※本記事はFDKが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
FDKは2026年4月28日、2026年3月期の連結決算を発表した。売上高は前期比5.7%減の595.6億円となったが、原材料価格の変動や技術VEによるコストダウン、円安効果により営業利益は同19.5%増の16.6億円、経常利益は同12.3%増の14.1億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同39.0%増の7.4億円となり、減収増益となった。電池事業はリチウム電池が国内のセキュリティ・スマートメータ・住宅用警報器向けで増加した一方、ニッケル水素電池は海外向けで減少、電子事業は各種モジュールやスイッチング電源を中心に減収となった。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は前期比36.1億円減少の595.6億円となった。電池事業はリチウム電池で増収となったものの、ニッケル水素電池、設備関連ビジネス、アルカリ乾電池が減収、電子事業は各種モジュール・スイッチング電源が減収となったことが響いた。営業利益は前期比2.7億円増加の16.6億円(営業利益率2.8%)となった。電子事業は売上減により減益となったが、電池事業で原材料価格の変動や技術VEによるコストダウン、円安効果が加わり増益となった。資本金等の変更に伴い外形標準課税が減額されたことによる販管費の減少もあった。経常利益は為替差損などにより営業外損益が悪化したものの、営業利益の増加により前期比1.5億円増加の14.1億円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、事業構造改善費用の計上により特別損益が悪化したものの、経常利益の増加や税金費用の減少により前期比2.1億円増加の7.4億円となった。1株当たり当期純利益は21.60円(前期15.55円)、ROICは4.2%(前期比+0.9pt)となった。
| 項目 | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 595.6億円 | 631.7億円 | -5.7% |
| 営業利益(営業利益率) | 16.6億円(2.8%) | 13.9億円(2.2%) | +19.5% |
| 経常利益(経常利益率) | 14.1億円(2.4%) | 12.6億円(2.0%) | +12.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(当期純利益率) | 7.4億円(1.3%) | 5.3億円(0.8%) | +39.0% |
| 1株当たり当期純利益 | 21.60円 | 15.55円 | +6.05円 |
| ROIC | 4.2% | 3.3% | +0.9pt |

セグメント別の状況
電池事業の売上高は前期比7.4億円減少の482.1億円となった。リチウム電池が国内のセキュリティ・スマートメータ・住宅用警報器用途向けで増加したものの、ニッケル水素電池が海外向けで減少、設備関連ビジネスが自動車関連設備で減少、アルカリ乾電池が物価高による消費者動向の変化などで減少した。セグメント利益は売上減や販売価格影響があったものの、原材料価格の変動の影響により前期比5.6億円増加の17.0億円(利益率3.5%)となった。電子事業の売上高は前期比28.7億円減少の113.4億円となった。トナーが増加したものの、各種モジュールがモビリティ・タブレット用途向けの減少や液晶ディスプレイ用途の選択と集中による生産終了で減少、スイッチング電源が半導体製造装置用途向けで減少した。セグメント利益は売上減により前期の2.5億円の利益から0.3億円の損失に転じた(前期比2.9億円の減少)。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) |
|---|---|---|---|
| 電池事業 | 売上高 | 482.1億円 | 489.5億円 |
| 電池事業 | セグメント利益(率) | 17.0億円(3.5%) | 11.4億円(2.3%) |
| 電子事業 | 売上高 | 113.4億円 | 142.1億円 |
| 電子事業 | セグメント利益(△損失)(率) | △0.3億円(△0.4%) | 2.5億円(1.8%) |
| 合計 | 売上高 | 595.6億円 | 631.7億円 |
| 合計 | 営業利益(率) | 16.6億円(2.8%) | 13.9億円(2.2%) |

地域別売上高
地域別売上高(顧客の所在地別)は、日本329.1億円(前期比7.7%減)、アジア112.9億円(同9.0%減)、米州44.4億円(同0.4%増)、欧州108.6億円(同2.4%増)、その他0.3億円(同50.5%減)となった。海外売上高比率は44.7%(前期43.6%)となった。
| 地域 | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 329.1億円 | 356.4億円 | -7.7% |
| アジア | 112.9億円 | 124.0億円 | -9.0% |
| 米州 | 44.4億円 | 44.3億円 | +0.4% |
| 欧州 | 108.6億円 | 106.0億円 | +2.4% |
| その他 | 0.3億円 | 0.7億円 | -50.5% |
| 合計 | 595.6億円 | 631.7億円 | -5.7% |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期の業績予想は、売上高600.0億円(前期比0.7%増)、営業利益14.0億円(同16.0%減、営業利益率2.3%)、経常利益13.0億円(同8.2%減、経常利益率2.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益7.5億円(同0.6%増、当期純利益率1.3%)としている。営業利益は売上変動による増益要因があるものの、材料相場変動や経費増加(人件費の上昇)などの影響により前期比2.7億円の減益を見込む。為替レートは1米ドル155.00円、1ユーロ180.00円を想定している。資料は、米国の政策動向や中東情勢の緊張に伴う原油価格の変動等の影響については精査中のため、上記数値に織り込んでいないとしている。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 2026年3月期実績 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 600.0億円 | 595.6億円 | +0.7% |
| 営業利益(営業利益率) | 14.0億円(2.3%) | 16.6億円(2.8%) | -16.0% |
| 経常利益(経常利益率) | 13.0億円(2.2%) | 14.1億円(2.4%) | -8.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(当期純利益率) | 7.5億円(1.3%) | 7.4億円(1.3%) | +0.6% |
| 1株当たり当期純利益 | 21.74円 | 21.60円 | +0.14円 |

財政状態・資本政策
純資産合計は前期比27.1億円増加の191.3億円となった。増加の主な要因は、為替換算調整勘定が13.8億円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が7.4億円、それぞれ増加したことによるものである。また、2025年9月度において、2025年6月25日開催の第96回定時株主総会での承認可決を受け、財務体質の健全化、将来の資本政策の柔軟性および機動性確保を目的として資本構成の見直しを実施した。これに伴い、資本金、資本準備金及び利益準備金の額を減少させ、繰越利益剰余金に振り替えることで欠損の補填に充当した。この結果、資本金は317.0億円から30.0億円(△287.0億円)、資本剰余金は262.2億円から30.9億円(△231.3億円)となった一方、利益剰余金は△444.5億円から81.7億円(+526.3億円)となった。自己資本比率は35.2%から40.2%(+5.0pt)に上昇した。有利子負債残高は、中小受託取引適正化法対応や転進支援制度関連費用の支払による借入金の増加により、前期比12.8億円増加の159.9億円となった。
中期事業計画「R3」
当社は中期事業計画「R2」(2024年3月期~2026年3月期)で期間累計売上高2,000億円、営業利益率2.5%、ROIC5.0%を目標としていたが、2024年3月期から2026年3月期の実績は、売上高が全期で計画未達、営業利益は初年度のみ計画達成、ROICは全期で計画未達となった。2027年3月期を初年度とする新たな中期事業計画「R3」では、期間累計目標として売上高2,000億円、営業利益70億円、ROIC5.5%、営業キャッシュ・フロー150億円の達成を掲げ、最終年度である2029年3月期に売上高720億円、営業利益率4.5%の達成を目指すとしている。株主還元のあり方については、事業収益力および財務基盤強化の進捗を踏まえて検討するとしている。
※本記事はFDKが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。