※本記事はエヌ・シー・エヌが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社エヌ・シー・エヌの2026年3月期連結決算は、売上高8,414百万円(前期比+3.6%)と増収となった一方、営業利益は152百万円(同△14.6%)、経常利益は187百万円(同△36.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は144百万円(同△25.2%)といずれも減益となった。NCN単体の業績は増収・増益の回復基調にあるが、連結子会社の株式会社翠豊は大阪・関西万博終了後の影響で売上高・利益が大幅に減少した。2027年3月期は売上高9,310百万円、営業利益308百万円を見込んでいる。
連結業績(2026年3月期 実績)
資料は減益の背景として、2025年4月の建築基準法改正により建築確認審査期間が延長され、SE構法出荷の停滞が生じたことに加え、連結子会社の株式会社翠豊で大阪・関西万博終了後の反動により売上高・利益が大幅に減少したことを挙げている。
| 項目 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) | 増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 8,414百万円 | 8,124百万円 | +289百万円 | +3.6% |
| 売上総利益 | 2,279百万円 | 2,163百万円 | +115百万円 | +5.4% |
| 販管費 | 2,127百万円 | 1,985百万円 | +141百万円 | +7.2% |
| 営業利益 | 152百万円 | 178百万円 | △26百万円 | △14.6% |
| 営業外損益 | 35百万円 | 114百万円 | △79百万円 | △69.4% |
| 経常利益 | 187百万円 | 292百万円 | △105百万円 | △36.0% |
| 特別損益 | 18百万円 | 0百万円 | +17百万円 | – |
| 税引前当期純利益 | 205百万円 | 293百万円 | △88百万円 | △30.1% |
| 法人税等 | 37百万円 | 53百万円 | △15百万円 | △29.5% |
| 非支配株主持分 | 22百万円 | 46百万円 | △23百万円 | △51.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 144百万円 | 193百万円 | △48百万円 | △25.2% |
グループ会社別の業績
NCN単体の業績は増収・増益と回復基調となった。一方、連結子会社(㈱KINO BIM、㈱木構造デザイン、㈱翠豊)の合計は、大阪・関西万博後の影響で㈱翠豊の売上・利益が大幅減少したことにより減収減益となった。
| 区分 | 項目 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| NCN単体 | 売上高 | 7,372百万円 | 7,017百万円 | +355百万円 |
| NCN単体 | 営業利益 | 88百万円 | 58百万円 | +30百万円 |
| NCN単体 | 経常利益 | 127百万円 | 73百万円 | +54百万円 |
| グループ会社(㈱KINO BIM・㈱木構造デザイン・㈱翠豊) | 売上高 | 1,042百万円 | 1,106百万円 | △64百万円 |
| グループ会社(㈱KINO BIM・㈱木構造デザイン・㈱翠豊) | 営業利益 | 63百万円 | 120百万円 | △57百万円 |
| グループ会社(㈱KINO BIM・㈱木構造デザイン・㈱翠豊) | 経常利益 | 60百万円 | 219百万円 | △159百万円 |

事業分野別の状況
報告セグメントは木造耐震設計事業の単一区分だが、資料は住宅分野・大規模木造建築(非住宅)分野・環境設計分野・DX・その他の分野の4分野別に売上高を開示している。環境設計分野は省エネ計算需要の高まりを背景に前期比+39.0%と大幅に増加した。
| 区分 | 当期売上高(2026年3月期) | 前期比 |
|---|---|---|
| 木造耐震設計事業 | 7,831百万円 | +2.0% |
| 住宅分野 | 4,754百万円 | +0.5% |
| 大規模木造建築(非住宅)分野 | 3,077百万円 | +4.5% |
| その他 | 582百万円 | +29.8% |
| 環境設計分野 | 403百万円 | +39.0% |
| DX・その他の分野 | 179百万円 | +13.0% |

通期業績予想
2027年3月期はSE構法の受注ストック増加による出荷の回復や、リノベーション事業の拡大、大規模木造建築分野におけるグループ会社連携などを見込み、増収増益を計画している。セグメント別予想では、木造耐震設計事業が売上高8,620百万円(前期比+10.1%)、住宅分野が5,468百万円(同+15.0%)、大規模木造建築(非住宅)分野が3,152百万円(同+2.4%)、環境設計分野が485百万円(同+20.4%)、DX・その他の分野が204百万円(同+13.8%)となる見込み。
| 項目 | 27/3期業績予想 | 26/3期実績 | 増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 9,310百万円 | 8,414百万円 | +896百万円 | +10.6% |
| 営業利益 | 308百万円 | 152百万円 | +156百万円 | +102.5% |
| 経常利益 | 348百万円 | 187百万円 | +160百万円 | +85.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 246百万円 | 144百万円 | +101百万円 | +69.9% |

株主還元
配当方針は、連結業績に基づいた年間配当性向40%を基準として継続的かつ安定的に実施するとしている。1株当たり普通配当金は24/3期22.00円、25/3期29.00円、26/3期31.00円と増配が続いており、27/3期は33.00円(計画)としている。

トピックス
住宅分野では「重量木骨の家」のブランド化を進めているほか、環境設計分野では㈱コスモスイニシアや三菱地所レジデンス㈱との提携により、マンションリノベーションの省エネ化を推進しているとした。また2026年4月から木造住宅の構造審査基準が厳格化される法改正が予定されており、在来工法の必要壁量が1.4倍に増加する一方、SE構法はバージョンアップにより必要壁量が減少するため、同社はSE構法の優位性が拡大するとしている。
2027年3月期における事業の懸念事項として、中東情勢の影響を挙げている。2026年4月以降のホルムズ海峡封鎖により国内の原油・ナフサが不足し、断熱材や塩ビ管等のナフサ由来建材の価格高騰や材料不足による着工遅延・キャンセルが懸念されるとした。2026年4月末現在、該当製品価格の上昇はあるものの材料不足による着工の遅延は起きておらず、2027年3月期業績予想にはその影響は含まれていないとしている。
※本記事はエヌ・シー・エヌが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。