配当額80円を維持し、配当水準の向上を目指す方針(配当性向38.2%を予想)。また、資本効率を意識した利益還元として2025年4月に94億円相当の自己株式を取得した。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|
| 年間配当金 | 80円(中間37円+期末43円) | 80円(配当額を維持) |
| 配当性向 | 35.1% | 38.2% |
| 公表値比 | +3円増配 | – |

トピックス(M&Aの進展)
車載モーター用カーボン部品等を開発・製造するトライス株式会社(三重県松阪市、連結売上高178億円[2025年3月期])を2026年4月1日付で完全子会社化した。開発スピード向上やイノベーション促進などのシナジー効果を目指す。世界カーボンブラシシェアはスターターブラシ50%、燃料ポンプブラシ33%、オルタネータブラシ48%(いずれも2025年度)となっている。

※本記事は愛三工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。