※本記事は川崎重工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
川崎重工業の2025年度(2026年3月期)連結決算は、受注高27,391億円、売上収益23,112億円、事業利益1,451億円(前期比+19億円)となり、受注・売上・利益がそれぞれ過去最高を更新した。好調な航空宇宙システムやエネルギーソリューション&マリン(ES&M)、精密機械・ロボットの回復が、米国関税政策の影響を大きく受けたパワースポーツ&エンジン(PS&E)の減益をカバーした。親会社の所有者に帰属する当期利益は1,081億円(前期比+201億円)となり、2月予想比でも期末の円安進行等により大きく上振れた。2026年度は為替前提を1ドル150円としつつ、事業利益は2025年度を上回る1,700億円(前期比+249億円)と過去最高を大きく更新する計画。
連結業績(当期 実績)
2025年度は前期比で増収・増益となり、事業利益率は6.3%(前期比▲0.4pt)。税引前利益は1,455億円(前期比+380億円、利益率6.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,081億円(前期比+201億円、利益率4.7%)。税後ROICは9.0%(前期比+1.0pt)。
| 項目 | 当期(2025年度) | 前期(2024年度) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 27,391億円 | 26,307億円 | +1,084億円 |
| 売上収益 | 23,112億円 | 21,293億円 | +1,819億円 |
| 事業利益[利益率] | 1,451億円[6.3%] | 1,431億円[6.7%] | +19億円[▲0.4pt] |
| 税引前利益[利益率] | 1,455億円[6.3%] | 1,075億円[5.0%] | +380億円[+1.2pt] |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益[利益率] | 1,081億円[4.7%] | 880億円[4.1%] | +201億円[+0.5pt] |
| 税後ROIC | 9.0% | 8.0% | +1.0pt |
セグメント別の状況
ES&Mはエネルギー事業や船舶海洋事業など各分野で好調が継続し増収・増益。精密機械・ロボットは中国建設機械市場向け油圧機器の増加などにより増収、増益。PS&Eは北米向け四輪車や先進国向け二輪車の増加などにより増収を達成する一方、関税コストの上昇や米国パワースポーツ市場における競争環境激化を背景とした採算性の低下、増産投資に伴う固定費の増加等により減益となった。
| セグメント | 受注高(当期) | 売上収益(当期) | 事業利益(当期/前期比) |
|---|---|---|---|
| 航空宇宙システム | 8,109億円 | 6,136億円 | 624億円(+66億円) |
| 車両 | 3,191億円 | 2,362億円 | 86億円(+2億円) |
| エネルギーソリューション&マリン | 5,529億円 | 4,335億円 | 550億円(+107億円) |
| 精密機械・ロボット | 2,785億円 | 2,591億円 | 143億円(+73億円) |
| パワースポーツ&エンジン | 6,817億円 | 6,828億円 | 227億円(▲251億円) |
| その他 | 959億円 | 858億円 | 70億円(+18億円) |
| 調整額 | – | – | ▲253億円(+3億円) |
| 合計 | 27,391億円 | 23,112億円 | 1,451億円(+19億円) |

通期業績予想
2026年度は為替前提を1ドル150円としつつ、事業利益は2025年度を上回る1,700億円(前期比+249億円)と過去最高を大きく更新する計画。売上収益は25,600億円(前期比+2,488億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,100億円(前期比+19億円)を見込む。中東情勢の影響(材料調達難による生産遅延等、事業利益で▲80億円を織り込み)や米国関税政策の影響(’26年5月12日時点で適用済み・適用が見込まれる制度・税率で織り込み、IEEPA関税の還付は未織り込み)を織り込んだ計画。
| 項目 | 26年度予想 | 25年度実績 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 25,400億円 | 27,391億円 | ▲1,991億円 |
| 売上収益 | 25,600億円 | 23,112億円 | +2,488億円 |
| 事業利益[利益率] | 1,700億円[6.6%] | 1,451億円[6.3%] | +249億円[+0.3pt] |
| 税引前当期利益[利益率] | 1,470億円[5.7%] | 1,455億円[6.3%] | +15億円[▲0.5pt] |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益[利益率] | 1,100億円[4.3%] | 1,081億円[4.7%] | +19億円[▲0.3pt] |
| 税後ROIC | 8.6% | 9.0% | ▲0.4pt |

株主還元
配当政策は、配当性向30%を基準としつつ、長期的な株主価値向上とより安定的かつ継続的な株主還元を両立するためDOE(株主資本配当率)4%を目安に配当を実施する方針。2025年度の1株当たり配当金は年間34.2円(中間15.0円、期末19.2円)。2026年度は中間20.0円(前期比+5.0円)、期末20.0円(前期比+0.8円)、年間40.0円(前期比+5.8円)を予想しており、期末配当は2月公表から1.0円増配した。なお、これらの金額は2026年4月1日付の株式分割(5分割)後の株式数を基準として換算した数値。
| 区分 | 25年度実績 | 26年度予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 中間配当 | 15.0円 | 20.0円 | +5.0円 |
| 期末配当 | 19.2円 | 20.0円 | +0.8円 |
| 年間配当 | 34.2円 | 40.0円 | +5.8円 |

中期経営計画/トピック
外部環境の変化に適切に対応し、2027年に事業利益率8%、2030年度までに事業利益率10%超を実現する計画で、順調な進捗にあるとしている。また、2024年に発覚した潜水艦修繕事案・舶用エンジン検査不正事案について、2025年12月に特別調査委員会より最終調査報告書を受領・公開し、「品質保証総括部」「組織風土改革・コンプライアンス総括部」の新設など再発防止に向けた組織風土改革の取り組みを継続している。

※本記事は川崎重工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。