※本記事はサンケン電気が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
サンケン電気の2026年3月期(通期、2025年4月~2026年3月)は、売上高802億円(前期比34.1%減)、営業利益-47億円(前期は-38億円)、経常利益-88億円(前期は-143億円)、当期純利益-98億円(前期は509億円の黒字)となった。主力のサンケンコア事業の売上高は786億円(前期比12.7%減)で、白物家電市場を中心とした減収が響いた。旧ユニット事業の撤退に伴い「その他」売上高が316億円から16億円へ縮小したことも連結売上高の減少要因となっている。前期の当期純利益は648億円の特別損益計上を含み509億円の黒字だったが、当期は特別損益がほぼゼロとなったことなどから最終赤字に転落した。2026年3月期期末配当は無配継続としている。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は前期比414億円減の802億円、営業利益は前期比9億円減の-47億円(赤字)となった。サンケンコア(自動車・白物家電・産機/民生の主要3市場)の売上高は786億円(前期比114億円減、うち為替影響-5億円)、営業利益は-45億円(前期比65億円減)。持分法投資/LPS運用損益は-30億円(前期-50億円)で、アレグロ当期純利益の持分損失21億円、LPS運用損9億円等が主な要因。経常利益は-88億円(前期-143億円)。特別損益は前期648億円から当期はほぼゼロとなり、旧ユニット事業撤退に伴う固定資産売却益やアレグロ株式報酬計上に伴う持分変動利益を特別利益として計上した一方、石川サンケンの志賀工場閉鎖に伴う固定資産処分損・減損損失や特別退職金(石川サンケン、サンケンインドネシア)を特別損失として計上した。この結果、当期純利益は-98億円(前期509億円の黒字)、一株当たり当期純利益は-472.88円(前期2,119.53円)となった。財務体質については、2026年3月末の自己資本比率は50.1%、D/Eレシオは0.67倍で、引き続き健全な水準を維持している。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 802億円 | 1,216億円 | -414億円(-34.1%) |
| うちサンケンコア | 786億円 | 900億円 | -114億円(-12.7%) |
| うちその他 | 16億円 | 316億円 | - |
| 営業利益 | -47億円 | -38億円 | -9億円 |
| うちサンケンコア | -45億円 | 20億円 | -65億円 |
| 経常利益 | -88億円 | -143億円 | +54億円 |
| 当期純利益 | -98億円 | 509億円 | -607億円 |
| 一株当たり当期純利益 | -472.88円 | 2,119.53円 | - |
| 項目 | 2024年3月末 | 2025年3月末 | 2026年3月末 |
|---|---|---|---|
| 自己資本比率 | 31.1% | 56.9% | 50.1% |
| D/Eレシオ | 1.18倍 | 0.43倍 | 0.67倍 |

セグメント別(市場別)の状況
市場別売上高(サンケンコア)は、自動車314億円(前期317億円)、白物家電365億円(前期465億円)、産機・民生107億円(前期119億円)。為替影響を加味すると自動車は前期比で微増、産機・民生は微減。自動車はICE向けが粘り強く維持した一方、EVトラクションモータ用パワーモジュールが伸び悩んだ。白物家電は中国系顧客が大幅に減少し、その他の日系中国向けも需要減から減少した。
| 市場 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 自動車 | 284億円 | 317億円 | 314億円 |
| 白物家電 | 382億円 | 465億円 | 365億円 |
| 産機・民生 | 119億円 | 119億円 | 107億円 |
| サンケンコア計 | 785億円 | 900億円 | 786億円 |

通期業績予想
2027年3月期は、売上高(サンケンコア)865億円(前期比79億円増、+10.0%)、営業利益(サンケンコア)14億円(前期比59億円増、黒字転換)、経常利益1億円、当期純利益10億円、一株当たり当期純利益48.26円を見込む。市場別では自動車345億円、白物家電399億円、産機・民生122億円を予想。想定為替レートは1米ドル=155円(前期実績150.69円)。売上高の増加要因として金属建値高騰に対する適正売価条件の獲得、白物家電の韓国向け伸長、為替影響を挙げる一方、営業利益は素材価格高騰が減益要因、生産増・適正売価条件の獲得・金属建値対策・生産再編・経費削減・為替影響が増益要因としている。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高(サンケンコア) | 865億円 | 786億円 | +79億円(+10.0%) |
| うち自動車 | 345億円 | 314億円 | - |
| うち白物家電 | 399億円 | 365億円 | - |
| うち産機・民生 | 122億円 | 107億円 | - |
| 営業利益(サンケンコア) | 14億円 | -45億円 | +59億円 |
| 営業利益(連結) | 14億円 | -47億円 | - |
| 経常利益 | 1億円 | -88億円 | - |
| 当期純利益 | 10億円 | -98億円 | - |
| 一株当たり当期純利益 | 48.26円 | -472.88円 | - |

株主還元
2026年3月期の期末配当は、中国白物のシェア減少や旧ユニット事業清算、後工程生産再編等による事業損失を受けて無配とした。2027年3月期についてはサンケンコアの収益性改善の見通しに応じて方針を検討するとしており、現時点では未定としている。自己株式取得については、2025年9月までに300億円・417万株(発行済株式数対比約17%相当)の取得を完了し、2025年10月3日に自己株式の消却を実施した。

中期経営計画/トピック
24中計の損益分岐点(BEP)は、2025年3月期860億円、2026年3月期890億円、2027年3月期(予想)830億円、2028年3月期(計画)790~820億円と、想定為替レート(2027年3月期155円、2028年3月期145~155円)のもとで段階的な改善を計画している。2028年3月期(計画)の売上高は875億円を見込む。パワー半導体市場では、IPM(インテリジェント・パワーモジュール)で世界シェア10%、世界5位・国内3位のポジションにあるとしている(富士経済「2026年版 次世代パワーデバイス関連市場の現状と将来展望」より)。また、決算短信における重要な後発事象として、連結子会社における希望退職者の募集を開示している。
※本記事はサンケン電気が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。