※本記事は三井E&Sが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
三井E&Sは2026年3月期(2025年度)の決算を発表した。連結受注高は3,158億円(前期比1,059億円減)、売上高は3,532億円(同381億円増)、営業利益は376億円(同145億円増)となり、3期連続の増収増益となった。営業利益率は10.7%(前期7.3%)となり過去最高を更新した。親会社株主に帰属する当期純利益は385億円(同6億円減)だった。
連結業績(2026年3月期 実績)
受注高は、受注環境は良好だったものの、舶用推進システム部門における前年度の大型舶用エンジンの複数基一括受注の反動などにより前期に比べて減少した。売上高は、前年度の好調な受注によって積み上げた豊富な手持ち工事が着実に進捗したことなどにより増収となった。営業利益は、各事業における売上高増加及び原価低減施策の推進によって増益となり、特に舶用推進システム部門、物流システム部門において大幅な増益となった。期中平均為替レートはUSドルが158.21円(前期153.39円)だった。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 3,158億円 | 4,217億円 | △1,059億円 |
| 売上高 | 3,532億円 | 3,151億円 | +381億円 |
| 営業利益 | 376億円 | 231億円 | +145億円 |
| 営業利益率 | 10.7% | 7.3% | 開示なし |
| 経常利益 | 449億円 | 278億円 | +171億円 |
| 経常利益率 | 12.7% | 8.8% | 開示なし |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 385億円 | 391億円 | △6億円 |
財務・キャッシュ・フローの状況
資産合計は4,946億円(前期比453億円増)、自己資本は2,291億円(同593億円増)で、自己資本比率は46.3%(前期37.8%)に上昇した。D/Eレシオは0.4倍(前期0.6倍)となった。営業キャッシュ・フローは284億円(前期149億円)となり、主要事業が堅調に推移したことにより増加した。投資キャッシュ・フローは26億円(前期609億円)で、前期は主に関係会社株式の売却による収入があった。フリーキャッシュ・フローは310億円(前期758億円)、財務キャッシュ・フローは△104億円(前期△766億円)で、前期は主に株式売却収入を原資として短期借入金を大幅に圧縮した。
セグメント別の状況(2026年3月期 実績)
成長事業推進は、水素市場の立ち上がり遅れにより水素圧縮機の新規受注には至らなかったが、国内製鉄所向け高炉用送風機で前年度に続き大型案件2件を連続受注し、前年度水準並みの受注を確保した。舶用推進システムは、二元燃料エンジンを含め舶用エンジンの需要が引き続き旺盛で、計画(1,200億円)を上回る受注を積み上げた。物流システムは、国内で前年度に比べ大型案件が少なかった影響で受注は減少したものの、ベトナムを含む東南アジア向け大型案件や米国向け案件などを着実に積み上げ、計画(600億円)を上回る受注を達成した。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 成長事業推進 | 受注高 | 433億円 | 460億円 | △27億円 |
| 成長事業推進 | 売上高 | 438億円 | 400億円 | +37億円 |
| 成長事業推進 | 営業利益 | 88億円 | 68億円 | +19億円 |
| 舶用推進システム | 受注高 | 1,311億円 | 2,129億円 | △819億円 |
| 舶用推進システム | 売上高 | 1,497億円 | 1,355億円 | +142億円 |
| 舶用推進システム | 営業利益 | 145億円 | 75億円 | +70億円 |
| 物流システム | 受注高 | 666億円 | 761億円 | △96億円 |
| 物流システム | 売上高 | 652億円 | 628億円 | +24億円 |
| 物流システム | 営業利益 | 139億円 | 60億円 | +80億円 |
| 周辺サービス | 受注高 | 748億円 | 866億円 | △118億円 |
| 周辺サービス | 売上高 | 943億円 | 752億円 | +191億円 |
| 周辺サービス | 営業利益 | 8億円 | △16億円 | +24億円 |
| その他 | 受注高 | 1億円 | 1億円 | 0億円 |
| その他 | 売上高 | 2億円 | 16億円 | △14億円 |
| その他 | 営業利益 | △4億円 | 45億円 | △49億円 |


通期業績予想(2027年3月期 見通し)
会社は2027年3月期の見通しとして、受注高3,700億円(前期比542億円増)、売上高3,700億円(同168億円増)、営業利益320億円(同56億円減)、経常利益370億円(同79億円減)、親会社株主に帰属する当期純利益300億円(同85億円減)を見込む。前提為替レートはUSドル=150円としており、USドル1円の為替変動が営業利益に与える影響はほぼないとしている。受注高及び売上高は概ね良好な事業環境を背景に増加する見通しだが、営業利益は投資フェーズに伴う固定費増加等によって前期より減少するものの高水準を維持するとしている。フリーキャッシュ・フローは、成長投資の本格化に加え運転資本増加要因が2027年3月期に集中する見通しのため、60億円(同250億円減)となる見込み。有利子負債は950億円(同23億円増)を見込む。
| 項目 | 2027年3月期 見通し | 2026年3月期 実績 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 3,700億円 | 3,158億円 | +542億円 |
| 売上高 | 3,700億円 | 3,532億円 | +168億円 |
| 営業利益 | 320億円 | 376億円 | △56億円 |
| 経常利益 | 370億円 | 449億円 | △79億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 300億円 | 385億円 | △85億円 |
| フリーCF | 60億円 | 310億円 | △250億円 |
| 有利子負債 | 950億円 | 927億円 | +23億円 |

セグメント別業績見通し(2027年3月期)
セグメント別では、受注高及び売上高の伸びは舶用推進システム部門が牽引する見通し。営業利益は舶用推進システム、物流システム、成長事業推進の主要3事業部門で前期から減少するものの、高水準を維持するとしている。
| セグメント | 指標 | 2027年3月期 見通し | 2026年3月期 実績 | 前期差額 |
|---|---|---|---|---|
| 成長事業推進 | 受注高 | 450億円 | 433億円 | +17億円 |
| 成長事業推進 | 売上高 | 450億円 | 438億円 | +12億円 |
| 成長事業推進 | 営業利益 | 80億円 | 88億円 | △8億円 |
| 舶用推進システム | 受注高 | 1,700億円 | 1,311億円 | +389億円 |
| 舶用推進システム | 売上高 | 1,600億円 | 1,497億円 | +103億円 |
| 舶用推進システム | 営業利益 | 120億円 | 145億円 | △25億円 |
| 物流システム | 受注高 | 650億円 | 666億円 | △16億円 |
| 物流システム | 売上高 | 700億円 | 652億円 | +48億円 |
| 物流システム | 営業利益 | 80億円 | 139億円 | △59億円 |
| 周辺サービス | 受注高 | 900億円 | 748億円 | +152億円 |
| 周辺サービス | 売上高 | 950億円 | 943億円 | +7億円 |
| 周辺サービス | 営業利益 | 40億円 | 8億円 | +32億円 |
| その他 | 受注高 | 0億円 | 1億円 | △1億円 |
| その他 | 売上高 | 0億円 | 2億円 | △2億円 |
| その他 | 営業利益 | 0億円 | △4億円 | +4億円 |

成長戦略・技術トピックス
グリーン・デジタル技術の活用として、ドローン撮影画像をクラウド上で一括管理する「ドローンスナップソリューション」により、プラント設備の自動巡回点検などを進めている。二元燃料エンジンは2015年よりメタノール・LNGに対応したエンジンを市場投入しており、環境負荷の低い燃料に対応した二元燃料エンジンの累計受注基数は124基となった。次世代燃料への対応として、大型低速2サイクルエンジン商用機として世界初のアンモニア燃料試験運転に着手した(2025年2月)ほか、液化アンモニアを燃料として使用可能なLPG/アンモニア運搬船の基本設計承認を取得した(2025年8月)。水素については、シリンダ直径50cmの舶用2サイクルテストエンジンでの水素燃料運転に世界で初めて成功している(2024年3月)。環境対応型・遠隔操作対応クレーンでは、東京港中央防波堤コンテナ埠頭Y3バース向けヤード用コンテナクレーン17基を受注した。参考データとして、ヒストリカルデータのページには事業再生計画の完遂により売上高・営業利益が着実に伸長してきたとの記載がある。
※本記事は三井E&Sが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。